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伝え方に問題を抱える人が気づいていない初歩的な①つのこと

「なんかうまく伝わらなかった・・・といつもモヤモヤする」
「伝える時になんとなくやってしまうけど、何か方法はあるのか?」

この記事はそんな方へ向けて書いています。


こんにちは、放送作家の村松です。
私は「池の水ぜんぶ抜く大作戦」「出没!アド街ック天国」「スッキリ!」
「ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 路線バスで鬼ごっこ」「ハモネプ」など
多くの番組制作に携わってきました。


そして伝える技術の講座を
早稲田大学エクステンションセンターで担当しています。


この記事では、20年以上にわたる「伝える仕事」のキャリアで学んだ、
伝えるための技術を紹介します。

放送作家というプロならではの視点で、
一般的に書籍などには書かれていないようなこともお話ししようと思います。


伝える技術が上がれば
あなたの人生がちょっとだけ楽になります。


伝え方に問題を抱える人が気づいていない初歩的な1つのこと


結論、伝える時の「戦術」を意識していないことが問題です。

いつも話している日本語だし、
なんとなく話せば伝わるだろうという甘えのもと、
適当に伝えているから伝わらない、
という事実に気がついていないのです。

スポーツで相手を攻略するために戦術があるように、
将棋などで相手を攻略するために戦術があるように、
伝える時に相手にちゃんと伝えるためにも戦術があります。


戦略があるから勝てる確率が上がるように
戦略があるからもっと伝わるようになります。


少しの戦略を意識することで
伝え上手な人は、あなたよりも上手に伝えているのです。



なぜ伝える時に○○を使う必要があるのか?


どうして伝える時に戦術が有効なのか?と気になりますよね?


以前、↑こちらの記事でも書きましたが
伝えようとするあなたと
情報を受け取ろうとする相手との間には
大きな溝があります。

2つの間の溝を埋めることが「伝えること」になります。


つまり、この溝を攻略するために
戦術が有効になります。


イメージしてみてください。
崖の手前にあなたがいて
崖の向こう側にいる相手を
あなた側に連れてくるとします。
うまくできれば、相手はあなたのそばへと辿り着きます。


その時、あなたがただなんとなく「こっちに来て!」と叫んだら、
相手は崖から踏み出しませんよね?
そのままだと崖の下の底へと落ちていってしまいます。

伝えるということは
相手をあなた側へと振り向かせ、
近寄ってきてくれるように促す行為です。

そこで必要なことが戦術を使うことになります。


○○を使って相手が「理解しやすい状態」を作り上げる



伝える時にあなただけがわかっている状態で
自分勝手にその情報をただタレ流すだけでは
相手は理解できません。


伝えようとするあなたと
情報を受け取ろうとする相手との間には大きな溝があるからです。
そこで効果を発揮するのが戦術です。


そこで相手が理解しやすい状態を作り上げるために戦術を使うのですが、
そこにはいくつかの技があります。


・伝える情報のテーマを1つに絞ること
・興味を持ってもらえる切り口でスタートすること
・今から何を伝えるのかという明確な目線づけを行うこと
・少ない情報から与えて徐々に別情報を出していくこと


など、冒頭から途中まででも
かなりやるべきことがあります。


なぜこんな戦術が必要なのかというと
その都度、「相手の理解度」を見ながら進めなければちゃんと伝わらないからです。



あなたは伝える時に「相手の理解度」をちゃんと気にしているか?


あなたがテレビを見ている時を想像してほしいのですが、

内容を100%わかってやろう!
と気合を入れて見てはいないと思います。


スマホをいじっていたり、家族と会話をしていたり・・・という感じのはずです。


そこでテレビ番組は、
そういうスタンスの視聴者にもちゃんと伝わるように
独自の戦術をとっています。

導入の情報はグッと絞ってスタートします。

・番組A:今日は紅葉が素敵な京都を旅します。今しか見れない素敵な京都をお見せします。

・番組B:ドッキリ新企画!スーパー落とし穴!旬の芸人が引っかかって意外なリアクション!

Aは旅番組のイメージです。

紅葉の京都をロケすれば、かなりたくさんの要素が撮影できます。

景色はもちろん、グルメに、歴史、偶然の出会い、アクシデントなどなど。

でもそれを、この冒頭で事細かに紹介したら、
一気に理解はできませんよね?


Bのドッキリ番組も同じです。

スーパー落とし穴は今までの落とし穴と何がどう違うのか?
これも冒頭では説明しません。


それにはちゃんと理由があります。

実は旅でもドッキリでも
番組冒頭での目的はたった1つ。
「面白そうだと思ってもらうこと」。


その目的に合わせ、最初に伝えるべきことは?
と考えていきます。

番組冒頭の段階では
お客さんはまだ番組に興味を持っていません。

その時間で番組の冒頭にいるお客さんは
・前番組を見ていて流れでなんとなくまだ残っているお客さん
・この時間から何か面白いのないかな?とチャンネルを色々探っている人
という想定です。

これらのお客さんに、
次の番組を見てもらうべく
まずは「興味を引く情報だけ」を打ち出します。

・今日は紅葉が素敵な京都を旅します。今しか見れない素敵な京都をお見せします。

・ドッキリ新企画!スーパー落とし穴!旬の芸人が引っかかって意外なリアクション!

そのため、まだどの番組を見るのか心が決まっていないお客さんにもわかりやすいように
冒頭は「説明」ではなく
あくまで「キャッチ」「フック」という役割に終始します。
これが第一の戦略です。



伝えるとは「崖の間に橋をかける」こと


離れたところにいる相手があなたの方に近づくために
崖に第一歩を踏み出せる橋を作るイメージです。

橋が無ければ崖を渡ることはできませんが
しっかりとした橋があれば簡単です。

橋を作ることがあなたの役割=伝えるということの正体です。

先程の番組冒頭、
理解度でいうと
この段階ではお客さんはまだ番組にことを何もわかっていないので
「面白そう」と感じさせる程度にとどめます。

次にもう少し詳しく企画の内容を説明することで
橋の2歩目へと誘います。

例えば

・番組A:出演者は今が旬!話題のAさんです!

あの人か! 気になるなぁ!



・番組B:企画はなんと2年前から撮影していました!

どんな映像が撮れたんだろう?



・番組C:実は前回こんな騒動があって、そんな二人が顔を合わせます!

やばいことが起きそうだ!


ここで最初の一歩に続く情報を出すと
相手は「へー、そうなんだ」と番組が伝えていることに
参加し始めます。

最初「興味を持っていなかった状態」よりは
もう少し内容に引きこまれていますよね?

このように、
厳選した情報を小出しにしていくことで
あなたが伝えたいことに対しる理解度が低い相手を
徐々にあなたの方へと注意を向けさせるのです。

これを積み重ねることで
あなたと相手との間に橋が出来上がります。

テレビ番組はこのような戦術を取って
伝えたいことを伝えていきます。


注意! 一気に情報を出すと伝わらない


この方法は今すぐあなたも真似をすることができます。
そして効果はすぐに出てきます。

注意点としては、たくさんの情報を一気に出さないことです。

あえて少しだけ=チラ見せすることで
相手の興味を湧き立たせることができる
ということはあなたもピンとくるかと思います。

ちなみにこれを踏まえて上で
「説明の方法」と「プレゼンの方法」を使い分けると
より効果がアップします。

今回あなたが使うのは「説明の方法」なのか?
それとも「プレゼンの方法」なのか?
これも戦術に入ります。

「説明」と「プレゼン」の違いについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。



まとめ



このように、伝えるという行動にも戦術は有効です。

戦術を使うことで、あなたが伝えたい相手を引き込み、
今までよりも深く明確に伝えることができるようになります。

これは映像だけでなく
文章でも、口でのプレゼンでも使えます。

人生を少し生きやすくするためにも
あなたが伝える時には戦術を意識してみましょう

最後までお読み頂きありがとうございます。

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