見出し画像

転職1年

1年前の今日転職をした。
体感的には早いとも遅いとも感じない。
ただ、正直なところ早々に自信を失っていたので、ここまで保ったことは意外だ。

業務面について、まるで貢献している感覚が無い。
一歩進んで二歩下がる、時々三歩進んで二歩下がる。
褒められもせず、批判されもせず、暖簾に腕押し。
どのような内容だとしても「フィードバックが無い」ということがこの上無く苦痛であると初めて知った。
新しい知識を得ることが出来る環境は幸福だ。
ただ、それだけでは何も生み出せないし、そもそも理解が誤っていることもある。
自分の知識も、果たすべき責任も、業務の要求も、何もわからず誰にも聞けず袋小路。
あまりに他人と話す機会がないため、この数ヶ月ほどは幻聴に怯え、妄想に緊張している。

どれだけの人に通じるかわからないけれど、出勤を控えた起床の度に『ゼルダの伝説ムジュラの仮面で最初の朝を迎えた時』のような気分。
煽るようにドンドン…という効果音も感じる。

自分は後どれくらい頑張れるだろうか。

それはそれとして。

入社後すぐに精神的に不安定になっていた自分へ声を掛けてくれた人が今日で退職なさった。

突発性過眠症に悩まされていた自分が半年の試用期間を乗り越えられたのは、間違いなくその人が「これ、差し入れです。良かったら〜o(^_^)o」とごく自然に、穏やかに、飴を渡すやり取りを介して寝ないように気を遣ってくださったからだと思う。
この1年を振り返りながら、甘味が好きなその人ににちょっと良いお菓子を渡したり、今までの感謝を少しでも口に出してみたりしてみたけれど、微塵も恩を返せた気がしない。

通路を挟んだ背後のあたたかさが無くなると思うと堪らなく切なくなり、その結果これで最後という日にも関わらず振り返ることがついぞ出来なかった。
帰り際に詰まり詰まり声を掛けて、逆に気を遣わせてしまう始末。
彼女が新天地で辛い思いをしませんように、と祈るのみ。
幸せであってください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?