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インバウンドリードの弊害と処方箋 1221

先日、某BtoB企業の経営者から聞いたのは「デジタルマーケティングが上手くいって、Webからの問い合わせ経由で案件が取れるようにはなった。しかし、営業が案件の有り難みを忘れてしまって、ただのサービスデリバリー部隊になってしまった・・」という悩み。

同様の話は、複数の経営者・事業責任者から聞いたことがあって、遠からぬ経験を自分もしたことがある。

いままでテレアポや飛び込み、もしくは既存顧客への定期訪問で見込み案件を獲得していた営業パーソンが、マーケティングが強化されたことで、マーケやインサイドから供給される商談を待っていれば、見込み案件が生まれる状況に置かれる。結果として、「見込み案件の有り難み」を感じづらくなり、「案件発掘力」のような筋力が落ちてしまうのだろう(「案件発掘力」は一部、マーケやインサイドに機能として移行しているのであるが)。

この場合、従来やっていたテレアポや飛び込みを復活させるのは一つの手だけど、そもそも顧客の情報行動・購買行動が大きく変化している中で効率の良い手法とはいえない。

以下は、米国のCorporate Executive Boardが発表していた調査だけど、現代の顧客は自ら情報収集を行い、どのような課題をどのようなサービスで解決し、どの会社に声をかけるか?を自分自身で決めるようになってきている。この変化に飛び込みやテレアポだけで挑むのは厳しいだろう。

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一方、「デジタルマーケティングが上手くいって、Webからの問い合わせ経由で案件が取れるようにはなった」状態は、以前、営業が一手に引き受けていたリスト作成・ターゲット選定・アポ取得・ヒアリング・提案・見積もりなどのセールスプロセスのうち、前半部分はマーケとインサイドセールスに分業されるようになっているといえる。

その空いた時間で、営業独自の動きとして、

・既存顧客に積極的に提案を持ち込む
・自ら業界関係者とのネットワーク構築を行い、独自の商談獲得ルートを作る
・自ら顧客に役立つレポートを作成したり、ブログにまとめ、それを顧客に送る
・顧客社内で勉強会を開催する

などの動きができると、「営業が案件の有り難みを忘れてしまって、ただのサービスデリバリー部隊になってしまった・・」ような事態には陥りにくいだろう。

「この営業パーソンと会うと毎回発見がある / 取り組むべき課題が明確になる」と感じてもらえれば、マーケやインサイドのチームでも掘り起こし切れなかった案件を発掘できることもある気がする。

外資系戦略コンサルティングファームですら、大手企業の顧客にパートナークラスが定期的に提案を持ち込んでいると聞くから、自分も含め世の中のBtoB企業の営業パーソンも、もっと見込み顧客・既存顧客に持ち込み提案をする姿勢を持っても良いかもしれないな、と思った話でした。

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