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「カラオケまねきねこ」運営のコシダカが、コロナ禍前の業績から2倍の成長を実現。攻めの事業戦略と今後の展望に迫る。

日本最大級の店舗数である「カラオケまねきねこ」を運営する株式会社コシダカホールディングス。東証プライム上場企業として、常に目の前のお客様にワクワクしてもらう方法を模索してきました。

2023年8月期にはコロナ禍前の売上高378億円を上回る546億円(約1.4倍)を達成し、営業利益は38億円から76億円(2倍)に。国内外のグループ企業は11社、従業員数は約15,000名に至るまでの成長を遂げました。

HDでDX推進室長、子会社社長も兼務する腰髙室長は、弊社について「今まで以上に成長できる」と話します。自社をさらなる飛躍へと導く事業戦略や課題とは? 日系大手企業、ITベンチャー企業での知見をもとにした腰髙ならではの視点から語ってもらいました。

腰髙 理志(こしだか さとし)
株式会社コシダカホールディングス・執行役員(DX担当)DX推進室長
株式会社コシダカデジタル・代表取締役社長

1994年生まれ、群馬県前橋市出身。大学卒業後の2018年4月よりサントリーホールディングス株式会社にて酒類の業務用営業を担当。2021年にDX分野に強みを持つコンサルティング系のベンチャーにジョインし、IT領域のコンサルティング業務に従事。飲食・IT業界での知見を活かし、2022年9月より株式会社コシダカホールディングスに参画し執行役員(DX担当)DX推進室長、2023年夏に株式会社コシダカデジタルを設立、代表取締役に就任。家業である株式会社コシダカホールディングスを率いる存在として、カラオケに並ぶ新規事業の開発・デジタルを使った業務改革・会社の基盤である人材採用に取り組む。


積極的な事業買収M&Aと新規出店で、過去最高の売上高・営業利益を達成

ーーコシダカホールディングスの事業について教えてください。

弊社は「カラオケまねきねこ」、ひとりカラオケ専門店「ワンカラ」を中心としたカラオケ事業を展開しています。国内で614店舗、海外では韓国、マレーシア、タイ、インドネシアなどで17店舗を運営するまでになりました。

また温浴事業「まねきの湯」や、不動産事業における商業施設「AQERU前橋」の運営管理など、11社ほどのグループ企業で培ってきたノウハウや最先端技術を活かした事業も運営しています。

2022年からは楽しみながら(エンターテインメント)、健康(ウェルネス)を増進する、ウェルテインメント事業もスタートしました。新業態のシニア向け健康サロン「カノップ」を群馬県前橋市と東京都大田区に展開し、様々な角度から地域に根ざしたエンターテインメントを提供しています。

ーー事業の現状について詳しく教えてください。

2023年8月期には、コロナ禍前(2019年8月期)の売上高・378億円を上回る、過去最高売上の546億円を記録しました。営業利益もコロナ禍前の38億円から倍増し、76億円を達成。
このことを弊社社長は、コロナ禍以前を大きく上回ったという意味で「V字回復」ではなく「レ点(✔︎)回復」と表現しています。

ーーレ点回復に繋がった要因は何だと思いますか?

コロナ禍の期間、競合他社が新規出店を取りやめる中で、攻めの姿勢を崩さず「自分たちのサービスをお客様に届ける」努力を惜しまなかったからでしょう。

弊社は群馬県の前橋からスタートし、お客様に喜んでいただくための店舗運営を地道に続けてきました。社風としても「失敗を恐れずチャレンジする」ことが尊重されているので、そういった姿勢に売上がついてきたのだと思います。

ーー具体的に、どのような施策をしていたのでしょうか?

2021年3月に株式会社大庄様のカラオケ事業「カラオケ歌うんだ村」「カラオケファンタジー」をはじめとする計43店舗を譲り受けました。さらに2021年9月から2022年2月の間に、国内で17店舗の新規出店を実施しています。

業界では「こんなに大変な時期になぜ?」と言われたこともありました。しかし当時の判断が売上高と営業利益の向上や、店舗数で国内No.1を維持し続ける要因になったと考えています。

中長期ビジョンである「エンタメをインフラに」を追求し、さらなる事業成長へ

ーーITの知見を持った腰髙室長ならではの、コシダカ社でのミッションを教えてください。

社員の考えを今まで以上にプロアクティブな状態にしていくことです。
今後30年の事業成長を見据えた時に、弊社にはIT化などの外部環境の変化や会社規模の拡大にもっとアジャストする必要があると気づきました。

そのためには大勢の社員の力が欠かせません。様々な経験を積んできた社員のナレッジを集約し、創造性の高い会社を築くために、積極的な採用活動もおこなっています。

ーーコシダカ社全体としてのミッションも教えてください。

カラオケに限らず、新しいエンタメを生活に欠かせないものにするための中長期ビジョンとして、EIP(Entertainment Infrastructure Plan)「エンタメをインフラに」を設定しました。そして、定量目標に以下の3つを掲げています。

2030年までに・・・
【1】売上高を1,000億円にする
【2】カラオケのルーム数を、16,000ルームから30,000ルームまで増やす
【3】現在1,000名の社員数を1,500名にする

ーーEIPおよびその定量目標を実現するために、どのような戦略を考えていますか?

主に3つあります。
1つ目は国内への出店強化です。首都圏や繁華街に積極出店し続けながら、西日本での認知度向上を目指します。

現在は和歌山、島根、鳥取を除いた44都道府県に出店しているため、今期中に全県への出店を完遂させ、西日本のお客様にも弊社のサービスをご提供していきたいと思っています。

2つ目は、PER(Private Entertainment Room)の拡充です。PERとは“カラオケにとどまらない様々なエンタメを提供する場”を意味しています。

今やカラオケルームは、個人の用途に応じて多様な使い方がされていますよね。ひとつのプライベート空間をどう使うかはお客様次第なので、私たちはそのニーズに応えられるインフラ(部屋や設備)を提供していくべきだと考えています。

ーー歌をうたうだけでなく、アーティストのファン同士が集まってライブ映像を鑑賞したり、飲み会の会場として使ったりするケースもありますよね。

そうですね。電源やWi-Fiが使えるプライベート空間なので、多彩な楽しみ方があるでしょう。そのひとつの訴求として様々なIPとコラボしたカラオケルームを作ったり、VRを使った新体感のカラオケサービス「メタカラ」の提供をしたりしています。

これにより、カラオケの売上要素である部屋代と飲食代に「コンテンツ」が加わりました。現在も多くの企業様からいただくご相談やお客様からのリクエストを参考にして、年間50タイトルとのコラボを実施するなど、新たなチャレンジをし続けています。

ーー3つ目の戦略は何でしょうか?

国内で磨き上げたサービスを海外に広く展開することです。弊社は、日本の文化であるカラオケを海外に発信する、カラオケ業界のリーディングカンパニーを目指しています。

またカラオケボックスの国内での市場規模は4,000億円ほど。EIPの定量目標である1,000億円の売上を達成すれば市場の25%を獲得できますが、さらなる事業成長には海外へのエリア拡大が不可欠です。

そのためにも今後はアジア圏だけでなく、欧米や北米、ヨーロッパも含めた地域を見据えています。

今後は店舗数・アプリ会員数を活かした新規事業を創出

ーーコシダカの持つ強みとは、何でしょうか?

ハード面では2つあります。
1つは「完全防音個室」空間を、全国の駅前・繁華街をほぼ網羅した立地で614店舗も展開している点。コンビニなども全国にありますが、個人利用できる空間の数でコシダカの右に出る者はいないでしょう。

もう1つは会員様向けの公式アプリ「カラオケまねきねこ」が、日本の人口の10分の1ほどの約1,000万人にお使いいただいていること。

私が実際に入社した際、「色々な可能性があるな」と驚いた記憶があります。今後はこれらのアセットを活用した、新たなエンタメや事業の創出を行い、お客様に喜んでいただけるようにしていきます。

ーー社内に、新たなエンタメや事業を生み出すための仕組みなどはあるのでしょうか?

新規事業に関するチームも水面下で動いています。
先ほどのアセットを活用して「カラオケまねきねこ」の顧客層を対象に、メーカーや事業会社がテストマーケティングできるBtoBサービスも開発中です。まねきねこには、10代の若者から高齢層まで幅広い世代の方が訪れます。まだ世の中に発表されていない商品やサービスの試作段階でお客様のリアルな声を知るために、「カラオケまねきねこ」はちょうど良いデータ収集の場になります。実際に数社から相談もいただき、進めている状態です。

ーー 今後の広がりが楽しみです。ソフト面の強みも教えてください。

上場企業にも関わらず、経営判断が早いことです。
弊社は大企業のスケールでありながら、ベンチャー企業のようなスピード感を持って業務を進めています。先ほど話したような新規事業やカラオケ事業のコラボキャンペーンも、社員のアイディアをもとに即座に動いた結果です。

加えて人間力も高い。店舗で働くスタッフの明るさやホスピタリティ重視の接客が「カラオケまねきねこ」の安心感を作ってきました。これは、今後の事業成長にも欠かせないポイントだと思います。

失敗を恐れずチャレンジする社風を、存分に楽しんでほしい

ーーコシダカ社では現在、様々な職種の採用活動をしています。具体的にどんな方と一緒に働きたいですか?

IT機能子会社である「コシダカデジタル」では、以下の5つのマインドを持った方とぜひ一緒に働きたいです。

それぞれの要素について、簡単に説明します。

お客様第一主義
弊社を支えて育ててくださった、目の前のお客様を大事にできる人。

当事者意識
誰かが困っていることに当事者意識を持ち、積極的・自主的に動ける人。

好奇心
エンタメを提供する会社として、新しいエンタメにワクワクできる人。デジタルの進化など、時代の変化にも興味を持てる人。

素直/正義
間違いを認められる素直な人。また、お客様から対価をもらうことの大切さを理解して誠実に行動できる人。

ーー最後に、弊社に興味を持っている方へメッセージをお願いします。

私たちが「失敗を恐れずチャレンジする」社風を大切にしている理由は、挑戦が成長を作るからです。そこにコミットしてくださる方であれば、弊社でキャリアを全うしたい方も、自身のキャリアのステップと捉えている方もどちらも歓迎します。

その分、社員が心地よく、成長できる環境を整えるべく全力でサポートします。ぜひ一緒にコシダカの未来を築いていきましょう。

取材協力:CASTER BIZ 採用
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