見出し画像

公の場だけが炎上の舞台ではない

どうも。名古屋のコピーライターkosaku(@kosaku)です。

2週間前ぐらいでしょうか、広告業界で少し大きめの炎上騒ぎがありました。朝のワイドショーでも取り上げられていたのでご存じの方も多いかと思いますが、乳がん検診を啓蒙するコンペ「ピンクリボンデザイン大賞」のポスター部門でグランプリを受賞した作品に『傷ついた』『不適切である』と多くの批判の声が集まったというものです。

広告業界の人間ならある程度知られているコンペなので、私も人ごとではないなとその様子を見ていました。

まず炎上したのは

「まさか、私が」と毎年9万人が言う

くじ引きのガラガラをモチーフにしたビジュアルに、そんなコピーが入った作品でした。
どのような批判を集めたかは、ネット上に無数のニュース記事がありますのでそちらをご覧になっていただければと思います。


また、ポスター部門だけでなくコピー部門のグランプリ作品も炎上しています。

乳がんに一番多い症状は、無関心です。

こちらは「無関心だから乳がんになったというのか」と、がんサバイバーの方々から批難を浴びました。

公募で作品を集める広告コンペは、作り手(特にプロの制作者)側からすると通常のクライアントワークとは違う「実験の場」です。
なので審査員も、仕事では難しいチャレンジングな作品を受賞作として選ぶ傾向があります。

コピーライターは言葉を強くする際にしばしば「言い切るコピー」を心がけますが、この2つの作品のコピーも「言い切り型」になっています。コンペ向けに強くしたコピーが火に注がれた油のような役割を果たして、今回の悲しい結果を招いてしまったような気がしています。

そしてピンクリボンの場合、受賞作は実際にポスターとして掲出されるという点も大きな問題でした。
「コンペなんだし少しぐらいチャレンジしてもいいのでは」
そんな作り手の身勝手な理屈は、もともと通用しない環境だったのです。

ただ、仮にこれが実際にポスターにならなかったとしても、同じように炎上したのではないでしょうか?
どんなメディアやSNSであっても、ネット上にのっかった時点で「公の場」に出ているのと同じだからです。

公の場だけが炎上の舞台ではない

今回の件を教訓に、このタイトルを自分への戒めにしたいと思います。

(おわり)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?