私流こどもの観察方法を因数分解してみた② ~視界が思考を決める~
前回の投稿では、物理的に、視点をかえることをお伝えしました。
実際に子どもが見ている視点を体験してみるだけでも面白いのですが、
視野についてもちょっと意識しています。
みなさん、こどもの視野って、大人の2/3程度なのご存知ですか?
スウェーデンのステイナ・サンデルス氏の実験によれば、
6歳くらいの幼児の平均的な視野は大人の2/3以下だそうです。 【子ども】左右(水平)で90度程度 上下(垂直)で70度程度
【大人】 左右(水平)で150度 上下(垂直)で120度
2/3って聞くと、まあまあみえていないんだろうーなって感じるとは思うのですが、これ、一度体験してみると、、、
えっ! こんなもんしかみえてなかったの???って、
大きな衝撃受けます。
まだ体験されたことのない方は、是非こちらの組み立て眼鏡をお試しください。
ついでに、視力についても。
1歳未満の赤ちゃんの視力が0.1程度なのは、知っていたのですが、
実は、3歳ごろでも、0.6~0.8程度、2歳だと0.4~0.6程度といわれています。
赤ちゃんの時はまだしも、一人で歩いたりし始めたり、ある程度コミュニケーションがとれるようになると、
何だか子どもの大人と同じくらいの世界が当然見えていると思いがち。
だから、
「ちゃんとよくみて!」
「ほら、自転車がきてるでしょ!」
「さっき見せたじゃない!」
とか安易にいってしまう自分がいます。
でも、娘の身長で、彼女の視野で、世界を見たときに、
実際に”見えていない”ものは、沢山あるのです。
なのに、大人の視点で、”みえている”前提で話してしまう。
何度、私は、娘には身に覚えのないことで、叱っていたんだろう。
この事実を知ってから、
私は子供の目線に合わせて話をすることが圧倒的に増えました。
注意をする前に、娘の視線から何が見えていたのかを確認するようになりました。
そうすると、分かったんです。
彼女からは自転車が見えず、側溝に落ちている綺麗な葉っぱが良く見えることを。
さっき見せたはずのハンカチは、彼女には全くみえていなかったことを。
パンツの膝の跡がついたり、スカートが汚れたりすることが増えましたが、、、
かわりに、新しい視点を教えてもらいました。
視界が思考を決める。
”見える世界”にいると、”見えない世界”を想像するのが難しいですよね。
”大人が見ている世界”だけを見ていると、おのずと思考も狭く限定的になっているんだと思います。だから、あえて同じ視点で視野でみてみるのです。
子どもを授かって初めて、見えた視界でした。
この新しい視界が、私の思考をすこし柔軟に、そして優しくしてくれました。
限られた視野の中で、好奇心の塊の目でながめるから、
横をあるく大人の存在には、なかなか気づけないけど、
彼女の視点だから、路上の桜をみつけて、 ママにプレゼントをしてくれるんです。
”あ、飛行機”っと指さす私と一緒に空を眺めるときも、
狭い視野を持つ娘が、一生懸命さがしてくれてるんだなーって、
今まではスルーしていた瞬間にも、ちょっと心があったかくなれるんです。
是非、子どもの見えている世界を、そっと覗いてみてくださいね。きっと思考が柔らかく優しくなっていくはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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