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伝え方のコツ「2つのスピード」コントロール問題【放送作家直伝】

「なぜ自分の伝え方はいつも通じないのか?」
「自分の伝え方に問題があるのか知りたい」

この記事はそんな方へ向けて書いています。

こんにちは、放送作家の村松です。
私は放送作家として
「池の水ぜんぶ抜く大作戦」「出没!アド街ック天国」「スッキリ!」
「ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 路線バスで鬼ごっこ」「ハモネプ」など
多くの番組制作に携わってきました。

そして20年以上のキャリアで培った伝える技術を詰め込んだ講座を
早稲田大学エクステンションセンターで担当しています。


この記事では、20年以上にわたる「伝える仕事」のキャリアで学んだ、
伝えるための技術を紹介します。

放送作家というプロならではの視点で、
一般的に書籍などには書かれていないようなこともお話ししようと思います。


伝え方上達コツ「2つのスピード」のコントロール


結論、伝わらないのは
「伝えることの一番大切なこと」を無視しているから
です。

ここを実行しないと、
いくら表現方法や話し方のトーンを学んでも
伝わる力は上がりません。



美しい表現や、流暢な喋りだけを使っても、伝わるようにはなりません


伝えるためには、何が必要なのか?

ズバリ、相手をちゃんと意識することです。


当たり前のことなのですが
この部分が抜け落ちている人が本当に多いです。


しかしそれに気づかずに

なぜが私の方法だと伝わらない・・・

頭を抱えています。


伝わるというゴールに絶対に辿り着けない方法でやっているので
伝わらないのは当然の結果です。


大前提なのですが
あなたが何かを伝える時には、必ず相手がいます。

プレゼンなら聴衆、
文章なら読者、
テレビなら視聴者、
そして自分への手紙でも「自分」という相手がいます。


つまり、伝えるという行為は
あなたと、もう一人の誰かとの共同作業になります。

この「伝える=共同作業である」
という認識が欠けているため、伝わらないのです。


実はこれが結構、致命的だったりします。



独りよがりだとなぜ伝わらないのか?


野球のキャッチボールや
体育でやる大縄跳びをイメージして下さい。


キャッチボールなら、
自分が投げる→相手が受け取る→相手が投げる→自分が受け取る。
こういうリズムで成り立ちますよね?


もしあなたが相手を無視していたらどうなりますか?

・相手の準備ができていないのにあなたがボールを投げたら?
・相手がいないところへ急にボールを投げたら?
・相手がまだボールを投げていないのに、取ろうとしたら?


あなたは自分がチグハグな行為をしていると思いませんか?


大縄跳びの場合なら、
回す人が大きく回す→縄がくる→飛び上がる
こういうリズムで成り立ちますよね?

もしあなたが相手を無視していたらどうなりますか?

こっちを見ていないのに縄を回したら?


まだ縄が来ていないのにジャンプしたら?


実は「なぜが私の方法だと伝わらない・・・」
と頭を抱えている人が
会話やプレゼンでやっていることがこういうことなのです。

大問題だと思いませんか?



伝えるためは、あなたと相手との呼吸を合わせる必要があります



伝えるため必要なことは
簡単に言えば、相手がちゃんと理解できるスピードで行う
ということです。


あなたが発したことを
まだ相手がわかっていないうちに
次へ行くと、相手はさらにわからなくなります。
これが伝わらないという現象を生みます。


あなたが情報を発信する側にいるのであれば
あなたが進行側ということになります。

なので、あなたと相手とのコミュニケーションを
リードしなければなりません。


それだけではなく、
ちゃんと相手がついてきているか?
あなたの発した情報を理解しているか?
ということに気を使わなければならないのです。


小学校の遠足で
組の列で歩く時に、
先頭につく先生と、最後尾につく先生がいますよね?
発信においてあなたが両方の先生役を一人でやるということです。


これを意識してできるかどうかが
伝わるか伝わらないか?を左右する大きな要因になるのです。



漫才でいうツッコミ役の重要さ


プレゼンにしろ説明にしろ、
あなたが発信することは受け取る相手がいるわけです。


これはライブにとても似ています。

一度でもステージに立ったことがある人ならわかると思いますが、
ステージ上ではお客さんの反応がダイレクトにわかります。


学校の合唱や運動会でのダンスなど
催し物でも同じ経験があるはずです。


そして、パフォーマンスが上手な人は
ライブをリードしながらも
同時にお客の反応をちゃんと見て、
それに合わせてスピードを変えたり、
細かく表現を変えたりします。


漫才でも、ツッコミの方がスピードの調整をすると聞きます。
漫才のスピードは当然日によって変わります。

それは漫才師の問題ではなく、
お客に合わせているためです。


・今日のお客さんはなかなか笑わない
・今日のお客さんは良い雰囲気でやりやすい

その日のお客さんに合わせて
ボケで会場をリードしながら
ツッコミでゆったりしたり、テンポを上げたりと調整します。


「相手ありき」なのは、プロが大切にするポイントです。

ここがチグハグだと
伝わるものも伝わりません。


本などではあまり説明されませんが
この超大前提ともいうべき前提を知らないと
独りよがりな発信となってしまいます。


キャッチボールや大縄跳びの話を思い出してもらえば
これがどれだけ伝わりづらいことなのかを
あなたはもう理解しているはずです。



詳しいあなたと、知識ゼロの相手とのキャッチボール


前提として知っておくべきは
あなたと相手との知識量・理解度の差があることです。


今からあなたが発信しようとしている情報・内容があるとして
この情報を発信するあなたはとても詳しい状態です。

事前に調べたり、よく考えたりしているので
かなり詳しくなっています。

一方、相手は知識ゼロという前提で臨むべきです。


とても詳しいあなたと
知識ゼロの相手とのキャッチボールが
今からスタートします。


実力の差はすごくありますし、
こんな違いのある二人が
初めて会っているのに同じ速さで理解することができると思いますか?


当然できませんよね?


この事実を知っているだけでも
あなたの伝える力はかなりUPしています。

それではその「差」はどうすれば良いのか?
ちゃんと解決法があります。


リードする立場のあなたが注意すべきこと


「相手ありき」で発信する際には
ちゃんと相手も理解しているかを見ていくことが大切だと述べました。


もちろんプレゼンでも、文章でも
「今これを発信しましたがちゃんとわかりましたか?」と
いちいち確認できれば良いのですが
現実的にはできません。


そこで重要なのが
発信者であるあなたのスピードをコントロールすることです。

ここでのスピードには2つの意味があります。

1:実際に話す速さや、文章なら文章の量

2:1度に発信する情報量


この両方に配慮するとあなたの伝える力がUPします。

1つずつ見ていきましょう。


実際に話す速さや、文章なら文章の情報量を調整する


「1:実際に話す速さや、文章なら文章の量」の解決法として
焦らずに話すことは
意識すれば誰でもできると思います。

ただ、いくらゆったりでもそれだけでは通じません。

情報量もゆったりする必要があります。


重要なのは
「2:1度に発信する情報量」こちらのコントロールです。


情報量もゆったりするとは
あなたが発信する情報量は極端に少なくするということ。


なぜなら人間が一度に理解できる情報量は少ないからです。

一気にたくさんのことを伝えても脳が処理しきれず
結局頭に入ってきません。


とても詳しいあなたと
知識ゼロの相手とのキャッチボール
という話を思い出してください。


ありがちなのは
あなたはとても詳しいので
どんどん先へといきたがります。

そして「これはさすがにわかっているだろう」という慢心からくる
「わかってる前提」です。


これらが一気にたくさんの情報を伝えてしまうという原因です。


あなたはちゃんと初めて聞く相手の立場に立って
そこを我慢できるか?


伝わりやすくするためには
情報をグッと絞ることが大切で、
その効果の高さについては
あまり知られていません。


でも、ここを知っているか、できているかで
伝わり方がガラリと変わることを知っていると
あなたの伝え方が劇的に変わります。


もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
あなたの伝え方を鍛えて激変!たった1つの訓練方法【放送作家直伝】



情報が少ないと伝わらないのでは?と疑問の落とし穴


相手の聞く準備を整えるために
一気にたくさんの情報を伝えず情報を絞りましょう
という話をすると必ず

情報が少ないと伝わらないのでは?

という疑問を抱く人が出てきます。


そう思う気持ちもわかります。

ただし真実は逆です。


多すぎるから伝わらない
ということをあなたは知らないから
そのようは発言につながります。


発信のプロは必ず情報を絞ります。

なぜならそれこそが伝えるために黄金ルールだからです。


伝えることはキャッチボール。
相手のことを考えるなら
一度に100個のボールを投げたらキャッチできませんよね?

あなたも慣れてくると必ずわかります。
情報は少ない方が、より多く伝わるのです。



まとめ


今回は「伝える力をUPするために相手の聞く準備を整える」
ということをお伝えしました。


伝えるということは一人ではできないこと。

効果的に伝えるためには

「詳しいあなたと、よく知らない相手との歩調を合わせること」。



これを意識することで激変します。

独りよがりにならず、相手のことを思い描きながら伝えていきましょう。


最後までお読み頂きありがとうございます。

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