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僕のせいじゃないけど

昨日、入居者の家族から桜の枝をいただいて花瓶に挿して置いといたんですが、今日花が咲いており、自然の神秘に心が洗われるようでした。#普通の挨拶

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こんにちは、コッシーです。


さて、うちの施設では感染予防対策として、現在も外出や買い物などの規制をさせていただいております。

基本的に外出は病院受診などのやむを得ない場合は除いては禁止しており、日用品などが不足した場合はこちらで代わりに買ってきたりしています。

以前までは自由に外出していた方にとっては本当に窮屈でストレスが溜まることだと思いますが、感染のリスクを出来る限り抑えるため心苦しいですがご協力をしていただいております。

しかし入居者の中には、現在の状況を深刻に捉えておらず病院受診のついでにお店に寄って買物をされたりする方がいます。

そういう方にはその都度指摘させていただいておりますが、「分かりました」と一旦は納得されますが、忘れてしまうのかそれとも確信犯なのかは分かりませんが、同じ過ちを繰り返されます。


先日、あるスタッフから指摘を受けました。

「もっと厳しく言わないと相手に響かないと思います。ルールを守ってもらうためにもっと強く言ってください」

このスタッフの言い分はものすごく分かります。何度も同じ失敗やミスを繰り返す人に対して厳しく叱咤することで相手に理解をさせることはよくある話です。

今回もこちらの定めたルールを守ってくれない入居者に対して、責任者である僕から厳しく言う事で、入居者の襟を正すことはもしかしたら出来るのかもしれません。

しかし僕は全然気乗りしませんでした。

これは入居者に限った話ではなく、僕は誰に対してもそうなんですが、あんまり強く注意したり、ましてや怒ったり怒鳴ったりすることは滅多にありません。

別に嫌われたくないとか言いたくないとかではなく、厳しく注意するよりも優しく注意した方が、相手も自分も気持ちが良いと思いますし、厳しく注意をして相手が本当に理解してくれるのかの自信が僕にはありません。

「二度と同じミスするな!」よりも「次は期待してるよ」の方が頑張ろうって気がしません?

まぁそれでも場合によっては厳しく言わないといけない時もあり、覚悟を決めて深呼吸をして怖い顔を作りつつ「コラー!」と厳しく注意をしています。

今回も何度もルールを破ってしまう入居者に厳しく注意をしても良かったんですが、どうしてもそれをしたくありませんでした。

入居者が買い物に行っちゃう気持ちが分かるんですよね。そりゃストレス溜まって外出たついでに買い物くらい行っちゃうよなぁと思います。

そこを厳しく言ってしまうと、ますますストレスが溜まり、精神上あんまりよろしくないかなと思います。

ルールはルールなので、次からは気を付けてと注意は促しますが、詰めるようなマネはやっぱりしたくないと思いましたので、スタッフにはやんわりとそのように説明をいたしました。するとスタッフから、

「結局コッシーさんは良い人になろうとしてるだけです。悪者は口うるさく言う私たちになるんです。本来は責任者が厳しく言い、それをなだめるのが私たちの役目だと思います。」

と言われました。なんか前にも同じようなことがあった気がしますが(※参照)、今回は前とは少し意味合いが違う気がします。


スタッフさんが僕を責める気持ちはすっごく分かります。僕がいつもいつも軽く言ってる(そのつもりはないけど)ように見えて歯がゆかったんだと思います。

何度もルールも破る入居者に「甘い事言っててはダメだ!」と思い口うるさく注意をしてくれたんだと思います。施設のためを思っての行動です。全く非難はできませんしするつもりもありません。

ただ正直な気持ちを言うと、「悪者になるのは僕のせいじゃなくね?」と思いました。そもそも入居者に口うるさく言ってくれと僕は一度も頼んだことはないし、なんなら「入居者に何か言わないといけない時は僕から言います」とスタッフには伝えてあります。

僕からすると自ら進んで行った行動により悪者になるのが僕のせいみたいに言われるのはとても心外ですし、悪者になるのが嫌なら言わなきゃいいのに、とすら思います。

しかーしです。そんなことは絶対に絶対に言ってはいけません。それを口にした瞬間、そのスタッフの心は僕から確実に離れていきます。それは僕も本位ではありませんし、そのスタッフは非常に信頼できる真面目な方なんです。

こういう時こそ冷静に対応しないといけません。


そのスタッフには、まずその気持ちは分かるし、悪者になっていることを気付いていなかった件を謝罪しました。ただ、あくまで【僕の個人的な考え】としては、やっぱり厳しく言うことは出来ないことを伝えました。

その上で、入居者には何度でも僕が注意をしていくから、気づいた事とかあれば今回みたいに僕に言ってください。と伝えました。

さらに、僕は鈍感なのでみんなの苦しみに気づかないことが多々あるので、出来れば定期的に打合せをして、現場の状況を教えて欲しいと伝えました。

そしたらそのスタッフからは「コッシーさんの考えややり方を尊重します。生意気言ってすみませんでした。」と言ってくれました。


こういう時にスタッフからの信頼を得られるかそれとも失墜させるかの分かれ道になると思います。

今回は僕もムカーっときましたが、寸でのところで思い留まることができました。もし自分が目上の立場なら、たとえ相手が間違っていたとしても、やっぱり相手に寄り添って話をするべきだと思います。

青臭いかもしれませんが、誠意を持って話をすればきっと相手も分かってくれると思います。


話終わった後、そのスタッフさんから「これ」とホワイトチョコをもらいました。

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え?これはまさかバレンタインチョコ!?と思ったんですが、すぐにスタッフさんから、

「私が食べたかったらついでに買っただけなんだからねっ!!」

と言われました。

まだバレンタインじゃないし、ついでに買っただけなのでこれはバレンタインチョコではないので、鉄の掟(チョコ渡すの禁止)を破ってはなさそうです。セーフです。

スタッフさんにどう話をするか頭をめちゃくちゃ使ったので、ホワイトチョコの甘さがとても心地良かったです。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー

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