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【違いは酵母】エールとラガーはどう違う?クラフトビール選びに役立つ豆知識

こんにちは!光太郎です。

この記事ではビールのスタイル(種類)である

  • エール

  • ラガー

の2つについて解説していきます。

初めにはっきり言ってしまうと、エールとラガーの違いを知っていて何か役立つかと言われると・・・微妙なところです笑

しかし、ビアパブやリカーショップでクラフトビールを選ぶ際、ちょっとした参考になることはあるでしょう。
また、初めてクラフトビールを飲む友人や彼氏彼女に質問された際に答えられるとかっこいいかもしれません(^^)

ということで、さっそく見ていきましょう!


エールとラガーの違いは酵母の違い

タイトルにもあるように、エールとラガーは何が違うのかというと、実は原料の酵母が違うんです。

酵母というのはビールの主成分の1つで、ビール造りに欠かせないものですよね。
酵母はイースト菌と言われ、パン作りの他、お味噌などの発酵食品を作るのにも使われるものです。

サイズは5〜10マイクロメートル。
菌なのでもちろん生きています。

酵母の役割は主に3つあって、

  • アルコールを作る

  • 炭酸ガスを作る

  • フレーバーを加える

といったものです。

どれもクラフトビールには欠かせない要素ですよね。
このことから、「ビールは酵母が作っている」と言っても過言ではありません!

次にエールとラガーの酵母がどう違うのかを見ていきましょう(^^)


酵母の存在がビールたらしめているのです

エールは上面発酵する

エールに使われる酵母は「上面発酵酵母」と言われます。
これはビールを作るタンクの上の方、つまり上面で発酵する酵母だからです。

上面発酵以外の特徴は以下の通りです。


  • 上面発酵の歴史は2000年以上前から

  • 発酵温度は18〜25℃

  • 発酵期間は3〜5日

  • 発酵時に多様な香りが発生する
    →クラフトビールはエール系のものが多い


エールは華やかな香りが最大の特徴です。

イギリスやベルギーに代表される国では、今もエール系のビールが盛ん。
キンキンに冷えているものよりややぬるめの10℃前後の方が、香りをより強く楽しめる飲み頃の温度です。

有名なエール系ビール銘柄では以下の3銘柄がありますね。

  • ギネス(GUINNESS):アイリッシュスタウト → アイルランド

  • パンクIPA(PUNK IPA):IPA → スコットランド

  • ヒューガルデン(HOEGAARDEN):ベルジャンホワイト → ベルギー


アイルランド発のギネスは日本でも有名

「エール=クラフトビール」と言ってしまうと大袈裟かもしれませんが、実際にクラフトビールにはエール系のものが多く、お店で選ぶ際にはその種類の多さに驚くことでしょう。

クラフトビールにハマったきっかけは「今まで飲んだことがないビールに驚いた!」というものが多いですが、これは今まで飲んでいたビールの多くが次に解説する「ピルスナー」というラガー系のビールであるからだと思われます。

僕自身も僕の周りの知人も、エール系のビールを飲んでビールのイメージが変わった印象があります(^^)

ラガーは下面で発酵する

上面発酵のエールに対し、ラガーは下面発酵酵母が使われています。

もちろん発酵が下面(=タンクの底の方)だから下面発酵酵母と呼ばれています。

下面発酵以外の特徴は以下の通りです。


  • 歴史は200年程度と比較的浅い

  • 発酵温度は5〜14℃

  • 発酵期間は7〜10日

  • スッキリした飲み口が特徴
    →世界中で愛飲されるビールの多くがラガー系


下面発酵はビールの歴史から見ると比較的短く、まだ200年程度となっています。
この理由は、昔は冷蔵技術が発達していなかったからです。

上に書いた通り、ラガーは低い温度で長期間発酵させる必要があります。
昔は低い温度を保つ方法がなかったんですね。
冷蔵技術がないので標高の高い山上などに醸造所を作っていたそうです。

それが冷蔵庫が発明されたことにより、冷蔵技術が発達。
ピルスナーをはじめとするラガー系のビールを作ることができるようになりました。

ドイツのエルディンガーデュンケル(ラガー)

今では世界中で飲まれるビールの約90%がラガーだと言われています。


有名なラガー系ビールでは、

  • アサヒスーパードライ:ジャーマンピルスナー → 日本

  • バドワイザー(Budweiser):アメリカンライトラガー → アメリカ

  • ピルスナーウルケル(Pilsner Urquell):ボヘミアンピルスナー → チェコ

などがあります。


ちなみにラガー(Lager)はドイツ語で「貯蔵する」という意味。
低温で長期間かけてる作られるビールの名前にピッタリというわけ。

低温で作るため傷みにくく、そのため大量生産に向いているところがラガー系のビールが世界的に流行っている理由の1つです。

要は、エールの方が種類が多いけど、飲まれているのはラガーってことです!

日本でいう「とりあえずビール」はラガーが多いですね(^^)

ラガーの熟成期間はエールの2倍以上

エールに発酵期間は3〜5日、ラガーは7〜10日必要だと書きました。
しかしビール造りは発酵したら完成ではありません。

ここから「熟成」と呼ばれる期間を経て完成に至ります。

エールの熟成期間は約2週間。
それに対してラガーは約1ヶ月と2倍以上の期間が必要になります。

こうした部分も「貯蔵」という意味に合っているのかもしれません(^^)

クラフトビール=エール!?

先ほども書きましたが、「クラフトビールといえばエール!」と言ってしまえるくらい、エール系のビールが豊富にあります。

これはエールの持つ華やかな香り・味のおかげ。
香り(アロマ)や味(フレーバー)として感じられる種類が非常に多く、どうしてもエールが多くなってしまうのは仕方ない部分があります。

ビアスタイルは無数にありますが、多くがエール系ビールになってしまうのは必然ということなんですね〜。

また別の理由として、エールもラガーもたくさん作ろうと思うと設備もそれだけ必要になりますよね。
ということは、場所もお金も必要になるということ。

世界のマイクロブルワリー(クラフトビール醸造所)は小規模で事業を行っています。
エールのほうが作るビールのバリエーションが多くなるため、専門で作っているところが多いのも納得です。

日本のブルワリーだと、「ヤッホーブルーイング」や「サンクトガーレン」などの有名ブルワリーもエール専門で造っていますよ。(名前クリックで公式サイトへ移動)

エールとラガーはどっちが美味しい?

クラフトビール初心者の方によく質問されるものに、「結局のところ、エールとラガーはどっちが美味しいの?」というものがあります。

結論から言えば、どっちも美味しいです!
というか、

  • 本人の味の好みの問題

  • 飲むシーン(暑いのか寒いのか、誰と飲むのか)

  • 一緒に食べる料理

  • その日の気分

等で変わってきます。
(個人的には「その日の気分」推しです笑)

ただ個人的に、クラフトビール好きな人はエール系のビールを飲む傾向があるように思います。

これは、いろんなビールを飲んでみたいという欲求の強い・探究心のある人が多いのかなーという印象。
もちろん個人の感想なので正解はありませんけどね笑

もちろん居酒屋の「生ビール」だって美味しい!

結論:エールにもラガーにも正解は無い!

この記事ではエールとラガーの違いについて解説してきました。
ひと言でまとめると、【エールとラガーの違いは酵母の違い】ということになります。

細かく内容を見ていくと、

  • 製造されてきた歴史

  • 発酵する場所(タンクの上面か下面か)

  • 発酵温度

  • 発酵期間

  • 熟成期間

など全てにおいて違いがありますが、その根本的な理由となるのは酵母の違いからです。
また、エールとラガーのどっちが美味しいビールなのかに正答はありません!

自分の飲みたいビールこそが正解で、どちらかだけが正しいということはないからです。

ただクラフトビールはエール系のものが多いのは間違いありません。
また、クラフトビール好きな人はエール系のものをよく飲んでいる印象はあります。

ビール選びのヒントの1つとして、一緒に食べる料理から選ぶようにしてみても楽しいと思います。

実際にクラフトビールを造っている職人(ブルワー)さんからも、「ビールを設計する際はペアリングする料理から考える」というコメントを結構見かけます。

奥深いクラフトビールの世界にせっかく興味を持ったんです。
色々なスタイルのビールを飲んでみて、自分の好みのビールを探してみましょう!

この記事で読んだことがクラフトビールの豆知識として使われれば嬉しいです(^^)


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