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1103 受注するニーズ、失注するニーズ

先日、某マーケティング支援会社の社長と打ち合わせしていて、「受注するニーズと失注するニーズがありますよね」という話になった。

どういうことかというと、顧客は様々なニーズを持っているけど、必ずしもそれが自社が提供するサービスに結びつくわけではない。

例えば、BtoB企業のマーケティング支援をやっている当社の場合、当社の顧客であるマーケターや事業責任者・経営者の人たちは、様々なニーズを持っている。

・大企業なカンファレンスをやりたいけど、集客が不安
・ホワイトペーパーの作成をしたいけど、手が回っていない
・今期からBtoBマーケを強化したいが、どこから手をつけて良いかわからない
・中長期の目標達成に向けて、どのターゲットや施策が良いか仮説検証しておきたい

などなどが、よく相談いただく内容だ。

しかし、当社にとっては、前者の二つは案件化しづらく、後者の二つは案件化しやすい。

前者についてもサービス提供はできるけど、より上手くやれる会社があり、そこと比べられた時に自社を選んでもらえるロジックが弱い。

一方、後者については、そこに向けてノウハウ蓄積や社内・社外のリソースを揃えているので、実績も豊富で、選んでもらえるロジックが強い。

短期的な売上の最大化、だけの観点であれば上記の相談の全てに対応するのが良いのだろうけど、中長期的な会社の成長を考えるとイマイチなので、当社の場合、出来るだけ後者2つのニーズを持った方に見つけてもらえるようにコミュニケーションを設計している。前者2つのニーズを持った方から問い合わせをたくさんいただいても、結局お断りすることになってしまい、誰も幸せにならないからだ。

このように、マーケターは単純にリードを増やせば良いわけではなく、自社が受注できるニーズと失注するニーズを把握した上で、受注できるニーズを持った人たちのリードを増やす必要がある。

受注するニーズ、失注するニーズは、営業現場レベルでは、明文化されていないにしても把握していることが多い。

・●●の問い合わせ内容だと、受注しにくい
・××の問い合わせ内容だと、自社がドンピシャなので、高確度で受注できる

のような肌感は多かれ少なかれ、現場の営業パーソンが持っているはずだ。

一方、マーケターが、リード数や商談数、受注数などの量的な数字だけを追っている場合、この受注するニーズ、失注するニーズを把握していないケースがある。

しかし、繰り返しになるが、失注するニーズを持った人たちからの問い合わせをいくら増やしても、セールスに嫌がられるし、受注貢献しないので、社内での肩身も狭くなってしまう。

マーケターはインサイド、セールスチームと定期的に情報交換をしたり、問い合わせ「数」だけでなく、問い合わせの内容を見に行ったり、しっかり受注やサービスの継続まで続いているのかを四半期に一回で良いので見に行くと色々と発見があるだろう。
(※そういえば、昔、自分が事業部長の時に、受注するニーズと失注するニーズを分析して、受注するニーズにのみ、マーケ・営業活動を集中させることで営業利益を大幅に改善することができたことを思い出した。)

失注するニーズを持った顧客に営業しても、よほどのカリスマ営業マンでない限り、本当に受注できないので、受注するニーズと失注するニーズを把握することは大切です、という話でした。このあたりは、「BtoBマーケターは営業経験があると有利」と言われる一つの所以ですかね。

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