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長男が高校に入ってすぐ不登校になった、約12年前。

私に見せてくれたMVが2つありました。

一つはジェニファー・ロペスとピットブルの「On The Floor」。
もう一つはバンプオブチキンの「真っ赤な空を見ただろうか

他にも見せてくれたと思いますが、印象的だったのはこの2つ。

なぜ記憶に強く残っているかと言うと、私の中の後悔です。


「On The Floor」は、確かにかっこよくて乗りも良く「これいい!」と思えたのですが、まだまだ昭和の価値観で生きていたので、セクシーなダンスや体の線を強調するような衣装に困ってしまいました。

子どもの手前、どんな顔をしていいか分からなかった・・・といったところです。

今でこそ、セクシーなダンスや露出度の高い洋服にも慣れましたが、当時の私は長男の思いよりも、そっちが気になる状態でした。

果たして長男の期待に応える反応ができていたか。応えられないにしても、親の体裁や立場を超えて、心で反応してあげられたかどうかは自信がありません。

高校に馴染めなかった彼を支えた1つがその曲であったなら、もっと寄り添った対応をしたかった。
それが私の後悔になっています。


そしてもう1つ。
「真っ赤な空をみただろうか」

これも長男が私に見せた思いは全くくみ取れていませんでした。

なぜなら、当時、若者に人気だったバンドとはいえ、私は全く知らなかったバンプオブチキンは、見るからに弱々しく、うつむき加減の歌い方に悲壮感を感じてしまったからでした。

見た目でジャッジする薄っぺらいものの見方をしていた私には、その歌詞やそのスタイルでステージに立つ意味に思いを馳せることができませんでした。

正直、その時見せてくれたMVが「真っ赤な空をみただろうか」だったことに気付いたのは何年も経ってから。

華奢で弱々しく見えるボーカル藤原さんの印象だけが強く残っていたので、その後バンプオブチキンを聴くようになってから「あれはこの曲だったのか!」気づいた有様でした。
今では大好きなアーティストになっています。

高校に馴染めなかった長男が、何がゆえにこの曲を私に聞かせたのか。
勿論、大好きだからお母さんにも知って欲しいという思いがあったのは分かります。

でも、なぜ「真っ赤な空をみただろうか」だったのか。

確かに「プラネタリウム」を良く歌っていて「また四畳半歌ってるよ~。」と家族で笑っていましたが、彼はバンプオブチキンが大好きでした。

「ハンマーソング」や「分別奮闘記」、「三人のおじさん」「カルマ」などなど数え上げればキリがないぐらい歌っていました。

でも、見せてくれたMVは「真っ赤な空をみただろうか」だった。

たいした意味はないのかもしれない。
でも、私はやっぱり彼の思いではなく、常識的な視点でしか見ることができなかった。

これは十数年経った今も後悔として残ってしまいました。

この記事を書くことで、その後悔に一旦決着をつけたい。
そう思って書いています。

子どもの思いを受け取れなかった未熟な自分を、今ようやっと受け取れるようになった自分が救いたい。
ただの独りよがりで自己満ですね。

なので、とりたてて長男に伝える必要はないと思っています。自己満ですから。
こうやって記すことで、自己懺悔しているのかもしれません。
書いて少し気持ちが軽くなったように思います。

最後に「真っ赤な空をみただろうか」の歌詞を残そうと思います。
改めて読んで少年だった長男の思いを抱きしめてあげたいと思います。

[BUMP OF CHICKEN「真っ赤な空を見ただろうか」

溜め息の訳を聞いてみても
自分のじゃないからわからない
だからせめて知りたがる
わからないくせに聞きたがる
あいつの痛みはあいつのもの
分けてもらう手段がわからない
だけど 力になりたがる
こいつの痛みも こいつのもの

ふたりがひとつだったなら
同じ鞄を背負えただろう
ふたりがひとつだったなら
別れの日など来ないだろう

言葉ばかり必死になって
やっといくつか覚えたのに
ただ一度の微笑みが
あんなに上手に喋るとは

いろんな世界をのぞく度に
いろんな事が恥ずかしくなった
子供のままじゃみっともないからと
爪先で立つ、本当のガキだ
夕焼け空 きれいだと思う
心をどうか殺さないで
そんな心 馬鹿正直に
話すことを馬鹿にしないで

ひとりがふたつだったから
見られる怖さが生まれたよ
ひとりがふたつだったから
見つめる強さも生まれるよ

理屈ばかり こねまわして
すっかり冷めた胸の奥が
ただ一度の微笑みで
こんなに見事に燃えるとは

ふたりがひとつだったなら
出会う日など来なかっただろう

大切な人に唄いたい
聴こえているのかもわからない
だからめて続けたい
続ける意味さえもわからない

一人で見た 真っ赤な空
君もどこかで見ただろうか
僕の好きな微笑みを
重ねて浮かべた夕焼け空

BUMP OF CHICKEN – 真っ赤な空を見ただろうか (Makka na Sora o Mita Darou ka)
歌詞 |Genius (天才) 歌詞
より引用



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