〈高円寺のお店紹介〉高円寺ウシータ

小杉湯番頭兼インターンシップの石田です！今回は、6月18日にコラボする予定の人気イタリア料理店・高円寺ウシータを紹介していこうと思います！

毎週月曜日にやっている高円寺の散歩の際、インターンメンバーのみずきが「ウシータめっちゃ美味しい」と真顔で推していたお店でした。私含む小杉湯インターンメンバーで一度ウシータに行ってパスタランチセットを頼みました。

パスタとは思えない油そばのような麺、濃厚なソースの美味しさ、てんこ盛りの粉チーズや大きな器のサラダを忘れないコストパフォーマンスに感動しました。

今回はnote掲載にあたって、ウシータの店長さんである、安達鮎（あだち・あゆ）さんに直接インタビューをしました！

太くて強いパスタと、パスタに負けない「それ以外」

ウシータの魅力の一つであるパスタは、もともと中華麺用の麺を作っている工場・浅草開化楼で作られた特殊な麺・低加水パスタフレスカ。噛み応えのある太い麺を噛むと、小麦の甘味があふれ出す。パスタというよりむしろ、つけ麺や油そばに近い食感です。広尾『ロットチェント』の樋口敬洋シェフと『浅草開化楼』の不死鳥カラス氏が一緒に開発した麺です。日清製粉と共同開発したパスタ専用小麦粉『ファリーナ・ダ・サローネ』を使い、中華麺を作るようなローラーで生地を伸ばし、太めにカット。パスタを焼きそばのような大衆娯楽にしたいと語る不死鳥カラスさんは、この低加水パスタフレスカのレシピを日清製粉を通して無料で公開しており、熱い心でパスタ界を変えようとしている男性です。

「食べてみたらすごく美味しくて、これしかない！となって」

ウシータを開店する前、一緒に店を経営している弟さんが、イタリアのヴェネト州にイタリア料理の修行をした際に、伝統的な製法で作られたビーゴリという生麺に感動し、日本でも似たようなパスタがないだろうかと考え
ました。鮎さんと一緒にいろいろなパスタを試食し、浅草開化楼の低加水パスタフレスカに感動し、ぜひ使用させて欲しいと直談判し、導入に至りました。ビーゴリの作り方は、筒に入れた生地を、万力のように圧力を加え、ところてんのように押し出してパスタの形にすることで、表面がざらざらしており、水分が少ないパスタを作るものです。

ウシータの人気商品はナポリタン。煮干しのジェノヴェーゼや牛すじカレーも人気を得ています。なかなか家庭や他の店で食べられないような強い味のレシピが目立ちます。

「ソースが単調だと負けるので、食感のアクセントになるものを入れたり、（ソースの）ベースにもこだわっています」

嚙みごたえのあるパスタやインパクトの強いソースをずっと食べていると飽きてしまうので、ウシータオリジナルの辛いオイルやスパイス、香草パン粉、レモン、山盛りの粉チーズなど味変グッズも欠かせないといいます。最初からこの味変グッズを使い、自分なりの美味しいを追及している強者アルバイトもいるのだそう。

また、ランチセットについてくるサラダも、普通の「セットのサラダ」の枠を超えた大きな器によそわれていたり、しれっと美味しいパンを添えてきたり、コストパフォーマンスも忘れません。サラダのドレッシングも手作りで、上に載っている生ハムもオーダーされるごとにスライスするといった徹底ぶり。またコロナ前はせんべろといって、またコロナ前はせんべろといって、１０００円で二品のおつまみと二杯のお酒をセット提供するなど、パスタ以外でもとことんサービスを尽くします。

「サラダを出された時驚いてほしくて。安く飲めて、楽しくて美味しい！」

「フランスのワインはピアノの黒鍵で、イタリアンワインは白鍵。はっきりとしていて気難しさのないところが魅力です。」

ウシータのワインはすべてイタリアワインです。安達さんはソムリエの資格も取得しているのです。高円寺にウシータを構える前は東中野でワインバーを営んでおり、店の経営とソムリエの勉強を並行して、寝る時間をギリギリまで削って行っていたそうです。弟の修行先でもある新宿御苑の『オステリア・ヴィンチェロ』で、イタリア料理とワインの素晴らしさを、齋藤克英シェフから教えて頂きました。美味しい料理とワインを組み合わせた時に、その美味しさや、食事の楽しさがニ乗三乗になるお店を開店したいと安達さんは考えていました。

安達さんはディズニーランドでフードキャストをしていたり、吉祥寺のお店で飲食業界で長らく働いていました。飲食の世界に魅力を感じ、独立を考えていた安達さん。吉祥寺の『わ』の、光山英明社長に「自分のお店を持つって楽しそうですね」と話したところ「やったらええやん」と言われ、具体的な独立方法を教えてもらいました。「やってみたいという人はたくさんいる。１００人いたとして、実際に開業までこぎつけるのは、1 人か 2 人やわ。」と言われ、やれるのかという不安もありましたが、それ以上に楽しそうだ、という気持ちが大きく、晴れて開業を果たしました。何事も前のめりにやる安達さんだからこそ、こだわりが沢山込められた素敵なウシータを経営できるのだと思いました。

夢見れる街、誰でも受け入れてくれる高円寺

「弟と私以外アルバイトの子たちなのですが、ギター、音楽、舞台と他に活動場所がある子が多いんです。人手が足りない時、バイトの子がシンガーソングライターを連れてくることもあるんですよ」

中野坂上に住んでいる安達さんですが、高円寺という街には「楽しそう」といった憧れの気持ちを持っていました。夢を持てるいい街だと言っていて、アルバイトの子が演奏している『のっぺら』というバンドが、（店の前にある）王将の前でイベントの際ライブをした時もあり、感動したそうです。とても自分たちの好きな音楽やアートと店が組み合わさるのが良いですね、と言っていました。

さらに店内には「歯のマンガ」のガチャガチャを設置したり、好きな漫画を階段の上に沢山おいてあったり、マーモットのぬいぐるみが相撲をしていたりなど、可愛いアートも欠かせません。

「弟が歯のマンガ、好きなんですよ。歯のマンガの方に頼んだら開店と共に絵を描いてくださって。作者さんが、別のイラストレーターさんとごはんを食べに来てくださる時もあります」

店内の内装はイタリアの港町のレストランをイメージし、外の壁をミントグリーンにするなど、淡い色が中心となって構成されています。コロナ前はよくパーティー用に貸切りの予約が入ることも多く、今では少し寂しいといい
ます。

食べ物だけではなく、文化的な面もとことんこだわっている安達さん。今回の小杉湯コラボも前のめりになって取り組んでくださいます。ウシータでも銭湯が好きなお客さんも多く、四歳の息子さんも小杉湯がとても好きで、小杉湯ではアイスではなく頑なに牛乳をチョイスするそうです。

「２、３年の新参者が老舗の銭湯とコラボできるのはとても嬉しいです！これをきっかけに地域になじめたらな」

安達さん自身はチルの湯がとても好きで、ブラックモンブランが好きなのだそう。弟さんは泡が沢山出る TBKのジェット風呂がとても楽しかったとのこと。高円寺フェスなど高円寺のイベントも楽しむウシータは、より高円寺らしく憧れの店舗になっていくと、私はそう思いました。

夫婦ではなく、姉弟でやっているウシータ。ウシータの名前の意味を聞いてみました。

「ウシータはイタリア語で『出口』という意味で、ウシータという店が日常の出口であるという意味でこの名前を付けました。あと、イタリア人には入口なのに出口っていう名前が書いてあったら面白いかなと思って（笑）逆
だから（笑）」

楽しんでもらおう！というサービス精神と、その裏には熱いイタリアンへの思いが詰まったこのお店には、普段私たちが頑張っている日常の「出口」にふさわしいぐらい元気と満足を貰える場なのかもしれません。

6/18！ウシータ×小杉湯コラボイベント

6/18限定！ウシータと小杉湯のコラボイベントを開催します！

小杉湯のあつ湯では、自家製辛口ジンジャーチェッロソーダを作るときに使ったレモンと生姜を入れたお風呂を楽しめます！

また、小杉湯の軒下ではその自家製辛口ジンジャーチェッロソーダとコーヒー牛乳を飲むことが出来ます！いつものコーヒー牛乳とは違う、まさにケの日のハレのコーヒー。お楽しみに！

（文責：石田美月、写真：荒波）

SNSなど

・高円寺ウシータ
Twitter（https://twitter.com/uscita315）
Instagram（https://www.instagram.com/uscita315/?hl=ja）

・のっぺら（アルバイトの子のバンド）
（https://twitter.com/noppera_band）

・写真の荒波さんのInstagram
＠arakanikani
（https://www.instagram.com/arakanikani/）

参考資料（紹介）

・大衆イタリアンにこそ使ってほしい低加水パスタフレスカ：不死鳥カラス氏にインタビュー（http://blog.livedoor.jp/kaz823ad/archives/52244293.html）

・行列の絶えないラーメン店から支持を受ける製麺所とともに開発した「低加水パスタフレスカ」
（https://cuisine-kingdom.com/lottocento2/）

・サメ偏愛vsメン偏愛「ニッチも フェチも いかない……対談」 Vol.2-1
（https://www.e-begin.jp/article/65639/）