ここ数年感じている違和感

インターネット広告に携わるようになって、正しい努力をすることで頑張れば頑張るだけ成果に跳ね返ってくるのが素晴らしいと感じてます。

それに広告があることで、僕らはこれまで知らなかった素晴らしい商品を知る機会が増え、それを知り、興味を持つことで、購買が促される。
企業にとってもユーザーにとっても非常によい体験を提供できて、経済活動としても健全な状態になると思っています。

だから、大前提として、僕は広告が大好きです。(正しくは、広告だけでなくブランドやマーケティング活動全般だとは思います)


そんな中で、正直ここ数年ずっと感じている違和感があって、インターネット広告が少しつまんないなと思うことも度々ありました。何に納得できないのか整理している中で、自分もそういったことを考える時があるので自戒を込めたまとめです。

内容としては賛否あるとは思ってますが、こういう考え方もあるんだくらいで考えてもらえれば助かります。

数字に踊らされる

これがプロダクトを作っていく上で、いつも話していて違和感を感じる部分で多いところです。

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例えば、媒体を横断的に並べて、単純にCPAやCPIだけで比較するパターン。

もちろんインターネット広告の良いところは、数値が見えるからどこが良いのかが可視化されて投資対効果が見えるとこがあります。ただ、その数値って本当に正しいのか、単純に横並びでいいのかなどは、いつも考えます。理由としては、媒体毎に計測の基準が違ったりするからです。

例えば、媒体によっては「50%以上表示で2秒動画が再生されるとClick扱い」される媒体もあります。俗にいうView-Through Conversion(ビュースルーコンバージョン)です。

それって外部計測ツール(3rd Party Tracking)で計測すれば、ビュースルーだけ分かるじゃんって思っても、Viewとして媒体がデータを返さず、Clickでデータを送っていれば外部計測ツールといえど正確に計測は不可能です。

なので、悪どいことをしようとしたら、ビューの定義を甘くして、クリック扱いにしてしまえば見た目上のCPAは改善します。個人的には絶対にしたくない施策ですが。

もちろん特定の媒体だけが悪いという訳ではないのですが、こういった計測環境の違い(Youtubeは10秒など)がある中で、単純な横並びの話にしていいのかなというのは感じる部分が多いです。

これに関しては、媒体で揃えれたら一番いいとは思うけど、それが出来ないのが現実です。もちろん内容を理解している方も少なくはないですが、しかし少なからず理解していない方もいるのが現状です。ただ、その中でも携わる皆さんに正しい情報が行き渡り、理解した上でフェアな競争環境になるといいなと思っています。


その指標が顧客の為になるのか

これも同じく数値に踊らされてるなーって思う事例の一つです。

「視聴完了率 or 単価が他の媒体より高いんですよー」

もちろん数値なので良いに越したことはないんだけど、いつも違和感を感じるのは、その指標って良いのが一番顧客の為になるんだっけ?っていうのが凄く感じる部分がある。

僕の地頭が悪いからというのもあるけど、凄くざっくり書くと

・認知が低い=知ってもらえてない
・興味関心が低い=興味を持ってもらえていない
・リーチが少ない=届けれるユーザーが少ない
・視聴完了率/単価が悪い=これ何?

もちろん視聴秒数によってブランドリフト率が異なるという事例があるのも分かる。ただ、累積視聴秒数が多い場合やFQが高くてもブランドリフトは上がっている。その上で視聴完了率や単価が悪い場合は何が問題になるのか、きちんと答えてきた人はあまり多くないです。

結果的に何が言いたいかというと

特に理由もなく、何となく共通の指標で評価していませんか

ということ。この指標の場合は一例ですが、よくこれが大事ですって指標を出してもらうパターンがあるんだけど、「何故それなのか」が理解できていないと正しい打ち手に繋がらないと思います。

その上で、多くの人と打ち手について話たいし、プロダクトの開発にも活かしていきたいなと思っています。


価格競争をしない

これは自社にプロダクトを持っている会社で、割とあるあるだなとは思ってます。もちろん競合他社の価格や値引きキャンペーンやインセンティブをウォッチするのは非常に大事ですが、それだけを理由に自社の価格を変動させないことが大事だと思っています。

ここから書くことはプロダクトだから言えるんだよって思うこともあると思いますが、個人的に思う価格競争がよくない点は3つあると思ってます。

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価格が理由でリプレイスされやすい

これは当然なんですが、顧客は"他社よりも安い"ことが理由で購入の決断をしています。競合他社がより安価になった場合は、同じ理由でリプレイスされる可能性が高いです。

顧客の課題を本当に解決しにくい

これは少しこじつけになるかもしれないのですが、価格が安いということを一番大きな理由とした場合、「一番課題を解決するもの」ではないという可能性が高いです。なので、顧客の課題を解決する一番のものになれていないので、やってみたはいいものの継続に繋がらない可能性が高いです。

利益が出しにくい

これが双方にとってデメリットが一番大きいのかなとは思います。

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本来は、この循環のように
・成果を出すことによって、利益が出る
・利益が出ることによって、人やモノに投資ができる
・人やモノに投資できることによって、さらに成果が出せる

という循環があるからこそ、良いプロダクトができ、さらに成果が出るようになっていくのが理想だと思っています。

では、単純な価格競争で自社の利益率を下げた場合は
(「数」を増やし続けられるのであれば問題ないですが)

・利益が出ないので、投資ができない
・投資ができないので、一人あたりの生産性が上がらず、成果が出ない
 └顧客にリソースを裂けなくなる
 └プロダクトのアップデートが限られたモノになるなど
・成果が出ないので継続されない

ということが起きるかなと思っています。
僕もモノ買うときは値切りますけどね。笑
ただ、それが本当に優れている場合は、高くてもその商品を買うと振り返った時に改めて感じます。

価格が高くても、提供する商品の価値が高い(真の課題解決に繋がる)ものは結果として買ってもらえるし、それこそが双方にとってwin-winになれると思っています。


まとめ

つらつらと少しネガティブ寄りなことを書いてしまったんですが、個人としては、本当にそれが顧客の為になるのか、という一点を純粋に追いかけてプロダクトを創っていきたいなと思っています。

特に

1.自社だから貢献できる領域を見つける

今、新たな挑戦として同じ業界ではあるものの、色々と試行錯誤しながらやっています。既にあるモノや、他媒体のマネをしてしまうなどすれば、そこそこの成果は出るとは思ってますが、自分がいる価値は何だろうと考えた時に、自社だから貢献出来るモノを見つけ、指名性を上げることが大事かなと思っています。

極端なこと言えば、Googleが出来ることをやっていたところで同じ土俵には乗れないし、乗ったところでいつまでも一番手に選ばれない。

そうじゃなく、自分たちだから一番貢献できる領域を探していきたいと思ってます。

2.真摯に顧客の課題解決をしていきたい

個人的に「課題解決」という言い方は、足元の困ってることを解決するだけみたいな感じがあって好きじゃないです。笑
ただ、事業を伸ばしていくにあたって顕在化していない課題を定義して、それを解決するための手段を考えることが大事な役割だと思っているので、愚直に追い続けたいと思っています。

真摯に顧客に向き合って、「それって意味あるんだっけ?」を何度も何度も反芻させながら悩んでモノを創っていきます。


軽めに書こうと思ったけど、つらつらと長く書いてしまいました。
「お前は分かってない」っていう異論、反論は大歓迎なので是非ご連絡ください。ディスカッションしましょう。そして僕に色々と教えてください。

では、また気分が乗ったら書きます。

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