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デイトレ初心者が勝てるようになるためにやるべきこと【4-①.トレード手法の過去検証をしっかりやる(前編) 〜過去検証の重要性と注意点〜】

こんにちは。
この記事を開いていただきありがとうございます。

この記事は、僕がデイトレ初心者を卒業し毎月コンスタントに利益を出せるようになった経験から、現在まだ成果を出せていない人がやるべきことをまとめた【デイトレ初心者卒業シリーズ】を構成する5番目の記事です。

まだ最初の記事を読んでいない方は、そちらから読んでいただくことをおすすめします。

【デイトレ初心者卒業シリーズの記事一覧(暫定)】
0.デイトレで勝てるようになるためにやるべきこと(ざっくりまとめ)
1.リスク管理を学ぶ
2.テクニカル分析を学ぶ
3.トレード手法を学ぶ
4-①.トレード手法の過去検証をしっかりやる(前編)  ☜今回はココ
4-②.トレード手法の過去検証をしっかりやる(中編)
4-③.トレード手法の過去検証をしっかりやる(後編)
5.ファンダメンタルズ(世界経済)の勉強をする ※準備中 m(_ _)m
6.知識やアイデアをアウトプットする ※準備中 m(_ _)m
※今後の執筆状況によりコンテンツが変更になることがあります。


【注意事項】
本記事は、主に日経225先物等をトレードしている投資家向けに、執筆者の経験やトレード技術や経済、政治などを解説する目的で作成されています。
本記事の内容は、実際のトレードでの利益を保証するものではありません。
実際の取引はご自身の判断と責任により行って下さい。


 今回からは「トレード手法の過去検証をしっかりやる」という章になりますが、執筆を進めていくうちにボリュームが長大になってしまったため、内容を3分割することになりました。

前編は、”過去検証の重要性や注意点等”についての解説です。
中編は、”具体的な作業内容”についてです。
後編は、”検証結果の精査”や”ルール補正などの補足事項”についてとなります。

 僕が本記事で推奨する過去検証の作業は、はっきり言って単調でつまらないです。
 チャートのローソク足を1本ずつたどりながら、エントリーポイントとエグジットポイントを一つずつ記録していくような“根性マイニング“の世界です。

 こうした作業をやり切るには、“強い目的意識”が必要です。
 なのでまずは、「トレードで勝てるようになるために過去検証が必要な理由」について、分量を割いてご説明するところから始めさせていただきたいと思います。


以下、本文です。
よろしくお願いします!


■なぜ、過去検証をしなければならないのか?

当たり前のことではありますが、
トレード手法は ”知っているだけでは使えません”

水泳や英語、仕事なども同じですよね。
自分の手足を動かして、頭と身体を全部使ってトライ&エラーを積み重ねなければ、独り立ち(実戦の場で実行)できません。

スポーツや仕事において基礎的なトレーニングが重要であるように、トレーディングにおいても、実戦でない場でトレーニングを積んで、効率的に経験を蓄積することが重要なのです。

僕は自分の経験から、過去検証とは
「初心者トレーダーを独り立ちに向けて加速するためのトレーニング」
であると考えています。

僕はトレーニングとして過去検証が果たすべき役割を、次の二点のように設定しています。

【過去検証の役割】
①トレード手法の優位性を確認する
②チャート形成パターンを大量にインプットし、チャート分析の経験値を高める

以下、詳しく解説します。


初心者トレーダーが抱える問題点

僕は自分の経験から、世の個人トレーダーの多くがなかなか勝てない原因は、以下の要素に集約されると考えています。

①優位性のあるトレード手法を確立していない
②トレード経験の不足

自分自身で検証し、優位性を確認したトレード手法が無いと、リスク・リワードの高いトレーディングができません。
またトレードの経験が不足していると、目先のランダムな動きや人の言うこと等に惑わされたりして、優位性の高いトレード手法を正しく実践できません。(早すぎる利確、遅すぎる損切り etc...)

トレーディングで勝てるようになるには
自分なりの優位性あるトレード手法を確立し、
そのルールを正しく運用できる水準まで経験値・チャート分析技術を高める
ことが必要なのです。
(上記の「過去検証の役割」と繋がっています。)

※そもそもトレード手法等についての知識が大きく不足しているのは論外なので、その場合はまず、本やネット等でトレーディングに関する基礎知識(取引ルール、リスク管理、資金管理、トレードツール、チャートツール、トレード手法 等)をインプットしてください。

上記の事柄はとても大切な概念なので、少し違うことばでもう一度説明します。


「トレーディングにおける自分の軸」を持つ
〜デイトレで勝てるようになるための関門〜

上でも述べましたが、優位性のあるトレード手法を知らないと、そもそも「エントリーすべき場面」や「何もしない方が良い場面」などの判断を自分で下すことができません。
「思いつき」レベルのトレードを繰り返し、何がいけないのかも分からず退場することでしょう。

そこからもう一歩進み、「ゴールデンクロス」や「移動平均線ブレイク」などのトレード手法を自分で仕入れてきたとしましょう。
こうした、”知識としては知っているが、自分で検証していない” 手法をいきなり実戦で運用すると、大抵の場合は様々な難題に直面し、自分で解決できず損失を重ねることになります。

【難題の例】
・利確/損切りのタイミングがわからない
・ダマシによくあう
・エントリー/エグジットの条件を満たしているかどうか判定が難しいケースが意外と多い

逆にいうと、”自分で”検証し優位性を確かめたトレード手法を確立していれば、エントリー/エグジットのタイミングの判断や、何もするべきでない時の判断を自力で行うことができるのです。

また、過去検証の作業を行う際には、大量のチャート形成パターンをインプットすることになります。
これは、「仮想的にトレードの経験値を積む」ことと同義です。

こうしてチャート分析や仮想トレードの経験値を高めることで、様々なチャート形成パターンが頭に叩き込まれます。
それを繰り返すうちに、リアルタイムのチャートの動きを見て「これ前も見たパターンだな」と思えるようになってきます。
ここまでくると、実戦においてもリアルタイムで動くチャートの予測精度を高めることができます。

こうした状態は、「自分の軸を持っている」といえます。

自分の軸を持つことで、トレードにおいてリアルタイムに行うべき判断や、都度発生する様々な問題の処理を、その場で素早く、自力で遂行することができるのです。

その結果、ブレずに優位性のある手法を実践することができ、トレードで安定した収益を得ることができるようになるのです。

一方、”自分の軸”が無い場合、短期的なランダムウォークに惑わされ、判断に迷いが生じることが多くなります。
こうした迷いを放置したままでは、自分の行動に自信が持てませんし、一貫性あるトレードができません。

そして一貫性を持って相場に向き合えないと、損切りすべき場面で損切りできなかったり、本来エントリーするべきでない場面でもエントリーしてしまったり等、トレードの収益性を損なう行動が増えてきてしまうのです。

すなわち、デイトレで勝てるようになるための最後の関門は、
“自分の軸を持ち、優位性の高いエントリー手法を、一貫性をもって運用できるか“
にあるのです。

そのためには、
優位性のあるトレード手法を確立し、
そのルールを正しく運用するための経験値を積む(多くのチャート形成パターンのインプット、チャート分析能力の向上)
ことが必要なのです。

そして、そのためのトレーニングとして、過去検証はとても効果的かつ効率的なのです。

以下、過去検証の役割や具体的な方法、各種の注意点などについて解説していきます。


過去検証の役割について、詳しく

ここで今一度、冒頭で紹介した過去検証の役割について詳しく解説します。

①トレード手法の優位性を確認する
②チャート形成パターンを大量にインプットし、チャート分析の経験値を高める


① トレード手法の優位性を確認する

あるトレード手法について、実際に運用した場合のパフォーマンスを把握していなければ、自信を持ってホールド or 損切りを行うことができません。

ごく短期のランダムウォークに狼狽して早すぎる利確をしてしまったり、逆に思惑通りにいかず含み損が膨らみつつある状況で素早く損切りできないという行動は、トレードの収益性を低下させる要因なのです。

十分長期間の過去チャートを活用して仮想的にトレードし、その結果を精査する作業を通じて、長期的なトレード手法の優位性を確認します。
なるべく実戦に近い方法で長期的な優位性を確認した手法であれば、実際の実戦トレードでも自信を持って運用することができます。

過去検証において、様々な勝ち/負けパターンを幾度も繰り返すことで、現実のトレード作業も「いつかきた道を辿るかの如く」こなすことができるようになるのです。


②チャート形成パターンを大量にインプットし、チャート分析の経験値を高める

チャート形成パターンに、同じものは存在しません。
また現実のチャート形成の動きやテクニカル・インジケーターには、曖昧さやランダム要素があります。

同じ「三毛猫」にも微妙な個体差があるのと同様に、「三角保ち合い」や「ダブルトップ」等のチャートパターンや、「支持抵抗線のブレイク/反発」のような波動パターンも、同じものはひとつとして存在しません。
チャートパターンのダマシなども、そのパターンは細かく見れば千差万別です。

こうした曖昧さを処理して、トレード手法を正しく運用するためには、職人技を磨き上げるように、数多くのチャート情報の処理をこなすことで積み上げる経験値が必要となります。

チャート過去検証は、こうした経験値を高める上で、最も時間とお金のコスパに優れた方法なのです。
画像認識AIのように、チャートパターン等のトレード手法が機能する場合やダマシになる場合のパターン蓄積を大量に行うことで、チャート形成パターンの分析・認識能力(僕はこれを“相場勘“と言っています)を高めることができるのです。


過去検証の必要性や役割についての解説はここまでです。
次は、過去検証の効果を最大化する上での”超重要事項”について解説します。


■過去検証は“自分自身で“やらなければならない 

当たり前のことなのですが、過去検証は自分の手を動かしてやらなければ、トレード手法の信頼性を理解できませんし、チャート分析の経験値も高まりません。

何より、チャート分析は非常に”主観的な要素が強い”ため、他人のトレード手法を自分も同じように運用できるとは限りません(というか無理です)。
同じように、他人が行った検証の結果と、自分がやったときの検証結果が同じになると限らないのです。

例えば「トレンドラインをブレイクしたらエントリー」というエントリールールがあったとして、それを実戦で運用するのは自分自身です。

・トレンドラインをどのように引くか(高値に合わせるのか、どの高値に合わせるのか 等)
・どの時間足を使うか、複数の時間足を組み合わせるか
・何をもって“ブレイクした“と判定するか

など、一見単純なルールに見えても、運用する上での自由度(選択肢)や曖昧さは意外と大きいのです。
また、同じチャート画像を見ていても認識の仕方は人それぞれであり、他人が決めたルールを自分が正しく運用できる保証はどこにもありません。

つまり、トレード手法のパフォーマンスを知るには、“自分が運用した場合の“パフォーマンスを調べなければならないのです。
そのためには当然ながら、検証作業は“自分自身の手を動かして“やらなければならないのです。


■過去検証の目的

僕の場合、過去検証の目的を次のように考えています。
※冒頭で解説した、過去検証の役割と繋がってます。

①“自分が運用する場合の”トレード手法のパフォーマンスの把握
②チャート形成パターンのインプット学習

①“自分が運用する場合の”トレード手法のパフォーマンスの把握
過去チャートにより、特定のトレード手法を用いて仮想トレードすることで、“自分がその手法を運用した場合のパフォーマンスを知ることができます。
これにより、勝率や損益比、平均値幅、連勝/連敗確率などの諸元値を把握することができ、自信を持って、一貫したトレードを行うことができるようになります。
逆にいえば、ごく短期間のランダムな動きに一喜一憂することなく、ルールに徹した(ときに柔軟な)オペレーションを行うことができるようになります。

②チャート形成パターンのインプット学習
チャートデータを精査してエントリー/エグジットの対象となるパターンを探す作業を数多くこなすことで、ルールが機能する場合/ダマシとなる場合のチャート形成パターンを大量にインプットすることができます。
これは、トレード経験の蓄積に他なりません。
こうして仮想的なトレード経験を蓄積することで、現実の、リアルタイムでのチャート形成プロセスの機微を感じ取る能力(相場勘)を高めることができます。


■過去検証でやること(ざっくりイメージ)

過去検証の作業は、ざっくりいうと「過去のチャートでトレード手法の仮想トレードをすること」です。

詳しくは後述しますが、過去検証作業の概要は以下の通りです。

検証したいトレード手法や時間足を決める。
 ⬇️
チャートツールを使い、過去に遡って、トレード手法のルールに従い仮想的にトレードを行う。
 ⬇️
仮想トレードのエントリー/エグジット日時・金額等の情報を記録する。
 ⬇️
仮想トレードの結果が出揃ったら、記録した内容から勝率や損益比などのパフォーマンスを評価・精査する。
 ⬇️
満足できるパフォーマンスが得られたら、少額から実戦で試験運用、する。
 ⬇️
実戦で問題が生じなければ少しずつ投入金額を増やしていく。


■過去検証に取り組むうえでの注意点

①自分でやる
上でも述べましたが、同じチャートを見ていても認識の仕方には個人差があります。
同じトレード手法でも、他人がやった場合と自分がやった場合では結果が異なる可能性があるのです。
トレード手法のパフォーマンスを知るには、“自分が運用した場合の“パフォーマンスを調べなければなりません。

②現実に運用可能なルールを設定する
“底値で買い、最高値で売る“みたいなガバガバのルールや、未来の情報を使ったルールは、実戦では実現不可能です。
また、“ローソク足の終値で決済する“など、リアルタイムで監視していなければ実現できないオペレーションを前提としてしまうといったことも、意外とやりがちです。
特に「分足」などの超短期足を使うようなルールは、兼業の方では実行が難しいでしょう。(夜間に特化する等の解決策はあり得ます。)
慣れないうちは、現実的でないルールを設定してしまうミスが起こり得るので、本格的に検証を始める前に、現実に運用可能かどうかチェックする習慣をつけましょう。

③都合の良いサンプルだけ集めない
過去検証でも、成績を良くしようとして、ついつい都合の悪いサンプルを除いたり、“柔軟な運用“で利益を無駄に伸ばしたりしてパフォーマンスを上げようとしてしまうことを意外とやってしまいます。
向上心が強い人、負けず嫌いの人ほど陥りやすい心理なので要注意です。
過去検証は、厳格に、機械的にルール検証をしなければなりません。
できれば、なるべく自分に対して不利になるようなサンプリングをした方が良いと思います。

④サンプルの偏りを可能な限り排除する
戦略的な意図がある場合を除き、偏りのあるサンプルにならないよう注意しましょう。
”長期的に上昇トレンドが発生している時期に偏っている”などは、ありがちな例です。
2012年終盤以降の数年間はアベノミクス相場により長期上昇トレンドを形成していました。長期足で上昇トレンドが発生している時期は、デイトレでもロングの勝率が高くなる傾向にあります。
原則として、テクニカルの過去検証においては、短期・中長期それぞれで発生する様々な状況・要因を織り込んだパフォーマンスを明らかにするべきです。
そのためには、可能な限り長期間にわたりサンプルを収集する必要があります。

⑤十分なサンプル数を集める
サンプル数が少ないと、統計的な信頼性が確保できません。
僕の場合、サンプル数は最低でも100個くらいは取得します。
得られるサンプル数が少なくなってしまいそうなルールはそもそも使いません。
たとえ勝率100%の手法でも、サンプル数が過去10年間で数個しかなければ、とても自分のお金を預けようとな思えません。
この後解説する過去検証の方法は、”統計学的なサンプリング”とは異なるアプローチですが、それでもトレード手法の長期的な信頼性を求めて検証するわけですから、サンプル数やサンプリング対象期間は多い(長い)方がより望ましいのです。


■過去検証をやるのにはどれくらい時間がかかる?

まだ本格的に過去検証に取り組んだことがない方であれば、どれくらいの作業量になるかのイメージが湧きにくいかもしれません。

僕の場合、4時間足のエントリーシグナルを検証することが多いのですが、一つの手法あたりのサンプル数は、過去10年分前後でだいたい150〜300個くらいです。

1サンプルあたりの検証作業(エントリーポイント記録→エグジットポイント記録)は1分もかからないです。

【1つのルールの過去検証にかかる時間】
 300エントリ― × 1分 = 300分 = 5時間

1日1時間やれば、5日で1つの手法の検証が終わる計算になりますw
まぁ実際は、検証途中で条件修正等の試行錯誤を色々やりますし、毎回1時間がっつり集中できるわけでもないので、もうちょっと時間がかかるとは思います。
ただ、どんなにのんびりやっても、1ヶ月もあれば1つのルールの検証ができるでしょう。
過去検証により得られるものを考えれば、こうした努力の投資対効果は極めて優れていると思います。


過去検証の重要性や注意点などの基本的な事柄についての解説は以上です。
長い前段でしたが、次の記事から、いよいよ具体的なやり方について解説します。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

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>>次の記事「4-②.トレード手法の過去検証をしっかりやる(中編)」


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