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「組織は戦略に従う」と思ったいくつかの話 1214

先日、この記事を読んでいて、面白い記述がありました。

「コンサルティング」の売上が急に落ちた。
理由はシンプルで、「それが流行らなくなった」からだった。
(中略)
マーケットがなければ、コンサルタントもいらない。だから、当時一緒に働いていたコンサルタントの多くは、市場の縮小とともに「自分のコンサルティングのテーマ」を変更しなければならなかった。

そして、その当時、多くの人のテーマの変更先は、コンサルティングではなく「教育研修」だった。
(中略)
「私は◯◯のテーマのコンサルティングしかやりたくない」
「教育研修はコンサルティングではない」
「話がちがう」
そんな人が結構居た。
そして、本当に多くの人が、会社を去った。

要は、コンサルが売れなくなって、教育研修事業に会社のポートフォリオが移ったけど、コンサルをやりたくて入った人たちは、教育研修事業をやりたいわけではないので、結構な人たちが辞めてしまった、という話です。

先日もコンサル業界で従来のような「戦略立案。提案書100枚。実行はクライアントに」型が売れなくなってきていて、実行支援/代行まで請け負う会社が増えていると聞きましたが、これもやはり、戦略立案をやりたい人材と、実行支援/代行をやりたい人材が明確に違うので、入り口の採用から人材要件をわけているようです。

また別の文脈で、当社でもクライアントが多いSaaSの業界だと、最近はエンタープライズ企業を対象にしたい、と語る企業が増えている印象がありますが、

・SMB向けに平均顧客単価 数十~数百万円の商材を売る営業パーソン
・エンタープライズ向けに平均顧客単価 数千万円~の商材を売る営業パーソン

では、必要なスキルセットも体制も全く変わってきます。

会社の方針を転換して、「エンタープライズに行くぞ!」となっても、「SMB向けに平均顧客単価 数十~数百万円の商材を売る営業パーソン」にエンタープライズ営業のスキルを身につけてもらうための研修をしたり、新たに採用する「エンタープライズ向けに平均顧客単価 数千万円~の商材を売る営業パーソン」の人材要件を整え、彼らに対する自社の魅力・メッセージを用意する必要もあります。

その意味で、サイバーエージェントのように事業ごとに会社を立ち上げるのは、組織の統制が取れやすいのかもしれないなと思いました。
※ソーシャルゲームは株式会社Cygames、eスポーツマーケティングは株式会社CyberE、若年層向けマーケティングは株式会社Cyber Nowなど

当社の属するマーケティング業界でも、ある顧客層に特化して勝ちパターンを積み上げ、その顧客層に対してだけサービス提供を行う会社がいくつかありますが、平均して、組織メンバーの定着率は高いと聞きました(組織をイジる機会が少ないため、安定して働くことができる)。

アルフレッド・チャンドラーの「組織は戦略に従う」という言葉もありますが、事業・マーケティング戦略と組織戦略は密接に関連するのだな、と思ったいくつかの話でした。

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