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今から日本の会社に投資して、本当に大丈夫なの?

(6分で読めます)
投資信託シリーズ④!

前回までは、
①投資信託は資産・地域・運用方法で主に選ぶ。
②預け先の地域を選ぶときには将来性とリスクを考えないといけない

という話をしました。


今回はタイトルの通り『投資先として日本の会社って大丈夫なんですか?』という話です。

皆さんご存じの通り、日本って少子高齢化進んでるじゃないですか?
人口に対する65歳以上の高齢者の比率、29.92%で世界2位らしいんですよ、日本って。だいたい日本人の3人に1人が65歳以上
ちなみに国の推計では2070年ごろに、日本の人口が約1億2000万人(今)から約8000万人に減ると言われています。

おじいちゃんとおばあちゃんいっぱい!

ちょっと言葉にするのはアレだけど、
正直そんな国の会社に投資するの、ちょっと怖くないですか?

個人的には『少子高齢化でこれから人口減ってくし、そしたら労働力もモノを売る需要も減ってく。
天災も多いし、いうてしまえば経済がしずんでく国の会社に投資するメリットある?
』って思ってたんです。

短期的に利益出すなら良いけど、資産形成のための投資20~30年とか長期でやりたい。「それなら日本はヤバいんちゃうか?」と思う。


でも最近、日本の株式って人気らしいんですよ!

有名投資家ウォーレンバフェット氏が日本の商社株の保有率を上げたことで話題になったり、日経平均株価の上昇が注目されたり。バブル以来に過去最高値が更新されました。

実は、日経平均上昇の要因は主に、海外投資家が日本の株を買ったから!
投資家はそもそも未来がない会社の株はさすがに買わないはず。中国やアメリカのこと、円安などいろんな要因があるけど、少なくとも“日本の会社が将来的に成長すると思ってる”から買ってる。

“日本の会社に将来はあるのか?”
“人口が減っても、日本の会社は生き残れるのか?”
“日本経済の魅力はなんなのか?”

日本企業の魅力」から、日本の経済の先を考えてみたいと思います!


安定した経済活動基盤がある

1つ目の魅力は『安定した経済活動基盤』です。でも正直、意識したことがなかった!笑

日本にいると、最近の政治資金問題による政治不安や少子化対策など問題山積みの国に見えます。毎日TVでもネットでもいろいろ話題です。ですが他国と比べると、不安が少なく安定しているらしい。

例えば政治・経済不安でいま話題になっているのが、チャイナリスクと呼ばれる中国

中国は世界2位の経済大国ですが、不安が大きい国でもあります。一人っ子政策で急激な少子高齢化が進みすぎ、労働力が減少。
それに対し、国が少子化対策として打ち出したのが「塾の新設禁止」「家庭教師の祝日・夏休み指導禁止」(2021年)なんですって。こんなん日本でやったら国民激おこやであんた……いろんなとこから文句くるわ。笑

でも、そんなことをできちゃうくらいに、国の力が強すぎるんです。いろんな規制を作ったり、経済にも大きく影響します。

中国では、こういった政治・経済基盤への不安から、投資家が次々と資金を引き揚げています。

一人っ子政策と経済の話、普通に面白いから
今度記事にできたらいいな!

話を日本に戻します。
世界平和研究所が発表している「世界平和度指数(GPI)」(2023)でみると、163の国と地域の中で、日本は9位
GPIは「社会の安全・安心のレベル」「進行中の国内・国際紛争の程度」「軍事化の度合い」の3つの領域の平和度を表すものです。

政治不安が比較的少なく、治安も安定している。交通・病院等のインフラ、銀行など金融サービスも整っている。
普段つかっていると当たり前のようなことですが、『日本には経済活動の基盤がある』ことが、大きな魅力になります。

平和度指数1位はアイスランド!



堅実で慎重な日本人の性格

二つ目の魅力は「堅実で慎重な日本企業の文化」です。世界から見ると、日本の会社は堅実で慎重と言われています。

ひとつの例になりそうなのが、老舗企業の数。日本は老舗企業の数が世界一多い国です。世界で100年以上続いてる企業の約40%が日本企業なんだそう。
その数なんと4万5,189社(2024年)!笑
世界で一番古い会社も日本の金剛組、今年で創業1446年の会社です。

そもそも日本企業では、短い期間で富を築くよりも「企業を長く存続させること」を大事にする文化があります。

それができたひとつの背景は、日本が単一民族、外敵から攻められにくい島国で、ずっと国が存在してたから。
実は、世界で一番古い国も日本なんです。(ギネスも認定!)
人も企業も国まで長寿だったなんて!笑

その中で日本の会社は「子孫の代まで長く続ける」ことに重きをおいてきました。

だから他国に比べて、経営が堅実です。
内部留保と呼ばれる会社の金融資産が多く、その中でも現金の比率が高いことが日本の特徴。リーマンショック後、企業の貯金は増え続け、そのおかげで新型コロナの影響に耐えられたとも言われています。
身の丈経営」や「堅実経営」という言葉があるように、大きな利益よりもコツコツ地道な努力が評価されるのが日本人の特徴です。

また「石橋をたたいて渡る」という言葉があるくらい、慎重な性格も日本人特有。海外に比べると、日本企業は「検討が多い」と言われています。
そのひとつの理由が“多数決”です。今まで、学校や会社で物事を多数決で決めたことはありませんか?これ実は日本人の特徴なんです。

欧米や中国の意志決定は基本的にトップダウン。先ほどの塾の話のように、上の人が決めたことが絶対というのが普通です。
それに比べ、日本人は“全員一致”を大切にする文化。何かを決めるときには会議を重ねリスクを洗い出し、みんなが賛成して会社の意志決定をする。そして、一度意志決定したら守るというのも特徴。

そういった日本人の堅実・慎重な性格が経営に表れ、長寿企業が多いひとつの要因になっています。そして、この特徴はどちらかといえば長期投資向き。「保有していれば確実に増えるのではないか?」と考えたりも出来ます。

日本株式市場の変化

三つ目の魅力は「株式市場全体の変化」です。いま日経平均株価があがっている要因の1つにこれがあります。
2023年3月、東京証券取引所がこんな発表をしました。

https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/jr4eth0000004vj2-att/jr4eth0000004w6n.pdf

これなにかというと、『投資家からの期待値が低く人気のない会社が多いから、魅力ある会社になるようを努力して!』という要請です。めっちゃざっくりだけど。笑

これに対して、いろんな会社が動きを発表しています。

自動車のホンダとか

コピー機のリコーとか


今のところ、東証プライム市場に上場している約4割の会社が改善策を発表しています。

また、これからこういった動きに海外投資家も反応を示し、株価上昇の要因になっています。
この株式市場全体の改善への動きが上手くいけば、日本の会社に魅力ある企業が増え、海外の投資資本も呼び込めそう。たくさんの会社の株価があがるはず!

株価は会社の通信簿。信用にもかかわるため、企業も本気を出すのではないかと見られています。

↓株価がなんで大切なのかはこちら!

まとめ

軽くまとめます。
いろいろ調べてみた結果、投資先としての日本って、悪くなさそうだな!と思いました。

たしかに天災も多いし少子高齢化だし、問題はたくさんあるけれど、日本の会社の技術力は世界でまだまだ戦えそう。
そうすると日本での利益が減ったとしても、世界中での利益が見込めます。

かつ今の株式市場の要請で、投資家や株主にとって、より魅力が大きく見込めそうです。むしろ、今がチャンスのタイミングなんじゃないかとも思いました!

新NISAが始まった今、これを機に日本の株式市場にも興味を持ってみては??

そして次回は、アメリカの魅力を見てみます!