Netflix『エリック』ネタバレ感想&考察:ベネディクト・カンバーバッチ主演の傑作ドラマ
Netflix『エリック』全6話を一気見!心にずしんと響く傑作だった。
1980年代のNYで少年・エドガーが行方不明になる事件が発生。エドガーの父親で人形師でもあるヴィンセント(ベネディクト・カンバーバッチ)が、大きなきぐるみ人形・エリックの幻影を相棒に息子の行方を探す物語。
あらすじだけ聞くと奇抜な設定のサスペンスっぽいが、実際は重厚なヒューマンドラマだった。ベネディクト・カンバーバッチによる「天才人形師だけどクズ親」の演技もたまらん。
全体の感想や、なぜイマジナリーフレンドのエリックが現れたのかの理由などについて徹底考察していく。
以下、ストーリーのネタバレありなので注意。
複雑かつ濃密な人間ドラマ
最終的には超感動するけど、登場人物の関係性が複雑で、社会問題も入れ込まれている。主なストーリーの動きは以下↓
①エドガー少年が失踪するキッカケになったのは父親・ヴィンセントの高圧的な態度。才能はあるが心に問題を抱えていたヴィンセント。
②エドガーを捜査するマイケル刑事は黒人かつゲイで、1980年代当時のニューヨークでは自らを偽らなければ生きられない葛藤を抱えている。
③副市長は地下トンネルに住むホームレスを強制移住させようとするが、これがエドガーの失踪に関わっている。
複雑な要素がからまりあい、人間の心にある闇の部分とどう対峙するかのメッセージが込められていた。
(ストーリーの詳細は下記記事へ↓)
最終回ラストの感動
最終回では、ヴィンセントがエドガーのデザインした人形・エリックの着ぐるみを着てホームレスたちのデモに登壇し「帰ってこい」と演説。
地下から脱出したエドガーがTVを見て、家に帰る決意をする!というもの。
着ぐるみ姿で家まで走り、息子と再会するベネディクト・カンバーバッチの姿が目に焼きつく。言葉を超えた感動があった。すごいドラマだった。
考察:エリック人形に隠された意味
エドガーがデザインした人形であり、ヴィンセントのイマジナリーフレンドでもあるエリック。
エリックを解明することで、ヴィンセントの行動原理やドラマの本質的なメッセージなど、クリアに見えてくるものは極めて多い。
①エドガーがデザインしたエリック
②ヴィンセントのイマジナリーフレンドのエリック
③人形劇に登場するエリック人形と、3つのパターンがあるのでややこしいが、この3つはほぼ同じと考えて問題ない。
結論からいうとエリックは虐げられる者のメタファーであり、父子関係に問題のあるヴィンセントとエリックの心理だけでなく、LGBTQや黒人などのマイノリティや地下で暮らすホームレスをも表現している。
心の具現化だけでなく、実在する対象の暗喩でもあるという、2つのフェーズにまたがる複雑な存在だ。
さらなるポイントは、エリックが攻撃される側・攻撃する側の2面性を持っていること。被害者としての側面と、被害者だからこそ持ちえる攻撃的な側面を持っているのだ。エリックはトラウマを非常にリアルに体現している。
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