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「キーレーン」

ソ連崩壊後のロシアでは、
オーケストラ奏者も職を失い、
明日の糧を求めていた。

そこに目をつけたのがオウム真理教。

困窮していた奏者を集めて
オーケストラ「キーレーン」を結成し、
布教活動の一環として
来日公演を行ったりしていた。

どのような待遇でロシアのオケ奏者が
雇われたのかは定かではないが、
当時のロシアの相場からすると
「破格」だったそうだ。

あの時代のロシアにおいて、
演奏家が演奏家であろうとするならば、
そして
演奏で食べていこうとするならば、
とても魅力的な話であったことは
容易に想像がつく。

・・・最後は
サティアンに閉じ込められて
洗脳されたり、
変なガスを吸わされたり
してたみたいだけどね・・・

「音楽は自由だ」
「音楽に国境はない」

良く言われる言葉ではある。

・・・でも、
音楽家も「人」である以上、
国家とか宗教とか組織とか、
そういったものと
無縁でいられる存在ではない。

自分が信じる音楽を
全うするためにも
なるべく誤りの少ない
選択をしていきたいものである。

――2018年7月、
オウム真理教松本智津夫
死刑執行のニュースに寄せて――

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