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1117 ユーザーに選ばせない工夫

今日、ネットサーフィンしていて、こんなUIを見つけました。

大規模ECサイト構築のNo.1企業である「ec being」のサイトですが、サイトを閲覧・スクロールしていると、3つのオススメのページと「お問い合わせはコチラ」のCTAがポップアップで表示されます。

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「あぁ、これは良いな」と思ったのですが、大規模ECサイトを構築・リニューアルする顧客にとっては、結構ありがたい動線なのではと思いました。

選択の科学』で有名な「ジャムの法則」というものがあって、6種類のジャムを並べたテーブルと24種類のジャムを並べたテーブルの2つを用意したところ、どちらのテーブルでも試食した人の数は変わらなかったものの、最終的にジャムを購入した人は6種類揃えたテーブルは30%、24種類のテーブルは3%と大きな開きが生まれた、という研究結果があります。

あまりにも選択肢が多いと、選ぶ側にストレスがかかり、買ってもらいづらくなる、という話なのですが、「ec being」が提供している大規模ECサイト構築のソリューションは、機能や解決できる課題が多岐に渡り、顧客がWebサイト上で情報を探し、自社に最適なものを選ぶコストが高いですよね。

つまり、サイト内を回遊させるよりも、「初めての方にオススメのページをご紹介します」というオファーや「まずはご相談ください」などのCTAを提示した方が、選ぶ側のストレスが減り、「ジャムの法則」的にはCV率が高そうです。

実際、転職エージェントのサイトでは、自分にピッタリな求人情報をユーザーに検索させるよりも、四の五の言わずに「エージェントに相談する」窓口に誘導してしまった方がCV率が高くなる傾向があります。

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上記の「マイナビ看護師」も、求人検索機能はありつつ、「無料転職サポートに申し込む」に積極的に誘導していることが見て取れます。

「転職」は、BtoB商材と同じく、高関与商材(購買時の比較検討といった消費者の思考が多く発生する商材のこと)の代表例ですが、BtoBの中でも単価が高く、複雑な機能を有する商材は、Webサイト上でサービス内容を理解してもらう難易度が高い。顧客側も「よくわからないので、一旦、口頭で相談させて欲しい or 一旦、資料を見たい」などのニーズが存在します。

Webマーケティングのセオリーでは、顧客の情報行動・購買行動に役立つ情報をWebサイトに掲載することが大切だとされますが、「まずは詳しい人に相談させて欲しい・・」といったニーズが根強く存在することを忘れてはいけません。

盲目的に「意思決定に役立つ情報をWeb上に公開する」だけでなく、「まずは詳しい人に相談させて欲しい・・」といったニーズに答えられる動線やコンテンツを用意することも大切、という話でした。

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