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「吠えた母猫の月ちゃん」

チャイちゃんの母猫の月ちゃん。

ずっと、野良さんで生きていた。

25年前にご飯をあげるように
なって4年、
一度も触らせてくれなかった。

子猫の時の月ちゃんを知ってる
近所の人の話では、
とても懐っこくて膝に乗って来たと
いう。

月夜の晩に出会ったから、
月ちゃんと名付けてくれたようだ。

半年後に会うと、
警戒心が強く触れなくて
別猫になってたという。

半年の間に、
いったい何があったのだろうか、
環境が月ちゃんを変えてしまったようだ。

そんな春のある日、
今までにない多さの仔猫を
引き連れてやって来た。

それがチャイちゃん兄妹6匹。

何とか、保護、里子に出したりと
一件落着。

月ちゃんはその年の秋にも出産。

弱っていた仔猫を近所の人と保護。

その秋の夕方、
外で大きな声で猫が鳴いていた。

何事かと思い、
4階の窓から覗くと、
月ちゃんが1階で上を見ながら
大声で鳴いていた。

外では一度も鳴き声を聞いたことが
なかったのに、どうしたことか…。

ギャオー!ギャオー!

大きな声で上を向いて吠えていた。

まさしく犬の遠吠え。

驚いて、「どーしたの?」と
4階から話しかけると、
声が小さくなった。

なぜか納得したのか、
そのままいなくなってしまった。

その次の日から姿を見ることは
なかった。

きっと、子どもたちを頼むね!と、
別れを告げに来たのか…。

月ちゃんは、どこかでひっそりと
虹の橋を渡ったのだろうか。

外で膝乗り猫の時に保護されてたら、
猫生も変わっていたね。

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