02. 僕の名前/ Mi nombre
僕の名前は、
“立川 巧雪(たちかわ こうせつ)”
よく、芸名ですか?とか、
実家はお寺ですか?と聞かれるが、本名だ。
よく、お父さんは南こうせつが好きなんですか?
とも聞かれるが、そうではない。
*南こうせつは大分のお寺の子どもで、本名は「南高節」。
レコードを見た人がよく「南高節を聴いてみたい」と間違われることが多く、
ひらがな表記にしたらしい。
僕の名前は兄貴が命名してくれた。
兄は僕より15歳も年上で、彼が中学3年の時に親父からの希望で、僕の命名権を得たらしい。
当時、兄は画数占いや誕生日の暦などを調べて、必死に僕の名前を考えてくれた。
由来は、親父が職人仕事をしているから「巧」、
誕生日の11月22日が暦の上では「小雪(しょうせつ)」なので「雪」とした。
確かに、画数占いでは良い結果ばかり出るし、珍しい名前なので日本人には覚えてもらいやすい。
海外での表記は、
“Kosetsu Tachikawa”
で、「う」は読まず「こせつ」としている。
そのほうがまだ発音しやすいらしい。
よくパラグアイの買い物レジで、名前を聞き直される。
「Kosetsuだよ」と教えると、だいたいクスッと笑われる。
最初は、自分の名前を笑われて抵抗があったが、
「日本人だよ。難しいよね〜」と笑顔で話してあげると、
その場ですぐに仲良くなれる。
ある意味得する名前だと思っている。
でも、基本的に現地の人からは呼びづらく、覚えにくいので、
「Kota」という愛称で呼んでもらうようにしている。
自分で言うのもなんだけど、自分の名前は気に入っている。
こんないい名前をつけてくれた兄貴には心から感謝している。
15歳の息子に命名権を与える親父も、よくやったなあと思う。
中学生の時に、先生が母親に
「良いお名前ですね。雪は純白で汚れのないものですから。」
と、言っていたのをよく覚えている。
残念ながら煩悩だらけで、自分をとても潔白な人間とは言い張れないが、
名は体を表すよう、少しでも名前に近づけるように努力したいと思う。
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