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BtoBマーケティング業界の2021年予想

あけましておめでとうございます。株式会社才流(サイル)の栗原です。

一昨年、昨年と、その年に起きるであろうBtoBマーケティング業界の変化を書いていて、比較的好評だったので、今年も2021年に起こるであろう業界変化を書いてみたいと思います。
※昨年の予想は本記事の最後に貼り付けました。

①マーケティングハックの終焉

ここ数年、顕著に起きている変化として

・顧客の情報行動/購買行動がオンラインに移行していること
・Google、Facebookをはじめ、BtoB企業でも使えるオンライン広告のメニュー数が増え、技術も発展し、適切なユーザーにリーチしやすくなったこと
・ウェビナーやオンラインカンファレンスを視聴する、というユーザー行動が一般化したこと
・新規リードを増やすテクニックが書籍やWeb記事で手に入るようになったこと

などを背景に、誤解を恐れず言えば、新規リードを獲得することは簡単になりました。

しかし、2021年は多くの企業で「新規リードは増えたけど、商談につながらない・・」「商談にはつながるけど、受注数が増えない・・」などの問題が発生するでしょう。

実際、2020年の後半にBtoB企業の事業責任者・マーケターから「ウェビナーを開催し、新規リード数は増えたが、商談や受注につながっていない」「ホワイトペーパーを複数作成し、ダウンロード数は伸びたが、結局、受注につながらなかった」などの声を多数聞きました。

新規リード数や商談数などの中間KPIを伸ばすだけでなく、受注数や売上などの最終的なKGIを伸ばすには、自社の事業・マーケティング活動・顧客・競合に対する理解・洞察に基づいた打ち手が必要になります。

2021年はマーケティング施策のハックだけでなく、

・自社のターゲット顧客は誰か
・顧客の関心事や知りたい情報は何か
・顧客の関心事や知りたい情報をどのチャネルで伝えるか
・どの施策にリソースを集中させ、どの施策はやめるか
・プロダクトにおいてどのような機能を開発するか
・プライシングは適切か

など、マーケティング戦略の根本に関わる部分から見直す企業が増える一年になるでしょう。

②Crazy Content is King

2020年のコロナ禍を背景に、各社がデジタルマーケティングへの投資を強化し、2021年もその投資が鈍ることはないでしょう。

結果として起こるのが、オンライン上に発信されるコンテンツの飽和です。様々な会社がTwitterやFacebook、YouTubeで情報発信をはじめ、作成したホワイトペーパーをメールやFacebook広告で配信し、オウンドメディアを立ち上げ・運営しています。

2010年に上記の活動をしていれば、「情報発信に積極的な会社だ」という評判が業界内に立ち、見込み客にコンテンツを見てもらえる確率は高かったかもしれません。

しかし、2021年時点では、競合企業も数多のコンテンツを発信しています。数多のコンテンツの中から一歩抜きん出るためには、業界の基準を作ったり、基準を塗り替えるレベルの本当に優れたコンテンツ(勝手に“CRAZY Content”と呼んでいます)が必要です。

タイトル、表紙、アイキャッチ画像を整えただけの薄いコンテンツではなく、CRAZY Contentの作成に投資する会社が2021年は増えていくでしょう。

最近、見た中では以下のコンテンツは『Crazy Content』だと感じました。

③マーケターの多能工化

3つ目の変化が、マーケターの多能工化(一人で複数の業務や作業を行うこと)が求められることです。

2020年だけでも、BtoB企業のマーケティング部門は

・コロナ禍を背景に、顧客の関心事やニーズ、投資対象の変化
・顧客の情報行動/購買行動が、ますますオンラインに移行
・イベント施策が、オフラインセミナー/展示会からウェビナー/オンラインカンファレンスに
・対面での商談がしづらくなり、オンライン商談での営業~クロージングを前提としたコミュニケーション設計が必要に

などの変化を迫られました。

こうした変化の中では、展示会やセミナー、検索広告など、特定のマーケティング施策のみを回す単能工(一人で一つの業務を担当すること)な存在よりも、これまでの業務範囲を広げ、そのときに必要な施策を幅広く担える多能工(一人で複数の業務や作業を行うこと)な存在が求められます。

実際、コロナ禍を背景に「デジタル営業改革部」や「デジタルマーケティング推進課」などの部署を設立した企業様を多く目にしましたが、昨年後半からすでに管轄すべき業務範囲が広がったBtoBマーケティング部門も多いのではないでしょうか。

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上記の図は10年前、20年前と比較して、顧客とのタッチポイントが増えたことを説明した図ですが、今後も顧客とのタッチポイントは増え続け、企業が取得できるデータ、活用できるツールも減ることはないでしょう。

今後も変化が起き続けるであろう「BtoBマーケティング」の領域で、顧客の課題解決や事業の成長のため、自らの業務範囲を拡張し続けられるマーケターが2021年より一層求められるはずです。

以上、『BtoBマーケティング業界の2021年予想』でした。

昨年の年始に書いた『BtoBマーケティング業界の2020年予想』を以下に貼っておきます。

あと、BtoB営業・マーケティングのオンライン化・デジタル化を支援している才流(サイル)では、絶賛コンサルタントを募集中です。ぜひ奮ってご応募ください。

※上記までが2021年1月11日更新分。以下、2020年に書いたものです。

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あけましておめでとうございます。株式会社才流の栗原です。

昨年『BtoBマーケティング業界の2019年予想』を書いて、比較的好評だったので、本年も今年起こるであろう業界変化を予測してみたいと思います。

①BtoBにおける映像、音声コンテンツの普及

AirPodsシリーズの累計販売台数が1億台近くまで迫り、AirPods Proも大ヒットを記録しています。

Forbesで特集された『起業家たちに聞いた「今年買ってよかったもの」』でも、10名弱の起業家たちがAirPods Proを挙げていました。Appleから久々に革新的なプロダクトが発売されたといえるでしょう。

私も先日、AirPods Proを買いましたが、装着時の快適さやAirPods Proを通して、移動時間やランニング中にYouTube、Voicy、Podcastなどでビジネス系コンテンツを聞く体験の素晴らしさに感動しています。

一方、ビジネス系のコンテンツは、GLOBISのYouTubeチャンネルやNewsPicksのYouTubeチャンネルがありますが、まだまだ供給数が少ないです。

私自身、1ヶ月でYouTubeとVoicyの主要なビジネス系コンテンツを消費してしまい、今はAmazonのAudibleに登録して、ユヴァル・ノア・ハラリの『21 Lessons』を聞いている状態。しかし、Audibleもコンテンツの充実度はまだまだで、やはり耳で消費できるビジネス系コンテンツの絶対数が不足しています。

2020年はこうしたユーザー側の需要を受け、ビジネス系コンテンツをYouTubeやSpotify、Voicy、もしくは自社メディアで供給する企業が増えていくでしょう。

結果として、ビジネス系コンテンツを消費するユーザーの習慣が「書籍やnoteなどのテキスト」から「YouTubeなどの映像や、VoicyやSpotifyなどの音声」に移行していきます。

昨年からBtoB企業でもウェビナーを活用して、セミナーを開催する企業が増えましたが、彼らの感想を聞いていると概ね「かなりポジティブ」です(集客力、歩留まりの良さ、リアルセミナーに比べた時の商談化率、どれをとっても申し分ない)。

全体として、ビジネスパーソンがデジタルの映像・音声に慣れてきているので、ビジネスパーソンにリーチし、関係を築くために映像・音声のコンテンツや広告を配信するBtoB企業が増えるでしょう。

②組織体制は、分業から統合・越境へ

2019年初に発売された『THE MODEL』的な分業体制を批判的に議論する声が、2019年の後半にBtoBセールス・マーケティング業界で多く聞かれました。

マーケティング/インサイドセールス/フィールドセールス/カスタマーサクセスと、部門ごとの役割が明確に定義されたことで、それぞれの業務の効率化と科学が進みましたが、反面、分業による部分最適が問題になったり、そもそも分業型の組織体制は日本の雇用関係とマッチしないのではないか?などの指摘がされました。

どんな物事には良い面と悪い面があるものですが、個人的には分業の最大の問題点は、「仕事の単調化」にあると考えています。

事業全体に関わっている感覚を失い、単一の作業で単一のKPIを追い続ける毎日では、働き手は仕事の意義を見失い、労働意欲は低下します。

退屈な仕事は心筋梗塞の発症リスクを高めることを明らかにしたスウェーデンの調査もありますが、分業を過度に進めた単調な仕事は、関わる人の死亡リスクすら高めてしまいます。

働き方改革が叫ばれ、労働人口も減り続ける現代、企業→働き手へのパワーシフトが起きている中で、「単調な仕事」を供給し続ける企業の採用力、組織力、そして事業競争力は否応なく落ちていくでしょう。

実際、若手のマーケターから「某SaaS企業のカスタマーサクセス職に転職を検討したが、マーケ/インサイド/フィールドセールスに越境しづらく、やれる範囲が少ない気がしたので、転職検討を辞めた」といった話を聞きました。

優秀な人であればあるほど、適度に複雑性があり、事業全体に影響を及ぼせる仕事や環境に魅力を感じます。海外ではCXO(Chief Experience Officer)やCRO(Chief Revenue Officer)などの役職も出てきていますが、2020年は「分業」から「統合」へと揺り戻しが起きる1年になるでしょう。

足元でも、リード数や商談数の最大化だけでなく、MRR(Monthly Recurring Revenue)などの収益の最大化。MRRの最大化からLTV(Life Time Value)の最大化へ意識を向ける企業が増えているのを感じています。

※ユーザーベースグループの株式会社FORCASではCROの役職を導入している

③セールス領域の科学が進む

最近、個人的に強く感じているのが、10年前とは比べ物にならないぐらい、BtoBマーケティングにおける「リード獲得」が簡単になったことです。

・Google広告やFacebook広告のアルゴリズムが進化し、プラットフォーム側が、かなり「良い感じ」に配信&最適化してくれるようになった
・検索エンジンも賢くなり、テクニカルな対策を施さなくても、ユーザーニーズに応えるWebサイトやコンテンツは上位に表示されるようになった
・ユーザーがWebを活用して、自ら情報収集を行うようになり、企業のWebサイトや業界メディアを訪れるようになった
・開催される展示会やカンファレンスが増加した

などの変化によって、「リード獲得」の難易度は大きく下がっています。

また、②で触れた分業型組織モデルの大きな功績として、各領域の科学が進んだことで、BtoBマーケティングのリード獲得に関して、たくさんの良質な情報が流通しました。

※当社でも、株式会社ベイジ、株式会社WACULと三社共同で『BtoBサイトの180のチェックリストとワイヤーフレーム』を公開し、その流れに一部貢献できたと考えています。

しかしながら、獲得したリードに対して、案件を創出し、受注まで持っていくプロセスは、まだまだセールス個人の力量に負う部分が多く、引き続き高い難易度を感じます。

セールスの難易度の高さを感じる一例として、マーケティング領域では、ここ10年、様々なプロダクトが開発されましたが、セールス領域では

・『Sales Cloud』などのSFA
・『ベルフェイス』などのオンライン商談システム
・『MiiTel』などの電話音声の録音/分析システム

など、驚くほど僅かしか、大きな進歩が起きていないことが挙げられます。
※組織面では「インサイドとフィールドセールスの分業」による進歩がありましたが

逆にいえば、BtoBセールスの領域は、まだまだ生産性向上の余地が大きく残されているはず。2020年以降、セールス領域が科学され、テクノロジーの導入が進んでいくことを予想しています。

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BtoB企業の営業・マーケティングのデジタル化を支援する株式会社才流(http://sairu.co.jp)の代表。