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東南アジア起業、本社は日本?シンガポール?(前編)

こんにちは、越です。

「東南アジアで起業したい!」という人にこれまで3桁単位で会って来たのですが、最も焦点になることの一つが「どこを本社=親会社とするか」。僕自身は、シンガポールに本社を置き、タイと日本に子会社としての拠点があるのですが、本社としておすすめなのは、ずばり「日本」です!笑

以前の自己紹介記事(自己紹介❸いよいよタイで会社を登記!メディアの酷評にもめげず、サービスインするも...?)でも、「シンガポール本社はおすすめしない」と書いていて、東南アジアでの起業を考えている友人から「詳細を知りたい!」とリクエストをもらっていたので、「東南アジア起業する場合でも、親会社はシンガポールでなく日本にするのがおすすめ」な理由について書いてみます。

東南アジア起業、本社を日本に置くべき5つの理由

1.資金調達のしやすさ(1)投資

いわゆる”スタートアップ”を起こしてVC・投資家から資金調達したい、という方の場合、VC/企業が「日本国内しか投資できない」制限がある場合があります。

海外の投資家は逆にシンガポールの方が投資しやすいこともありますが、僕の知る限り日本人でASEANで起業して投資が入っている場合に、日本企業・ファンド・日本人が入っていないのは見たことがないので、まず日本法人の方が調達元として有利です。

2.資金調達のしやすさ(2)融資・補助金

日本法人だと、創業融資・海外進出補助金・日本人創業者の個人保証に基づく融資など、現実的な資金確保の面で海外法人ではできない/ハードルの高い選択肢も簡単に受けられることがたくさんあります。

シンガポール親会社・タイ子会社で10年近く経営してきた僕自身、タイとシンガポールでは一度も融資を受けた経験がありませんが、日本ではコロナ緊急融資で数千万円の資金確保ができたので断然有利です。

3.維持コストの安さ

シンガポールに限らず海外で会社を持つ場合、住所登記場所にかかる費用・会計会社代・シンガポールのように現地代表が必要な場合のノミニー(名義)代など色々つきます。

シンガポールだと年間で50〜100万円、タイでも30万円以上はかかりますが、日本だと実家登記・経理もクラウド会計で数千円、年間で赤字でも7〜8万円の税金(地方税の均等割)がかかること以外は、基本コストを抑えられるのでめちゃくちゃローコストにできます。

起業初期はとにかく手元資金がない時期があるので、そのようなときに「息をしているだけ」でお金が消えていく海外法人よりも日本法人を持っていた方が有利です。

4.人的リソースの多さ

採用する人材・取引先探しなども、友人・親戚づてなどを活かせるというだけではなく、ちょっとした郵送物の対応や、一時期だけちょっと手伝ってもらう、愛知にイベント出展するから1日だけ手伝ってもらおうと思ったら友人が住んでたので来てもらった(友情出演価格で)など、実はこの日本だからこそ得られる人的リソースは思いのほか大きいです。

日本に住んでいると気付かないですが、海外法人を持った時に「うわ、これ日本だったら...」と一番頻度高く思うのはこの点かもしれません。

5.上場の選択肢

アジアで起業した/事業成長した日本人の仲間が現時点で上場している例は多くないですが、準備中のところはかなりあり、ほぼ全てがタイ・インドネシア・シンガポールなどの証券市場ではなく日本のマザーズに上場しようとしています。(1人だけタイで例外的存在がいますが笑)

そのために本社登記を変えたり、かなりの資金を使って法人ストラクチャーを変えた知り合いもいます。

これはいくつか理由がありますが、日本の方が総じて:
・流動性が高い(要はお金がたくさん動いていっぱい調達しやすい)
・日本に上場して知名度・信頼が上がることがビジネスの加速に繋がる
・上場しようと思った時に体制を固めやすい

などが主要因かと思います。
また、米国のナスダックに上場する例もありますが、マザーズはそれよりも格段にハードルが低いため、日本での上場が「ちょうどいい」というケースが多いのかと思います。


ということで、「東南アジアで起業するんです!だからシンガポールの法人設立について教えてください!」という方には「まぁまぁ落ち着いて日本法人をまず立てよう」という話をしてきました。

一方で、シンガポール法人を持つ良さもあるはずですよね!?次回は、親会社・子会社かは問わず、海外起業する際にシンガポール法人を持つ利点について書きたいと思います。

つづきは、こちらからどうぞ


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