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蕎麦と寿司

箸でたぐって摘み上げ、つゆに少しつける。香りを確かめてからすすり込む。
目の前に出されたら指先ですぐに摘み上げる。ちょっと倒してネタに醤油をちょんとつけて、シャリを下に口に放り込む。

   
蕎麦と寿司の粋な食べ方とはこんなものでしょうか。落ち着いた雰囲気の店で洒落た感じで食べて、楽しむ。どちらもそんな食事になってきました。

 
でも、江戸時代まで遡ると、元々は「簡単に早く食べられる大衆食」。忙しい人がちょっと寄って、さっと腹に収めて、すぐにまた用事に向かう。そんな食べ物でした。 

本来の粋な食べ方とは、洒落てるとか、格好良いものではなくて、忙しい最中でも旨いものをさっと食べ、楽しんでいることを見せるようなこと。
そもそも大衆食なのだから、そんなに気にすることなく、気楽に食べるのがいい。それを許すのが、本当の名店なのかもしれません。

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