Lean UXについて、ざっくり。

Leanといえば、ビジネスの世界ではあまりにも有名だ。超個人的な想像でいえば、エリックリースの書籍『リーン・スタートアップ』が世の中に広まり、一気に有名になったイメージがある。

経営大学院では必ずと言っていいほど「リーン生産方式」について触れるだろうし、Webの世界でも「リーン開発」なんて言われている。これもよく知られていそう。

今回はしばらく前に買ってパラパラと読んだ『Lean UX』という本があるので、それについて、ババっと書いてみようと思う。

そもそもリーンってなによ?

「リーン」= 贅肉を取り除くの意だそうで、ここから「ムダを省く」のニュアンスで使われている。

では次に「リーン生産方式」だが、これはトヨタの生産方式(いわゆるジャストインタイム)を元に、整理、体系化されたもの。ちょっと乱暴に言うと、トヨタ生産方式はムダの削減そのもの。

「カンバン」「自工程完結」「平準化」とか、日々の仕事の生産性、プロダクト開発のヒントになる考え方がわんさかある(なんて偉そうに言っているが、前職の時で数年前にサクッと学んだくらいなので、かなり曖昧。許して)。

ちょっと余談だけど、トヨタ生産方式について知らないけど興味のある人は一度学ぶと良いと思う。たぶん、40代以上の日本のビジネスパーソンからしたら知ってて当たり前くらいの知識だとも思うし。

なんにせよ、生産における「ムダ」を削減することが、リーン生産方式の基本的なコンセプトではある。

Lean UXの基本コンセプト

さて、これをUXにおいてやると....というのがLean UX。Web領域でプロダクト開発をしている人であれば、もうこれだけでなんとなく概要は想像できると思う。さて、Lean UXはどんな考え方をその骨格としているだろうか。

【Lean UXが基盤とする考え方】
・デザイン思考
・アジャイルソフトウェア開発
・リーンスタートアップ

それぞれしっかり学んだことがあるわけではないが、根底にあるのは「仮説検証」と「学習」だと思う。仮説を元に実行し、得られた結果から何かを学ぶ。プロダクトはもちろん、時にはプロセスも改善する。

(今回は紹介できなかったけど、Lean UXの原則がある。そこそこ数があるのだけど、押さえておかないとそもそもLean UXに取り組めないくらい重要なものに感じている。また別の機会に紹介できれば....)

Lean UXにおいてめちゃ重要なこと

今回はあまり触れなかったが、Lean UXを進める上で、認識の共有などの事前準備がかなり重要だと思った。Lean UXそのものと、それを支える知識を理解しておかないと、始めてからグダグダになる。

Lean UXの原則やプロセスについて、理解をするためにはそこそこ前提知識がいるので、不慣れなチームは戸惑うに違いない。これをやろうと言って、ただやることは、ほとんどの人ができる。しかしながら、「なぜやるのか」を理解しなければ、腑に落ちないまま、本来のLean UXのパフォーマンスも出せないまま進んでしまう可能性が高い。

前提を共有しておかなければ、お互いに不信感を抱いてしまうこともあるかもしれない。ムダな対立も発生する。話し合って解決すれば良いとは言え、そもそもそんな問題が発生しないようにする方が重要で。

なんにせよ、Lean UXのような手法やプロセスを実行する上で、組織やチームの文化をつくり、共有しておくことがかなり重要だと思う。

おわりに

この書籍の序章では次のように書いている。

Lean UXとは今という時代の働き方である。

ドラッカーがだいぶ前に書いたように、現代とはポストモダンの世界であり、もはやデカルト的に要素分解 = 常に理解と対応が可能という訳ではない。よく言われるように、「全体は部分の総和ではない」。加速度的に変化し続けている。求められるのは、洞察力や柔軟性といったもの。

さらに、新しいモノを生み出すことへの要求もかなり高まっているのが現代ではないだろうか。今やだいたいの教育機関はそれを謳っている気がする。優等生的な模範であることよりも、変化を生み出す者を評価する。メディアや(インスタとかではなく、ビジネスの)インフルエンサーの影響もあるかもしれないし、人々の社会課題への意識が高い結果かもしれない。

余談だけど、うちの会社も「加速度的に変化している」って書いてるけど、その意味で、「良いものを生み出し続ける覚悟」は本当にすごいと思う。

昔から変化し続けてはいるんだけど、「近代」という時代の思想も相当影響したと思う。僕の理解では、ある時期デカルト的な考え方が支配的だった。おかげでかなり発展した部分もあるのだろうけど、現代にそのまま持ち込むと、当然通用しないわけで(このあたりの知識をだいぶ忘れてたりするから学び直したい)。

別の記事で書けばよかったかな。ちょっと余談が過ぎたけど、今回はこんなところで。

もう少し具体的な話も書いていければいいな....。

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