ピアノ教師 野口幸太

武蔵野音楽大学大学院ピアノ科修了のピアニスト。ピアノ教師として音楽の喜びを伝え、生徒の…

ピアノ教師 野口幸太

武蔵野音楽大学大学院ピアノ科修了のピアニスト。ピアノ教師として音楽の喜びを伝え、生徒の可能性を最大限に引き出すことに専念。初心者から上級者まで、発達障害から大人、すべての生徒が歓迎される教室づくり。

最近の記事

32年前の応援が、ようやく自分に届いた瞬間

小6の時、クラスメートからもらってた寄せ書き。 🎶「ピアニストになれるといいですね」 🎼「12月の本選(コンクール)ガンバ!」 🎹「将来はピアニスト」 応援されていたことに、今、気が付きました。 そして今現在も、僕がまだ気づいていない、周囲の支えがあるのかもしれない。 気づく力、感謝する力。 逆の立場になっても、今の彼らが僕の厚意に気づくことはないかもしれない。 でもそれが10年後、20年後に彼らを支える種になるかもしれない。 僕たちの行動は、未来への種まき。 ピアノ

    • “偉人“だけが凄いのか〜凡人の役立ちどころ〜

      バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン。 “偉大な作曲家”の代表格。 それぞれの時代において革新的な作品を残し、後世の作曲家たちに大きな影響を与えました。 でも、本当に“彼らだけ”が時代を動かした立役者だったのでしょうか。 僕はそうは考えていません。 まず、この巨匠たちの音楽の素晴らしさを、真っ当に理解できる、無名な専門家たちが「モーツァルトって、スゲえ!」とかなんとか言って、評論していたはずです。 音楽の専門家ではなくても“ステキさ”を感受できる素直な心もった聴衆が、友

      • 音楽一本で生きる:無理と言われた夢への挑戦

        小5の頃に、『あなたには無理!』と言われて始まった音大受験への道。 経済的に恵まれていたわけじゃない中、音大受験を通過して、、、更に大学院さえ出ればピアニストになれるもの! という勘違いで、学部から引き続き、満額の学生ローンを組み、、、 社会に出てからは、舞台現場であっちこっちから怒鳴られながらピアニストやって、学校でも教え、介護の仕事もして、、、 奨学金の返済はまだ終わらないけれど、ようやく音楽一本で食べられるようになっている今の自分が見ている景色は、子供の頃に見て

        • ピアノ教師が国語辞典を買った理由

          ピアノレッスンの質を上げるために、国語辞典を買いました。 多分、自分のお金で国語辞典を買ったのって初めてだと思う。 時として、僕たちピアノ教師は、音楽の中身を言葉で伝えたり、言葉で表された何かしらの感情や情景を、子供が理解できるように説明して音楽に乗せるお手伝いをしなくてはならないことがあります。 例えば、 「陽気なスペイン」の陽気って何? ひとりぼっちって、どういうこと?さみしいって、どういう気持ち? あなたがこのワルツを踊るのは何故? これ、全部言葉です。

        32年前の応援が、ようやく自分に届いた瞬間

          【発達障害】子供が偏食で食べない時にやった事とは?原因と解決策【子育て】

          僕の教室の生徒さんの保護者マイさんとのコラボ動画です。 間も無く成人の年齢を迎える、重めの発達障害(知的障害を伴う)のお子さんですが、これかこれから10年かけて音大入学を目指しています。 ピアノとは関係ない話?と思われるかもしれませんが、ピアノはありとあらゆる能力、経験の寄せ集めです。どこかで必ず繋がるものと信じています。 かつて、このような子どもたちに「ピアノ」という選択肢すらないのが当たり前でした。 色々な境遇の人たちにとって、ピアノが人生を豊かにするツールになってい

          【発達障害】子供が偏食で食べない時にやった事とは?原因と解決策【子育て】

          【誇り!】ピアノ教師ってステキだ輪♡

          僕たちは、小さい頃からピアノ、音楽を学び、専門家にまで育ったエキスパートです。 この道を自ら選んで、この職業で生きてくと決め、過酷な練習も乗り換え、身体も酷使してきた。 今だって、日々の練習を積み重ね、指導法を学び続け、コミュニケーションの勉強もしながら、保護者とも良好な人間関係を築き、次々と変わり続ける時代のニーズに応えるべく最新の情報収集も欠かさない。 “最新”をやる一方で、ピアノ、ピアノ音楽という伝統を伝え続ける。 こんなこと他の人たちにはなかなか理解してもらえない。そ

          【誇り!】ピアノ教師ってステキだ輪♡

          【号泣】インドネシア製ピアノ(河合楽器YouTube動画を見て)

          インドネシアでピアノが作れるとは思われていなかった。 河合楽器製作所のオフィシャルYouTubeです。 今や世界のピアノシェアは1位、2位揃って日本企業のヤマハとカワイなわけですが、そのどちらもインドネシアに工場をもっています。 昨日、大切な友人から、この動画のリンクが送られてきたのですが、震えました。 10,000個もの部品を組み立ててようやく完成するピアノ作り。 ・1ミリ以下の誤差で音が変わる。 ・徹底した温度と湿度コントロールが必要。 ・錆びやすい弦においては、

          【号泣】インドネシア製ピアノ(河合楽器YouTube動画を見て)

          「ピアノ演奏について」:感情表現と感情的な演奏の違い

          コミュニケーションのプロフェッショナル、今村園子さん(一般社団法人パーソナルプロファイリング協会代表)の講座を受講中です。 間もなく上級コースの受講が終了しますので、修了後はその辺りの内容もシェアしたいと思います。 講座の中で、「感情表現」と「感情的になること」の違いについて、園子さんから言及がありました。 ピアノ演奏でも「感情表現」はよく議論されるテーマです。 感情に流されすぎると、自己中心的な演奏に陥りがちです。 このような状況を避けるためにはどうすればよいのか、また

          「ピアノ演奏について」:感情表現と感情的な演奏の違い

          ピアノ教師のお仕事:「教えないこと」

          サミュエル・スマイルズによって書かれた「自助論」は、明治時代の日本においても大ヒットセールスを記録した歴史的な書籍です。 その影響力は、令和の時代に生きる僕たちにも及んでおり、Amazonでも容易に手に入れることができます。 この本は、「人生は自分の手でしか開けない!」という力強いメッセージで第1章が始まります。 この言葉は、私たちピアノ教師にとっても重要な教訓だと心に刺さります。 と言うのも、僕たち教師は、子供(生徒)のピアノ上の困りごとについては、ほとんどの部分で解決

          ピアノ教師のお仕事:「教えないこと」

          ピアノの奇跡を知ることで得られる感謝

          基本、ピアニストはピアノを弾くこと以外のことは何もできません。 楽器の不具合があっても、中を開けて、自分で不具合の原因を探ることすらもできない。 僕たちの手元にこの楽器が運ばれてくるまでに、いったいどれだけ大勢の人の手がかかっているか計り知れません。 木の精密機械と呼ばれるこのメカを、作り、売り屆けてくれる人たちがいて、それを最善の狀態に整備してくれる人がいます。 もっと元を辿れば、ピアノ用の木材を厳しい基準下で栽培し、厳密な要件を満たして乾燥や加工を施してくれる人も

          ピアノの奇跡を知ることで得られる感謝

          空に向けた100秒の想い(竹とんぼに)

          たった100秒間の大空の旅。 なるべく高く、なるべく遠くにって思ってたけれど、もし本当に行ってしまったら? 着地する場所があるから飛んでいける? ちゃんと戻ってこれる? それとも、戻らなくてもいい? ここを忘れないでいられる? 木下牧子作曲、岸田衿子作詞「竹とんぼに」 (6年前くらい前?の演奏記録。) )

          空に向けた100秒の想い(竹とんぼに)

          発達障害の子どもの問題行動「鏡」を使って止めた解決法【子育て】

          お母さんが重度の発達障害を持つ子供と向き合い、問題行動を辞めさたプロセス。 15年前の子育ては、発達障害という言葉がまだ一般的でなかった時代であり、その中で前向きに取り組まれたお母さんの姿勢は、感銘を受けます。 この春、支援学校を卒業し、障害者雇用で就職することができました。 そして、自分で働いたお金で音大を目指しています。 ピアノ教師として、未来を創る仕事に誇りをもって取り組ませて頂いています。

          発達障害の子どもの問題行動「鏡」を使って止めた解決法【子育て】

          ピアノ譜読みに悩む子供を持つ親向け、視聴者とSNSからのアドバイスを紹介。問題解決への糸口となる意見が、共感と新発見を呼ぶ🎹✨ 【後編】ピアノ教室のコンセプトによる?譜読みでピアノの先生に怒られる子供【保護者の悩み】 https://youtu.be/V9gLBi9uiOg?si=5JJLMbrXbVImzXD_

          ピアノ譜読みに悩む子供を持つ親向け、視聴者とSNSからのアドバイスを紹介。問題解決への糸口となる意見が、共感と新発見を呼ぶ🎹✨ 【後編】ピアノ教室のコンセプトによる?譜読みでピアノの先生に怒られる子供【保護者の悩み】 https://youtu.be/V9gLBi9uiOg?si=5JJLMbrXbVImzXD_

          心の懐剣:オペラ《蝶々夫人》から学ぶ生き方〜ピアノを通して心を磨くこと〜

          日本は長崎を舞台にしたイタリアオペラ《蝶々夫人》のラストシーン。 主人公の蝶々さんは自らの懐に忍ばせていた懐剣で自害をします。 このシーンは、数あるオペラの中でも有名で、プッチーニが書いた音楽の効果も多大にはたらき、観客に強烈な印象を残すものになっています。 懐剣は、武家社会において女性が護身用として持っていた短剣で、男性にとっても重要な護身武器でした。 また、精神的なお守りとしての意味も持ち、新しい人生のスタートに際して幸福や安全を願うシンボル、悪い霊から身を守るアイテ

          心の懐剣:オペラ《蝶々夫人》から学ぶ生き方〜ピアノを通して心を磨くこと〜

          ピアノ学習の旅路:右肩上がりの成長と感動の深化

          ピアノの旅は、回り道や乱高下があっても、長期的に見れば、成長の軌跡は右肩上がりです。 途中で辞めなければね。 そして、単に上達することが目的ではありません。上達の過程で、新たな視界が開け、世界が違って見えてくるのです。周囲の景色が変わるわけではなく、あなたの捉え方が変わるのです。感性が研ぎ澄まされ、感動の深みが増していく。それがピアノを学ぶ醍醐味なのです。

          ピアノ学習の旅路:右肩上がりの成長と感動の深化

          「音楽の力:発達障害を持つ子供たちの成長と日本のピアノ産業の未来」

          発達障害の生徒さんのご自宅で、グランドピアノの購入が検討されています。 最初は「どれだけ続くかわからない」という理由で選ばれた電子ピアノも、寿命が近づいています。 今日は、各楽器のメリットとデメリットについて、全力で説明しました。 かつては選択肢にすらならなかったピアノの習い事が、障害を持つお子さんの成長のためのツールとなると確信したら、親御さんは楽器購入という大きな投資を決断します。 その勇気には、深い尊敬の念を抱かずにはいられません。 そして、日本のピアノ産業を支

          「音楽の力:発達障害を持つ子供たちの成長と日本のピアノ産業の未来」