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起業家支援とキャリアパス

こんにちは、越です。

以前、あるオンラインでの集まりでスピーチをする機会を頂いたのですが、どんな会かを知るべく、事前に集まりの様子を見学させてもらいました。

その登壇者さんがベンチャー支援関係者の方でした。

「起業家・スタートアップ支援」って実態はなかなか起業家の側に立ってないことも多いのですが、今回登壇されていた方は、もう10年近くこの領域に居る方で知見は深いし、起業家のことも本当によく理解されていて敬服し、とても共感したところがありました。

特に共感したのは、起業家支援という文脈には色々あり、特に彼らの場合、実際の顧客として多い”行政”が「スタートアップ支援をしたい」と言う時には(経産省も掲げているように)「ユニコーンをこの県から出したい」みたいなことを宣うそうなのですが、それには切り返してアドバイスをしている、というところ。

ユニコーン(数年で1千億円価値になる企業)などはホンのひとつまみで、99.999%はそうではない企業であり、実際には、非ユニコーンがマジョリティであることを前提に支援を考えるべきである、と。

ただ、行政が支援をする場合、地域活性や雇用などの目的と大義名分が必要であり、支援範囲を「スタートアップ/ユニコーンでなくとも雇用を拡大し税収に寄与する起業家」とするそうです。

なので「一人で食えればいいです」という方はお断りするらしいですし、支援した後も「今すぐ急拡大しなくてもいいけど、税金でここ/この支援を使わせてもらってるのだから組織・雇用拡大できるよう頑張りましょうね」という声がけはするそうです。

いわゆる世間で言われる「目指せユニコーン」的なスタートアップ論に違和感を感じながら、自分が関心のある領域がなんなのか考えてきた僕にとっては、一つの気付きでした。

また、「メンター/コミュニティマネージャーには多様なバックグラウンドの人がチームで起業家を支えるべき」という彼らの経験と持論の中で、「起業家経験者のメンターが一番良い」という結論らしい一方で、そのような方は中々見つからない、というのも良く聞く話ながら示唆深かったです。

いまの僕は組織と事業を維持できず再出発の岐路に立ったわけですが、このような起業家・経営者は僕の周りには相当数います。そして、タイミングや背景は異なれど、皆活躍の場を探しています。

実際に、タイの起業仲間で一度会社を閉じて日本に帰ったある友人は、現在日本の有名アクセラレーターにいて、まさに起業経験を活かしてこの領域にいます。

起業家視点から、うまくいかなくなったときのセーフティネット。
外部視点から、そういうタイミングの起業家を採用したいという事業会社・支援組織。
これらがもっとスムーズに繋がるといいサイクルが生まれる気がするなぁ、と朧気ながら思いました。

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