三十路インタビュー Rahel: 実習生

彼女は高校を一年飛び級して卒業している。

所謂天才とか秀才と言われる部類。
ここで何かを言いたいかと言うと、、、
 
  
 
特にない。
 
 
天才や秀才と話すと何か見透かされている気がする。気のせいだろか。。ただそういう人の多くは質問に対する答えが的確で多くを語らない。
 
 
 
ということで今回のインタビューはラーヘルさんです。彼女は高校を卒業して私の実習先にボランティアワーカー (FSJ) として一年間働いてイタ。
 

  ※このインタビューをさせてもらったのは私の実習先Friedenskreisという団体で、この団体については、、、https://note.com/kosokosolife/n/na89dbd23727d  

画像1


 
《簡単に自己紹介お願いします。》
私はラーヘルです。ベルリンからきました。ここでFSJをやっている。
趣味はキックボクシングをすることだけれど、これがけっこう楽しいのよ。体を動かしてしっかりとトレーニングをすると、素早く動けるようになるのが自分でもわかるの。それと、トレーニング中のスパーリングも楽しい。スパーリングはコミュニケーションがとても大事だし、相手を気にしながら、自分がどう動けるのか見ることができる。他には自転車で出かけるのも好き。ベルリンにいたときも自転車には良く乗ってたけれど、ベルリンは大きい町だから自転車には合わないかな。
 
 
《FSJとは?》
ドイツでは結構広がっているの。多くの人はギムナジウム(日本でいう高校)を卒業した後にするもの。スポーツとか老人介護とか子どもと一緒に働いたりとか、様々なことを経験するの。
本当は海外でそのボランティアをやりたかったわ。でも、大学入学資格のテスト(高校を卒業)したのが17歳で、まだ未成年だったから、海外に行くには親のサインが必要とかで…リスクも多かったから諦めたの。そのあと方向性をぐるっと変えて、ドイツで政治について何かしてみようと思いついたの。すぐにインターネットで調べて、たくさん応募したわ。そして、ここFriedenskreisに流れ着いたの。 Friedenskreisに決めたのはラフな雰囲気だったからかな。そしてハレの街も気に入ってる。小さな抜け道があったり美術館があったりその時ここで対応してくれた人とも、いろいろと話が合ったわ。

 

※ FSJ とは??? Freiwilliges Soziales Jahrの略で、直訳だと"自主的, 社会的な一年"。大学入学資格を取った人は半数以上がやっているという。具体的内容としてはどこか幼稚園や学校、病院、障害者施設など社会施設で一年程働くこと。この一年で自分の進路をもう少し具体的にすることが出来る。ドイツには他にもBundesfreiwiiligendienstという似た様なものもあったり、海外向けのものがあったりぐちゃぐちゃしてますが充実してます。将来のことで悩むのはみな同じということ。
(Wiki in Englisch-> https://en.wikipedia.org/wiki/Voluntary_social_year)




《海外に行きたいって思っていたのはなぜ?》
他の国に行って暮らしてみたり、たくさんの人や考え方を知りたと思ったの。これは想像しただけで、とてもエキサイティングなことよ。私は英語しかできないから、アイルランドかスコットランドがよかったんだけどね。スカンジナビアの国にも行きたかった。
 
 

《どこでFSJを知りましたか?》
最初にも言ったけどドイツではけっこうやる人が多いのよ。私の義理のお姉さんは、FSJをやってからそのままそこで働いてもう10年になるの。彼女は障害者の家で働いている。私の友達の半分以上はFSJをやっているわ。
多くの場合お小遣い程度にお金がもらえる。私は月々350€もらえるけど、親に少し助けてもらってるわ。
 
 
《なぜそのFSJをやることになったのですか?》
私は政治に関心があるのだけれど、実際に政治に関わる仕事がどういったものなのか、自分が実際にどんな事に興味があるのか知りたいと思ったの。この後大学に進学するのだけど、大学では理論を学ぶと思うから、その前に実習的な経験をしたかったの。
 
 
 
《FSJで学んだことは》
少し寛容になったし、特にそのことについて学んだかな。さまざまな考え方と出会ったけれど、その多くは基本的に私とは違う考え方だった。それで、そのさまざま考え方の背景を探る癖がついたの。世の中には色んな考え方があって、色んな意見があって、色んな理由があって、色んな背景がある。
それはここFriedenskreisでもそうだし、学校やFSJの知り合いもそう。古い伝統的な考えを持つ人とも長いこと話したりした。その人と討論して、他者への理解が深まった。それぞれの人には違う欲求があって、その中で妥協点を見つける経験が出来たかな。

《政治に興味を持ったきっかけ?》
もともと性差別やフェミニズムに興味があったわ。私の親は周りにいる他の子達と違うことをしてもいいという雰囲気があったわ。自由でいられる可能性があって、そういった環境で自分の考えが育ったのかなぁ。それに、自分は他の男の子や女の子のもっている考え方とは少し違うなってずっと思ってた。私はセクハラを受けたり肉体的に傷つくことがあったから、その経験から考え始めたの。簡単に言えば、“痩せてる方が良い”みたいな一般的な意見も同じことね。だから、ベルリンで同性愛者やバイセクシュアルのデモにも参加したわ。 政治(社会)とセクシュアルなことはとても深い結びつきがあると思う。他の国で男尊女卑があったりするけど、そういった考えが生まれるのは、その社会に原因があって, だから政治に関わってその社会構造を少しでも変えたいと思っているの。ちなみに私もバイセクシャル。
 
 
《あなたにとって政治とは何ですか?》
政治は人の共同生活における、基礎的な枠組みのことだと思う。
人が作るグループは政治無しではいけないと思うし、そこには階層があったり構成があったり、そういうことが政治だと思うの。つまり政治は人間社会の基礎にあるものだからとても魅力的。小さな政治から始まって、どうやって一緒に大きな社会を構成していけるかっていうことだと思う。
 
 
 
《政治に興味のない人に関してはどう思いますか?》
他のことに興味があるならそれでいいけど、少しでも自分のいる環境に不満があったり、何かが合わないと思っていたり、望んでいることがあるなら、その社会に対して政治的な活動をすべきだと思う。
なんだかんだいって、そこには政治が関わっているからね。もし、誰もそのグループの運用、つまり政治に関わらないなら、そのグループはうまくいかないと思うわ。
政治に参加しないなら、その参加しない人達の希望は常に後回しにされて、結局のところ不利な立場になってしまうだけだと思うわ。それもまた、最終的にその人の選択だよね。
 
 
《来週はあなたにとって最後の週!これからのプランは?》
ドレスデンで政治学を学ぶ! まずは学術的な目線から、政治についてどのような考え方や理論があるのか学ぶの。そして、その自分の興味と照らし合わせて、考えや理解をさらに深めていきたい。その先はわからないけど、NGOで働きたいかな。まずは実際に大学で色んな人を見て、経験して、もう一度考えたい。
 





《著者のコメントを終わりに変えて》
日本では政治はタブー、自分は友人と政治の話をあまりできない。今の自分はドイツに浅漬けされているので政治の話は好んでする。彼女が言った様に、政治に関連しないと後回しにされる。逆に言えば今のシステム上、何か問題や不満があればそれは社会を変えていく種なのではないだろうか。こういう20歳が出てくるドイツはまだ強い。
 
 
 
 
 
  この三十路インタビューについて→https://note.mu/kosokosolife/n/n6d359d08e7e0

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?