マガジンのカバー画像

小説 「私を 想って」

21
高校二年生の鮎沢鞠毛(あゆさわ まりも)は自分の名前について悩んでいた。 でも、不器用な性格もあって相談できる友達はいない。   父、正臣(まさおみ)の再婚相手の涼花(りょうか)…
運営しているクリエイター

#友達

私を 想って 第十話

私を 想って 第十話

 篤人のお父さんと妙さんが戻ってきたのは、だいぶ経ってからだった。和さんは、やはり長期入院になるらしい。お見舞いは和さんの様子を見ながらということになった。涼花さんは病院で手続きを終え、一度家に帰ってからお店に向かったと、妙さんから聞いた内容がスマホにも届いていた。
 帰り道にファミレスでお昼を食べ、篤人の家で夕食をもらってから家に帰った。

 誰もいない家は静かすぎるのになぜか耳が痛い。乱暴に水

もっとみる