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あなたのビジネス、ヘルシーですか?

有名になるもんじゃないなあ、と何となく若い頃から思っている。頑張って、活躍して、有名になって、でも最後人生の終盤戦で問題を起こして、大事な一生を棒に振るような人を、毎年メディアで目にする。

いやさ、ほとんどの人は、頑張って、活躍して、有名になって、尊敬と敬意を集めて人生を終えるのかも知れないと思う一方で、なんか残念な人も目につく。

野心強めの若者だったと思う。普通じゃ終わらないぞ、と思っていた。

今、デザインの仕事をしている。例えば、今日はテレビのニュースでダークパターンという、生活者の望まない購買に悪意を以って誘導することが問題になっている、というのをやっていた。ダークパターンは限りなく詐欺や犯罪に近いが、デザインが人の心理や行動を制御し得るみたいな考え方が一般化して、なんかちょっと違うんじゃないかなあ、って気もしてるんだよな。

「なんかちょっと違う」って感覚は大事で。

今年の目標の一つとして、デザインを再定義したいなあ、というのがあった。僕が辿り着いた一つのキーワードが「ヘルシー」ということだ。サステイナブルとか、リジェネレティブとか、まあ色々なキーワードがあると思うのだが、健康的とか、健やかとか、そういうことが大事なんじゃないかなあという気がしていて。

健康的な若者を見ると気持ちが良い。健康的な老人を見ると元気が出る。

企業や個人の体質の腐敗みたいなものをたくさん見て来た。それはメディア越しにもそうだし、残念ながら、実際に接点を持ったビジネスでもそうだ。事業者と生活者の関係性、事業者と従業員の関係性、事業と社会の関係性、そういうものが健康的であることがいかに大事か。

まあ、逮捕されて、臭い飯を食う、みたいなのは終末的だけれど、そこまではいかずとも、真っ当な商売をすること、だから改めて、健康であること、健やかであることがビジネスには求められていると思うのだ。

そんなこと言ってると、儲かんないぞー、と思われるかも知れないが、利益の「最大化」から降りる、というのは時代の潮流でもあるのではないか。むしろ、7割くらいのパフォーマンスで良いから、健やかに伸び伸びと明るく楽しく元気よく、を続けられる、みたいなことがヘルシーなビジネスということのような気がしていて。いかにも子どもっぽい話ではあるが、割とそれは難易度の高いことでもあって。

背伸びし過ぎず。肩肘張らず。デザインということと向き合っていきたい。

だから、「隣人に健康を示す」くらいのことが、デザインではないか、という気がしてるんだよな。

ヘルシーに行こう。

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