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猫と山雀の話

4月17日 くもりのち雨

本日のBGM Timmy Thomas

庚申窯には何匹か猫がいて、
毎日登場するレギュラー猫が2匹、
準レギュラーが2匹、カメオ出演が2~3匹
というのが最近の猫劇団の構成で、
すべて野良で
いつの間にか居ついてて、
いつの間にか居なくなります。

餌をねだるか、喧嘩をしているか以外は全て寝て過ごすという
大変無駄のない暮らし方をしている無頼者たちで、
それは男の理想の生き方の一つではないかしらん。

これ↓は2日前くらいから来た新顔で、
レギュラーになろうと各人に頭頂部すりつけ営業をしている愛嬌者。
無頼の生き方には こういう処世術が欠かせないみたい。

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陽気が良くなってきて、
猫の毛も生え変わる時期みたいで、
道端に冬毛の丸まりが、
西部劇の転がる草みたいに ころころ落ちている。

ふと見るとヤマガラが地面に降りてきて、
普段寝て過ごしているくせに気まぐれに抜群の瞬発力を見せるあの無頼者たちが いやしないか、
あたりを見渡しながら、彼らの落とし物を口いっぱいに頬張って飛んでいった。
柔らかい冬毛は上質な寝床になるから建築材として収集してるらしい。
とても愛らしい光景でした。

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昼はくすりかけ(素焼きの器に釉薬をかける作業)をして、
その作業も猫に邪魔されたりしながら、
灯油の窯に突っ込んで、たっぷり煙を出しながら5~6時間ほどで焼き上がり。

さっき見たら温度が800度くらいだったから、
夜の1時くらいには火が止められると思うけど、
これ↓改めて見るとレンガもボロボロで、
そろそろ壊れてもおかしくない、というか崩れた箇所を修復しては別の箇所が崩れるという状態だけど、
これがなかなかいい色を出してくれるので、一番使い慣れてる窯です。

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ところでこの写真のはポロンというスペインのデキャンタなのですが、
実際にワインが美味しくなるからなかなか気に入ってて、
おすすめです。
次はポロンのことでも。

おれ


高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目

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