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第13回 ロングトーンを考える

みなさん、こんにちは。
クラリネット奏者の原浩介です。

今まで色々な記事を書いてきましたが、
奏法についての項目が充実してきたので、
少し実技的な内容もあったら良いなと感じましたので、
今回は、ロングトーンについての導入と言いますか、
私が思うロングトーンとは、について書いていけたらと思っています。
少しコラム的な要素もあるかもしれません。

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クラリネット基礎練習の"三本柱"

みなさん、基礎練習というと何を思い浮かべますか。

私は、以下の3つの柱をベースにして、考えています。

ロングトーン
スケール
タンギング

この3本柱を、それぞれ独立した意識で練習することも大切ですし、
組み合わせて考えていくことも重要ですね。
みなさん今一度考えてみてほしいのですが、
上記3つは言い換えると、

息を入れる(吸う)
指を動かす
舌を動かす

という動作を練習する、ということですよね。
これ以外に"クラリネットを演奏する"という視点から考えた時に何か他に見つかりますでしょうか。
もちろん合奏や室内楽など、演奏形態が一人ではなくなれば、その他に

指揮を見る
周りを聞く
楽譜を見る

などありますが、一人で基礎練習をするという環境の場合は、
この3つの動作を、それぞれ能力を伸ばしていくことが一番の目的かなと思います。
基礎練習は、実際に楽器を自由に操り、様々な楽曲や編成を色彩豊かに演奏するためにするものですよね。
言うなれば、基礎練習に対しての応用編ですね。
しっかりと目的を理解しながら、そして何か一つでも気を付けるポイントを考えながら基礎練習をしていくことが上達に大きく影響してきます。
ルーティン的に、ただ例えばロングトーンの練習などをしてしまっては、頭が働かずなかなか満足のいく練習とは言えないかもしれません。

たくさんの情報が入る現代…言い方を変えると、情報の取捨選択を迫られる時代とも取れる今現在にとって、なるべく自分の中での知識をシンプルにしていくということが重要だなと感じています。
そして、それに伴ってあまり自分自身で考えることも少なくなりつつあるように感じています。
何が言いたいかと言うと、基礎練習も、しっかりと目的を持って取り組むことが大切です。
今回はその中でロングトーンについての注意すべきポイントなどを書いていきたいと思いますが、
実際に音を操り、楽器を演奏するのはお読みいただいている皆様自身ですので、練習の際には自分の音をよく聞いて、自分自身が先生になって、取り組んでいってほしいと思います!

ロングトーンをする理由は

さてみなさん、日々ロングトーンという基礎練習をベースに、音出しや個人練習に励まれていることと思います。
とても素晴らしいことだと思いますし、私自身もこのロングトーンという基礎練習はかなり重要だと思っているタイプで、グループレッスンではこのロングトーンでレッスン時間をかなり費やします。

それは、管楽器奏者にとっての最も重要な音の源は、息(=呼吸)だと確信しているからです。
指がすごく速く動かせても、舌がものすごく速く動いても、
この息がしっかりとしていなくては、人の心は動きません。
聴き手の楽器経験の有無にかかわらず、心を動かすことはできません。
それほどに管楽器奏者にとっての息のコントロール、私はこれを
ブレスコントロールと呼んでいますが、この力を伸ばすことがとても重要と考えていて、基礎練習の三本柱で言うとロングトーンという練習がもっとも効果的だと思っています。

ロングトーンで忘れてはいけないこと

さて、最初にお伝えしておきたいことは、
ロングトーンは、「まっすぐ伸ばすこと」が目的ではありません。
この当たり前のようなことを見失ってしまうと、冒頭に申し上げた通り時間ばかり過ぎ去るだけで、あまり練習の成果を得ることができません。
もちろん、合奏などのサウンド作りでは重要なファクターではあります。
が、ロングトーンの練習をすることは、何が一番の目的なのか、と言うと

ブレスコントロールの練習

なのだ、ということです。
従って、様々な変化を伴ったロングトーンをすることがとても重要です。
まっすぐ伸ばすロングトーンもこの中に含まれる一つ、だということです。
それだけを練習するのではなく、色々なパターンでロングトーンを練習しましょう。
そうすることで、基礎練習と楽曲演奏の距離を縮めることができます。
基礎練習の時はすごく豊かな音色で演奏できるのに、曲に入るとか細くなる、
というのは、このブレスコントロールの幅が狭いからとも言えます。
様々なブレスコントロールを身につけることが重要なんですね!

様々なロングトーン

それではロングトーンについて考えていきます。

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