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義父

先日、妻の父親が亡くなった。
まだ80手前だったが、生前命に関わる病気を何度も繰り返しており、その中にはもう回復しないかも…という状況もあった。
そのためか、ある程度覚悟は出来ていたので連絡を受けた時には冷静にその時が来たのかと受け止めていた。

そして通夜の後夢に出る。
(状況)
ワシが高校生で高校の教室で雑談している時に、妻ちゃんが柩に入れたタバコを全部吸った後の空箱を持った義父が、何故か教室に入ってきた。

義:こたちゃん(義父は生前ワシの事をそう呼んでいた)タバコ無いかな〜

ワシ:お義父さん!?え?大丈夫なの??(ああ、夢なのか…)もう全部吸ったの!?ちょっと待ってて。
(手元のダンボールの中をゴソゴソして、見つけたマールボロメンソールを手に)

ワシ:お義父さん、これでも良い?

義:いいよ。(教室で吸い始める)

ワシ:お義父さん、そこじゃだめだからこっち来て。
(ベランダに連れて行って一緒にタバコ吸う)

義:こたちゃん、一緒に天上に行くか?
(一緒に隣のベランダに何故かいる水着のおね〜ちゃんを眺めながら)

ワシ:え!?(笑)まだ子供達育てて無いし、妻ちゃんも悲しむし、まだやる事があるから…

義:冗談だよ〜(いつものぎこちない照れた笑顔)

ワシ:お義父さん、本当は一度でも良いから盃を酌み交わしたかったな。それだけが心残り。
(少しウルウル)
(義父は生前、酒を嗜んではいたが持病があり、一緒に呑む機会はほぼ皆無だった)

義:まあそのうち出来るよ。

ワシ:そうだね、それまで待ってて。
(更にウルウル)

義:(またぎこちない照れた笑顔で)こたちゃん葬儀、ちゃんと来てくれよな。

ワシ:行くに決まってるでしょ。

そこで夢から覚める。
オヤジ、ちょっと待っててな。人生全うしたら会いに行くから。そして盃酌み交わして酔ったらオヤジって呼ぶから。
そして一緒に酔い潰れような。

…天上にキャバクラってあるのかな?…

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