マーケターの行動量が増える、たった17個の方法
昨年読んだハーバードビジネスレビューの論文の中で非常に好きなものがありまして、マイクロソフトがここ10年取り組んでいるA/Bテストに関する効果や方法論を紹介・考察したものです。
マイクロソフトのBingでは、ある簡単なアイデアをA/Bテストを経て実装し、売上が11%(米国だけで年間1億ドル以上!)も増えたらしいですが、A/Bテストの効果以上に、以下の文章が心に残りました。
大部分は実験でうまくいかず、どれが効果を生むかは専門家でも判断を間違いやすい。
グーグルやBingの場合、実験のうちよい結果が出るのは10~20%にすぎない。マイクロソフト全体では、三分の一が有効、三分の一が変化なし、三分の一が悪影響である
※マイクロソフトの分析チームに学ぶ A/Bテストの効果的な実施法 2018年7月号
つまり、マイクロソフトに所属するような非常に賢い人たちがやっても施策の成功率は30%前後しかない、ということです。直感的には、思いついた施策の70%ぐらいが良い結果につながる気がしてしまいますが、残念ながらそんなことはなく、30%前後しか良い結果につながっていないようです。
つまり、マーケティング活動上の目標を達成するためには、直感的に思いついた施策の2~3倍は、打ち手の数が必要ということです。
近い話として、私の友人が1,000万ダウンロード以上されているスマホアプリの共同創業者なのですが、昔、彼が「社内で議論に議論を重ねた施策ほどスベっていたり、こっちの方が成果が出るのでは?、という事前仮説もほとんどあたっていないことに気づき、とにかくリリースしてしまい、A/Bテストの結果を見て、良い方を残していく方法に変えた。」と言っていました。
どの施策が当たるかは事前にはわからないとすると、アタリを引くためにはとにかく試行回数を増やすことが重要になります。
では、どのようにすれば、マーケティング活動上の「打ち手の数」を最大化できるのでしょうか?
ぱっと思いつくことを列挙してみました。
●チームの文化
・施策の成功率は30%前後であることを理解する
・熟考した時間<<試行回数であることを理解する
●基盤づくり
・すばやくアイデア出し、議論、判断ができるように数字や顧客の声など、手元のデータを充実させる
・すばやくアイデア出し、議論、判断ができるようにチームメンバーに長く働いてもらいやすい環境にする ※がんがん人が辞めてる状態では、データが蓄積しない
・データをすぐに参照できるよう、ダッシュボードを整備する
・アイデアの引き出しを増やすために他社事例の研究を怠らない
・アイデアの引き出しを増やすために他社と勉強会を開催する
●仕組み
・施策やKPIごとに責任者を明確にし、合議制よりも、責任者の裁量の中で意思決定する
・追うKPIを絞る。四半期、半期単位でそのKPIに集中投下する
・会議を減らし、チャットでガンガン決める
・CMSやMAツール、広告自動化ツールなど、ツールに投資する
・ノンコア業務(データの集計作業など)は自動化するか、アウトソースする
・脳のパフォーマンスを上げるために、長時間労働しない。残業せずに、土日は休む
・基本、同じチームはワンフロアで働く
●その他
・職住近接
・駅近のオフィス
・エレベーター待ち、昇降時間が少ない、2階や3階で働く。なんなら1階で働く
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