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農業大国フランスのSalon de l’Agricultureに行ってきた

フランスでは、2/25-3/5の約1週間、Salon de l’Agricultureが開催されています。Paris Expo Porte de Versaillesの巨大ホールを貸し切って行われる、農業大国フランスが誇る、一大イベントです!

実はつい最近までこのイベントの存在を全く知らなかったのですが、知り合いの家でTVを観ていた際にこのニュースが流れてきて、フランスにいるのに行かない訳にはいかないと思って、行ってみました。

そのニュースのサブタイトルが

On mange gratis! (無料で食べれる)

完全にこれに惹かれました笑

とはいいつつも、入場料は16€。ちょっと高いなと思うけど、無料にしたり安くしすぎたりすると、パリだとホームレスや物乞いの溜まり場になってしまうので、妥当な価格なのかな。

ところで、入ってみるとめちゃくちゃ広かったです。体感ディズニーランドくらいの広さでした。

salon de l’agricultureのマップ

こんな感じで、7つのブースに分かれていました。Pavillon1は家畜ブース、2はペットブース(主に犬猫)、3と7はフランス本土の食べ物ブース、4は環境技術系のブース(ここだけ行ってない)、5は世界の食べ物ブース、6は馬のブースでした。

Agricultureというと、小麦や野菜の生産などを思い浮かべますが、概念が思ったより広いんですね…。

食べ物ブース

海外県ブース

私はエスニック料理が大好きなので、1番気に入ったのは、5のブースでした。

Nouvelle-Calédonie(ニューカレドニア)のブース
サトウキビのジュース、めちゃくちゃ美味しかった!

世界の食べ物、と言っても、フランス領の食べ物がほとんどです。というのも、フランスは大航海時代からユーラシア大陸以外の領土に進出し、今現在でもその名残で France d’outre-mer (フランスの海外県・海外領土)と呼ばれる地域がいくつか存在します。例えば、カリブ海のGuadeloupeやMartinique、南米大陸のGuyane、マダガスカルの隣にあるLa Réunion、上の写真であげた、Nouvelle-Calédonieなどがそうです。

バカンスに海外県に行く人は結構多いので、フランス人からしたら「身近に行ける海外」みたいな感じなんだと思います。

ちなみにNouvelle-Calédonieのブースには、試食が沢山あったので、人が殺到していました。南国フルーツやスパイスを使った料理が沢山あって美味しかったです。

La Réunionの焼売(ソースも醤油だった)

あとはなぜかLa Réunionのコーナーで焼売を見つけました。日本の遥か彼方でも同じ食べ物が食べられているとは…笑

日本だとカリブ海やアフリカの料理を食べる機会にはほとんど出会えないので、世界の料理を開拓できる良い機会でした。

モロッコのコーナー

フランス外だと、北アフリカコーナーが多かったです。フランスは19世紀から北アフリカの国々を植民地化していた歴史があるので、モロッコ・アルジェリア・チュニジアの3カ国とは特に関係が深いです。北アフリカからフランスへの移民はかなり多いですし、私世代から見て祖父母の代だと、フランス語で教育を受けてきた人が多いので、ほとんどの人がフランス語を話せます。

フランス語を学ぶことで、日本にいたら知らないような地域の人たちと話せることが嬉しいな〜と思う今日この頃です。

こんな感じで5のブースでは、世界の料理を味わいながら、なんとなく歴史も感じられる楽しいブースでした!

フランス本土ブース

ここのブースは、日本でいう、物産展と同じ感じ。
もちろん海外県とフランス本土の文化の違いもありますが、フランス国内でも文化の違いがあるのがフランスの面白いところです。

中世(いやもっと前?)からフランスでは、各領主が戦をし、分離や合併を繰り返していました。そのため、その国独自の言語も存在しますし(バスク地方のバスク語、ブルターニュ地方のブルトン語など)、今でも自分が生まれた地域にプライドを持っている人が多いです。

ここはBretagneブース

各地のワインやチーズなども沢山売られていました。Bretagneのクレープは美味しいそうでした(だけどクレープはいつでも食べれると思ってやめました笑)。

île de Franceのコーナー
バゲット仕込み中

個人的に気になったのはîle de Franceのコーナー。île de Franceというのは、パリとその近郊を含む地域です。他の地域だとその地域独自の料理やお酒などが沢山ありますが、ここには何があるのか気になって行ってみたら(東京で有名なものってなんだっけ?みたいな感覚)、なんとバゲットがその場で焼かれていました。

動物ブース

家畜ブース

農業なので、やっぱり家畜もいます。かなり臭かった…。

牛コーナー
羊コーナー

家畜ブースには牛、豚、羊、ヤギがいました。どんな基準で選考されているのかは分かりませんが、家畜のコンクールも行われているそう。グランプリの家畜にはメダルが貼られていました。

あとは、ここのブースには、卵や乳製品の大手メーカーの出店もあって、いろんなものを試食できる良い機会でもありました。

馬のブース

フランスといえば、馬!っていう人も少なくはないと思います。競馬も有名ですし(私の家の近くにもHippodromeが何個かある!)、知り合いでequitation(馬術)をやってる人も割といて、馬好きが多いです。

このサロンでも、馬だけで一ブース占領しているくらいでした。

白馬たち

馬やポニー、ロバなど沢山いました。これも家畜と同じように、コンクールが行われていて、上写真の左側2頭がグランプリだそう。

私は馬のことは何も知らないので、フィッシュボーンで結われた馬の尻尾がとにかく綺麗だとしか言えません。

ペットブース

ペットブースには犬や猫が沢山いて、散歩用のリードや服なども売られていました。

犬のショー

こんな感じで、犬の芸大会みたいなのも行われていました。

でもここまで来ると、いやペットってAgricultureなのか?とも思ってしまう。

メディアの取材も多数

Salon de l’Agricultureはフランスの一大イベントの一つなので、メディアの取材が殺到します。もちろん各店舗での取材もそうですが、テレビ局やラジオ局がブースを貸し切って、そこで報道もしています。

こんなところで天気予報もやっていました。この天気予報士は、友達が小さい頃からテレビに出ているというベテラン天気予報士みたい笑

前首相のJean Castex氏

政府関係者も訪れます。私が行った日には前首相のJean Castexさんが来ていて、なんと遭遇しました。みんな一緒に写真撮ってもらってた。
初日の25日にはマクロン大統領も来ていたみたいです。何人かに襲われそうになったみたいですが…。


人生初のSalon de l’Agricultureはこんな感じでした!人が本当に多くて、コロナ禍の日本では全く考えられないような密度でした。それに加えて、料理も屋内で作られていて、煙が立っていたところもあったので、正直危険でした笑(実際、窒息なのか倒れている人もいました)

パリにいながら、各地の料理を食べれたり、動物の触れ合えたりできる、楽しい機会だったので、ぜひ時間があれば行ってみてください!

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