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フレンチオープンを観て

テニスのフレンチオープン、Roland-Garros。グランドスラムと呼ばれる4大大会の一つ。例年は5月下旬から6月上旬の開催ですが、今年は4ヶ月遅れとなっています。まだ終わっていませんが、ここまでTV+web観戦して強い印象を受けたことを書いてみます。(あくまで個人の印象。主観的感想のみであります)

車いす女子シングルス

なんと言っても「日本人2人で戦った決勝」。グランドスラムの決勝戦が日本人対決になるとは、凄いことが起こった。

2シードの実力者、上地選手が4回目の優勝となりました。おめでとうございます。そして、初出場ながら準決勝で1シードを破って決勝に進出した大谷選手、準優勝おめでとうございます。

上地選手の巧さが発揮された試合。相手の動きを見ながらの配球。追い込まれた時のループボールでのディフェンスも、相手にチャンスを与えないコースを狙う。26才でもう王者の風格があります。

大谷選手は運動量豊富なプレー。スコアはかなりの差になったものの、健闘が光りました。良いコーチもついて、戦績を上げてきての今大会だったそうなので、今後も注目。

女子シングルス

ノーシードから決勝に勝ち上がったシフィオンテク選手(Swiatekをカタカナ表記するとこうなる様です。ポーランド語、難しそう)。強い。

ちょっと後ろの打点で詰まり気味に見えるグラウンドストロークなのですが、相手からするとコース予測が難しい。しかもスイングスピードが速いので、強烈なショットが飛んで来る。左右に振られた時も上体をしっかり立てたスイングができるので、体幹とバランスが強そうです。

さらに移動も速い。脚の速さだけでなく、スルスルと滑らかに打球点に移動していく。ドタドタしたフットワークの真逆と言ったら伝わるでしょうか。

優勝の可能性は十分にあり。今大会の強さが安定して出せるなら、トップ選手の一角に入ることは間違いないでしょう。大坂なおみ選手とは互いを認め合う関係で練習を共にするとの報道もあり、日本人としては気になる選手でもあります。

男子シングルス

準決勝2試合。

ナダル対シュワルツマンはナダルのストレート勝ちとなりましたが、シュワルツマンはスピン厚めでありながら角度をつけた切れ味あるクロスボール、深さのあるストレート、そして時折見せる狭いところを突いた逆クロスと、ベースラインプレーヤーの本領を大いに発揮したプレーを展開。相当に強かった。

しかし、ナダルは何度もあったピンチを跳ね除けて、見事な勝利。クレーキングの呼び名にふさわしい鉄壁ぶりを見せつけてくれました。堅牢なナダル城は落ちず。

ジョコビッチ対チチパスはジョコビッチの2セットアップで、ここも楽勝かと思われたところからチチパスが粘りこむ。7ー5、6−4で際どくもタイに持ち込んだ。ファイナルは火がついて、闘争心全開のジョコビッチが疲れの見えたチチパスを倒した、という展開。

ジョコビッチは準々決勝で1セットを落としたものの本当に強く、4回戦まではナダル戦に備えて、ショットを確認しながら実戦練習してる様に見えるほどの余裕ぶり(しつこいですが、主観的感想です)。しかし、この準決勝で気合が入り直したのでは。体力消耗よりもその方が大きいかもしれません。

決勝はナダル対ジョコビッチ。スタイルは違うものの、鉄壁の守備から繰り出すスーパーショットは共通。人間とは思えない試合が今回も見られるでしょう。


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