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クランベリー型形態素

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自分の在り方を探す大学生たちの物語。 今のところ短編集なのでお好きなところからお試しください。
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2020年8月の記事一覧

一言の寿命

 大学一年生という響きで初々しいと言われるが、もう19年も自分をしていて今更その言葉はしっくりこない。所属が変わるたびに初々しいと形容されるのはやりなおしのチャンスなのだろうか。ありがたいが数年おきに訪れる強制的なチャンスなんて余計なお世話だ。もしかしたら人間が経験を積み重ねるのを不都合におもう存在がいるのかもしれない。
 19年。
 今日で19歳になった。特に感慨もないし、誰から祝われることもな

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『一言の寿命』下

ただそれでも、もっともシンプルに自分の存在を許容してもらえたことが嬉しかった。どれだけ泣いても伝えきれないほど、嬉しかった。

前回はこちら。

***

 すっと奪われたのは既に少し冷え始めていた一本目の缶で、手から離れていく滑らかな感覚を追うように振り返ると長い黒髪が数歩先を揺れている。
「ちょ、何してるんですか」
「それお誕生日プレゼントね」
 ふふ、と笑う学科の先輩は寒さで頬がほんのり染ま

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