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1030 あるKPIの伸ばし方

最近、面白いプロジェクトがあって、あるKPIを3倍ぐらいに伸ばすことをやっている。

なかなかにハードな目標だけど、面白いのは、ハタから見ると他のKPI・BやKPI・Cを上げた方が最終的な売上は増えそうなこと。

パイプライン上のボトルネックを見たり、業界構造上のマーケティング課題を考えると、KPI・Aの改善はやめて、KPI・BやCの改善にリソースを割いた方が良さそうではある。しかし、その会社はKPI・Aの改善に全力で取り組んでいる。

この光景を見たときに、これはすごいやり方だな・・という気づきがあった。

素晴らしい業績をたたき出しているこの会社の経営陣たちは、おそらくKPI・Aより、KPI・BやKPI・Cがボトルネックになっていることは百も承知な上で、さらにKPI・Aを伸ばす手を緩めていない。

教科書的には「ボトルネックの改善にリソースを集中させる」は正しいけど、実態としてはボトルネックの正しい特定は難しいし、特定できたからといって急激な組織体制の変更も難しい。そんな現実世界の中では、

・KPI・A~Dまで全ての改善に取り組む
・どれか一つが大当たりする
・他も改善前より10%伸びる

とかが現実解として美しいのではないか。

ビジネス書のケーススタディのように綺麗にボトルネックの特定ができたら良いのだけど、そもそも、立てた仮説や分析が正解かわからない中で、KPI・Aの改善の手を緩めるのはリスクもある。「リソースが豊富にある」「大枠の経営戦略が間違っていない」前提だけど、それぞれのKPIを、それぞれの担当部門・チームが着実に伸ばし続けるのは、成功確率の高い方法なのかもしれない。

先日も某事業家から、ある領域に参入した当初、予想以上に売上が伸びないかもなぁーと思っていたら、後から予期しなかった部分で新しいビジネスの種が2つ、3つと見つかって、総じて、とても良い事業に仕上がりつつある。という話を聞いた。これほど左様に、将来の展開を事前に予測するのは難しい。

つまり、あるKPIがどれほど伸びるのか、は予測不可能なこともあるので、有無を言わさず、毎年20%ずつ伸ばす、5年間は50%成長を続ける、みたいな目標設定は、一つの型なのだろうなと思ったのでした。

「全体最適も大切だけど、部分最適の手を緩めない」スタンスに大きな刺激をいただいたプロジェクトの話でした。

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