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もうあかんわ。って言ってもいいよね

「もうあかんわ日記」

本のタイトルを見ておぉ!となった。
私も「もうあかんわ」そう思ったことが
人生に何度もあったから。
しかも、今、ナウ、「もうあかんわ」なのである。


先日、岸田奈美さんの
「もうあかんわ日記」を
真夏に水を飲み干すようにあっという間に読み終えた。

著者である岸田さんは
お父さんは他界、車椅子生活のお母さん、
ダウン症の弟さん、
タイムスリップしたおばあちゃんが家族。
なんやかんやいろんな出来事が起こり
「もうあかんわ」な気持ちになったりしている。

でも悲観的に感じない。
かといってめちゃくちゃ
ポジティブにも感じない。
こんなことあったんですよ~。
まるでそばで語ってくれるように
軽快に、面白く、時にはホロリと言葉を綴っている。

私も、もうあかん!ことばかりで日々てんてこまいだ。
人生って何が起こるかまったく予想がつかないのよ!と思う。
次から次へと、落ち着く暇がない。
頭がテンパっているときに
本を読んで
それでも、まぁいいか。
ええで。と岸田さんから肩をぽんぽんとたたかれた気分になった。

家族みんなで本を読み、感想を言い合うのが我が家の習慣で
「私が岸田さんの立場になるんだよね」
娘が言った。
そうね、そうなるよね。
私は筋痛性脳脊髄炎という病に突然かかり
ほぼ寝たきり生活になった。
仕事もできず、24時間365に日痛みやだるさや熱やらで
「もうあかんわ」状態なのだ。
ちょっと歩こうとすると足が激痛で
「フォー-ー!!」と、
マイケルジャクソンさんのように声をあげてしまう生活。
治療薬もいまのところなし。
生きた屍状態の私。
職を変えたばかりの夫に、買い物だの家事だのすべてを任せてしまっている。中学1年生の娘も自分の時間を削ってたくさん手伝いをしてくれている。私が働き手じゃなくなり、どうにかしなくちゃならん!と肩に力こぶで
日々家族が全力チックで生きている。
「私は岸田さんと同じようにお母さんが身体不自由なわけじゃん。私も母ちゃん父ちゃんのこと書いていこうかなぁ。書きたいなぁ。ふふふ」
と娘が言いだし、嬉しいような、怖いような気分で
「書いていいよ」
ニッと笑って伝えた。
ほんわか娘に文章を書かせたくなるパワーをくれた岸田さんの本、すごいです。

生きていると多かれ少なかれ
びっくりするような予期せぬ出来事が起こることがある。
立ち上がれないぐらい打ちのめされてもう消えてしまいたいときもある。
人それぞれの「もうあかんわ」があり
それでも、人の手を借り、優しさをもらい、なんとか生きて行こうともがく。
人と会う元気がない方や、病気の為一人で人と会うことができない私も
本を開けば、「こんにちは」と元気をもらうことができ、本っていいなぁと思いながら「もうあかんわ日記」を読み、じんわりと心に元気をいただいた。

あとがきに
『もうあかんわ日記は終わりますが、もうあかん日々が終わることはないので、これからも、もうあかんわと嘆きながら笑っていこうと思います』
その言葉を読んで、ほんと、それだ!と、うんうん頷いた。
Love&Peace+笑いをモットーとして生きている私の心に
ズッキューーン!と岸田さんの言葉が刺さった。
あーもうダメだ!って思ってしんどくて、落ち込むのだけれど、最後は笑っちゃうのだ。とんでもない出来事も数年後には笑い話になっていたりする。
そんな経験をたくさんしてきたことを思い出した。


岸田さんが本の中で書いている日々を読み、
私も、もうあかんわだけど、がんばろう。
そう思う人がたくさんいるんだろう。
私もその中の一人。

誰だって「もうあかんわ」そう思って言ったっていいよ。
生きてるだけでえらいよ。
つらいときは
「もうあかんわ!」って言っていいんだよ。
本を読み、そんな風に言ってもらえた気持ちになる。

なんていうか、
ピシーーッと、バシーーーっと生きなくても
ちょっとでも笑うことができたら
今日もよい一日だ。
うん。よしよし。
みたいな気分になり
本を抱きしめ、私もぼちぼちがんばろう。と自然に笑顔になる。

しんどくて辛いとき
「もうあかんわ」って声にだして笑ってみようと思いさっそく
「もうあかんわ」と言ってみた。

そのあとに笑顔がやってきて、
今日も生きるか!と
清々しい気持ちになった。



最後までよんでいただき
ありがとうございます。
心から感謝の気持ちを込めて。

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