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胎内DEERS 2シーズン目を終えて


1.はじめに

胎内DEERSは2シーズン目を終了しました。
今年も沢山の方に支えられ、シーズンを送ることができました。
改めて感謝と御礼申し上げます。

年末ですので、これまでの反省や振り返りとともに、見えてきた進むべき道をまとめたいと思います。チームのSlackに投稿した内容から抜粋・修正して書いています。

2.戦績

今シーズンは春のパールボウルで1勝1敗、秋のリーグ戦では1分4敗で順位決定戦、入替戦に出場し、いずれも敗戦したため来期X1 AREAに降格となりました。
応援して下さった皆様、ご期待に沿えず申し訳ございません。
後述しますが、チームの在り方から変えていかねばならないと感じています。

3.クラブの価値づくり

戦績は残念な結果となりましたが、社会に発揮する価値という点では実績を残すことができました。
胎内DEERSとしてスタートしたばかりの昨シーズン、1年経った今シーズン、そして降格という結果を迎えたこのオフシーズンと、胎内市中心に期待や応援の声が着実に大きくなっているのを感じています。

行政との連携実績としては
・包括連携協定
・企業版ふるさと納税
・(個人版)ふるさと納税
・地域おこし協力隊
・ホームゲーム開催
・パブリックビューイング
・DEERくんマンホール作成
・各種イベント参加時のご紹介
・市報への度々の掲載
等ができました。

マーケティングの用語でAIDA(AIDMAの場合もあります)という言葉があります。

A=Attention(注意≒認知)
I=Interest(興味・関心)
D=Desire(欲求)
A=Action(行動)
で、顧客に選んでいただくために必要なステップを整理したものです。
非ファン ➡ ファン
非スポンサー ➡ スポンサー
になって頂くためにまずは上記の「A(認知)」「I(興味・関心)」に繋がる活動を胎内市でやって参りました。

他のビジネスと比較した場合、スポーツビジネスはA(認知)➡A(行動)までのサイクルが長い代わりに、一度顧客になって頂いた時の熱量は高い、という特徴があるのではないかと考えています。

この1年半の活動で、少しずつ形になって参りましたので、継続していくことで来年は「D(欲求)」「A(行動)」まで思っていただけるファン・スポンサーを増やしていければと考えています。

大事なのは「心を掴むこと」だと思うので、胎内DEERSの活動で多くの方の心を掴めるように精進して参ります。

4.チームの在り方

前述の価値づくりはマーケティングだけで完結するものではなく「応援したいと思って頂けるチームづくり」が必要不可欠です。
これまで私は、チームの価値をどのように外部と接続し、伝え、事業拡大をするかという点にしか視点がありませんでした。

なので、実際のチーム現場は完全にお任せ、という形になっておりましたが、このスタンスでは見逃していたものがありました。
入替戦の前に、その間違いに気付いた機会がありました。
「何をDEERSの魅力としてメンバーに伝えるか。」がはっきりしていませんでした。
もしかしたら、鹿島DEERS➡LIXIL DEERS➡DEERS FOOTBALL CLUB➡胎内DEERSと変遷をするに従い、見逃されていた大事なことがあったのではないか。

選手やコーチの心の中に「DEERSでないと得られない事・経験できない事」を提供できていないのではないか。
だから「勝ちたい」とは思ってもチーム平均として「DEERSを勝たせたい」と思っていただけていないのではないか。

「応援して頂くためには、まずはこちらが精一杯応援すること」
これは昔、私が尊敬する水泳の指導者と話していた際におっしゃっていた言葉です。

選手やコーチから「DEERSを勝たせたい」と思ってもらうためには、DEERSが選手やコーチの役に立たなければならない。
DEERSに関わるメンバーには職場や家庭など、大切なものが沢山あります。
DEERSのチーム内ではこれまで「フットボールの事」のコミュニケーションが大半を占め、それぞれの職場や家庭といった人生の面で何か役に立てていることは少なかったのではないかと思います。
そんな中では、DEERSがメンバーの人生の中で重要な存在になることは難しかったと思います。
「新潟県や胎内市のことにピンとこない」という状況の者もいたと思います。ごもっともです。
DEERSがメンバーの人生の中で重要な存在になって初めて新潟県や胎内市のことを感じていただけるのかなと思っています。

「チームメンバーお互いの人生の幸せに貢献するチーム」
「選手やコーチのDEERSの外にいる大切な人も幸せにするチーム」

目指すべきチームの在り方はこれだと現在確信しています。
このようなチームであればメンバーは自信をもって周囲にDEERSのことを話していただけると思いますし、大学の後輩にも自信をもってDEERSを勧めていただけるのではないかと思っています。
周りの人をDEERSを通じて幸せにすることができれば、メンバーのDEERSの活動に対する支援も増え、勝利のために向き合える時間や資源を手に入れられるはずです。

ではどのようにそのチームになるか?
もちろん簡単ではなく、道のりは地道で長くなると思います。
ですが、やることはシンプルで
「目の前の相手の欲求や困りごとを支援すること」
をひたすら続けることだと考えています。

これは自己犠牲ではなく、ある意味自分の幸せのために利己的に相手に貢献することです。
チーム内外問わずお互い支援し合う関係性を作り増やしていくことが、自分の成し遂げたいことを達成するために必要だからです。

フットボールだけではなく、家族・職場・人間関係・趣味・健康など、人によって大切に考えているものが違います。目の前の相手は何が大切なんだろうか、欲求や困りごとは何なのか、まずはこれを知ることが大事だと考えています。その理解が深まれば、相手にとって重要な存在になることができます。

フットボールは「アサインメント」というものがあるため、「自己責任で自分の役割を果たす」という思考になりがちですが、組織作りは「自己責任」ではうまくいかないのではないか、と思います。「自己責任」で鍛錬を深めることはとても素晴らしいことですが、それが行き過ぎると「周りへの無関心」に繋がってしまいます。まさに私が最近までそうでした。

「相互依存」のような関係性を増やし、自分以外の力を多く使える状態にしておくことこそが、自分が成し遂げたいことを達成するために必要で、そのような組織づくりを目指すことが重要と考えが変わりました。

これを実現するためにはもう1つ個々で考えなければならないことがあります。
「なぜ自分はDEERSでフットボールをプレーするのか」
「そもそも自分はどんな人生を送りたいのか。DEERSがそれにどう結びつくのか。」
これに対してメンバーが自分自身の考えを明確にしておくことです。
もちろん先のことはわからないですし、途中で変わって行くものだと思いますが、現時点での答えを持っておくことが大事だと考えています。

上記書いたことに対し「フットボールチームでそこまでやるのか?」という心配も頂きました。
私は未来の暗いフットボール界だからこそ、DEERSはそこを目指さなければならない、と考えています。
現在のXリーグには、予算で困らずフットボールだけに集中できるチームもあります。しかし、今後のアメリカンフットボール界が生き残り、発展するためには、我々は同じ考えではなく、社会に価値を発揮して対価として稼ぐチームにならなければなりません。DEERSで日本アメリカンフットボール界の在り方を変えたいと思っています。

その為には「一番勝てるチーム」ではなく、「一番勝たせたいと思ってもらえているチーム」になることが最も重要と考えています。その思いの総量が圧倒的になればおのずと勝っているはずです。

まずは自分とその周りから、ということで社員やコーチともこの話をまずさせてもらいました。
このチーム像を実現する為に、私はチームのチームメンバーの欲求や困りごと等を全力で支援したいと思っています。

そして降格はしましたが、チームの変わった姿をお見せできるよう取り組んで参りたいと思います。

5.考え方の転機となったきっかけ

前述のチームの在り方について、私は元々その部分の考えが薄かったと思っています。しかし、とあるセミナーをきっかけに考え方が大きく変わりました。

それがアチーブメントの講座です。

大谷翔平選手や菊池雄星選手を輩出した花巻東高校、世界一となったWBC日本代表チームの白井コーチ、大学スポーツ改革の中心となっている筑波大学アスレチックデパートメントや東京大学アメリカンフットボール部など、スポーツ界でもアチーブメントプログラムが導入されています。

まだ私は1回しか受講していませんので、内容について全てを身につけたわけではありません。これは6回再受講が必要で、発展的なプログラムも受講して初めて修了となる講座です。

しかし、1回の受講でも大きく自分の価値観で間違っていた部分に気付かされました。

それは2つあります。

  1.  「自分自身の成功」について、これまでの人生で考えておらず、「組織への貢献」「アメフトへの貢献」「(抽象的な)価値の創出」のみを考えていた。

  2. 自身の原体験より、「仲間の成功や協力を期待せず、たとえ仲間が失敗したとしても受入れ自分の力で組織が成功できるようにすることが重要で、それが思いやりである。」と考えていた。

この2つの価値観のため、自分自身も含め「個人」への興味が乏しく、「組織」「地域」「スポーツ」といった抽象的な概念への貢献のみを考え、人の顔が見えていませんでした。
これまで自分を応援して頂いていた方に対しても、個人と個人、という感覚が無く、抽象的な概念の部分でのみとらえていたこと、そしてあまり期待していなかったことから、深い人間関係を築けず、相手からの失望を頂くこともありました。
これまでの人生では自分自身の力だけで物事を考え、自分の力を超えてしまったときに周りに迷惑をかけてしまうこともありました。他者や仲間から力を借りることの重要性を理解しているつもりでしたが正確に理解していませんでした。

しかし、自分自身の成功を考えた時に、認識していた以上に自分の力だけでは足りない、と気付くに至りました。同時にこれまで自分の成功のために多くの応援を頂き、それに対して個人として向き合えていなかったことに気付きました。
頂いた応援にお返ししたり、応援して下さった方の成功を自分が支援するためにも、自分自身が成功を目指さなければ貢献できません。個人と個人として、お互いがお互いの成功を支え合う関係の必要性に気付いていませんでした。

以上の考えの気付きにより、前述の「チームの在り方」について強く思うようになりました。

また、事業推進面でも人との接し方で足りていなかった部分に気付くことができました。

これらの自分の変化が表れてからまだ3週間程度ですが、様々な所で結果に違いが出ていることを感じています。これから365日、この変化を保って走り抜けて参りたいと思います。

6.さいごに

胎内DEERSが目指すものを実現するには、さらに多くの共感していただける方が必要です。
是非、色々な方にご紹介していただけると嬉しいです。

そして最後に、あと大晦日しかありませんが、もしふるさと納税の枠が残っていたら是非「胎内DEERSへの応援」に御寄附いただけると嬉しいです。

ふるさとチョイス

楽天ふるさと納税

ふるなび

以下に胎内DEERSのふるさと納税について詳細記載しております。

お読みいただきましてありがとうございました。
また来年もよろしくお願い致します。
どうか良いお年をお迎えください。

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