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1112 解けない問題を解いてはいけない

私が好きな考え方に「解けない問題を解こうとしない。解ける問題を解く」というものがありまして、常日頃から「いま自分が向き合っている事柄や難題は、人類が解けるものなのか?もしくは解ける解き方で考えているか?」を考えています。

具体的には「過去にたくさんの人たちが取り組んできたけど、未だに解決できていないもの」は、余程の奇跡が起きない限り、解けないのではないか?と思っています。例えば、

・現場から会社を変える
・他人を変えようとする
・大学テニス界に進んで、世界でも活躍する

などは、100人がやったら99人は失敗してしまうテーマ設定です。

稀に天才的な人が現れて、現場から会社を変え、他人を変えていくことができたりしますが、再現性の高さで言えば、

・会社を変えようとせず、目の前の仕事で成果を出す
・自分が変わる
・大学テニス界には進まず、高校時代から世界を舞台に戦う

などは、100人やったら80人ぐらいは成功しそうなテーマ設定の仕方です。(※テニスの例は難しそうですがw)

同様に、BtoBマーケティングの世界では、

・見込み顧客を育成する
・見込み顧客に描いたカスタマージャーニーの通りに動いてもらう
・見込み顧客に現場から稟議を上げてもらう
・良いコンテンツを作って、集客する

などは、100人がやったら99人は失敗してしまうテーマ設定です。

それよりも、

・見込み顧客と継続的にコミュニケーションを取り続ける
・見込み顧客の情報行動、購買行動が起きた時に、自社を見つけてもらい、声をかけてもらいやすい状態を作る
・意思決定権限のある役職者にアプローチする
・良いコンテンツを作って、集客経路も入念に設計する

などは、100人やったら80人ぐらいは成功しそうなテーマ設定だと思います。

過去にMarkeZineの連載記事『やることが山積みのBtoBマーケ、「やらないこと」をどう決めるか』でも書きましたが、BtoBマーケの中では、取り組んではいけないこと(=解けない問題)が存在していて、

・休眠リードの掘り起こし
・企業の公式SNSアカウントの運用
・ハウスリストが数千件未満でのMAツール活用

あたりは、100人がやったら99人は失敗してしまうでしょう。

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一般人がミレニアム問題(アメリカのクレイ数学研究所によって2000年に発表された100万ドルの懸賞金がかけられている7つの問題のこと。そのうち1つは解決済み、6つは2019年10月末の時点で未解決。)を解こうとしても絶対に解けないですし、解ける数学の問題も間違った方向から考えているうちは解けません。そして、残念ながらビジネスでは、問題に向き合っていること自体は評価されず、問題を解いてはじめて成果としてカウントされます。

マーケターや事業責任者として、いま向き合っている事柄や難題が、ちゃんと解けるものなのか? 先人が解いた形跡があるものなのか?はしっかり考えた上で、解く問題を選んだ方が良いですし、自分ひとりで考えて解けなければ、同僚や上司、社外の先輩たちに聞いて、解法を教えてもらうことも含めて、解ける問題を解ける解き方でどんどん解いていきましょう。という話でした。

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