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DMMオンラインサロンが予約投稿機能に込めた思いとは?「予約投稿」開発の真相

こんにちは、DMMオンラインサロンのプロダクトマネージャーの金子です。

今回は、先日リリースされた新機能である「予約投稿」開発の裏側をご紹介します。

予約投稿機能とは


予約投稿機能とは、コミュニティ内の投稿を予約することができる機能です。これにより、ユーザーは投稿を公開したい日時に投稿作業する必要がなくなります。

例えば、コミュニティ内で定期的に情報を発信したい場合や、イベントの告知をする場合など、あらかじめ予約しておくことで、投稿のタイミングを調整しやすくなります。

どうやって予約投稿の開発を決めたか

大通りから攻める

私の基本的な指針として、「大通りの機能から攻める」ことを心がけています。
プロダクトマネージャーなりたてぐらいのときにフリーアジェンダのPodcast聞いて影響を受けました。

「複数の課題を広く浅く解決する」のではなく、「重要な課題をより深く解決する」というイメージです。

DMMオンラインサロンで大通りの機能は、投稿機能です。

オンラインサロンは、サロンオーナーが会員に対してコンテンツを提供することがサービスの主軸です。コンテンツの提供のほとんどは、投稿機能を媒介して行われています。

そのため、投稿の体験を改善する開発はオンラインサロンの大通りを攻めることであり、優先度が高いと考えていました。

狩野モデル

しかし、単に

「使っているユーザー数が多いところを改善すべき」

「使っているユーザー数が多いのは投稿」

「だから予約投稿機能を作りましょう」

というロジックだけでは自信を持ちきれなかったため、事業部内で納得感を醸成できないと考え、予約投稿機能を今作るべきだという根拠の1つとして、狩野モデルを活用しました。

狩野モデルとは、ユーザーが認識する品質を以下の5つに分類して評価するモデルです。

  1. 当たり前品質

  2. 一元的品質

  3. 魅力的品質

  4. 無関心品質

  5. 逆品質

基本的にある程度のしきい値までは1から順番に満たしていくと、ユーザー満足度を効果的に高められると考えています。

狩野モデルで複数の機能についてユーザーにアンケートを取った結果、予約投稿機能が他の未実装機能より頭1つ高いスコアが出たので、DMMオンラインサロンが投稿機能を大通りとして捉えているだけでなく、ユーザーもそう感じている、ということを根拠として予約投稿開発の合意形成を進めました。

狩野モデルについては、良かったことも失敗したこともあるので、別途記事を書こうと思います。

次に、特に印象に残っている仕様についてご紹介します。

何分単位で予約できるべきなのか?

今回の予約投稿は公開日時を1分単位で予約できるようにしましたが、他のサービスやプロダクトでは、5分や10分単位で予約できるものもあると思います。

オンラインサロン事業部の中でも、この単位を何にするかは意見が分かれたポイントでした。

オンラインサロンの場合、数字に意味を持つことがわりとあります。
例えば、語呂合わせなど意味のある数字をオンラインサロンの月額料金に設定して、オーナーの世界観を表現することがあります。

例:
・5,381円(御参拝)
・999円(エンジェルナンバー)

イベントの告知や日付が変わったタイミングに投稿したいというニーズであれば、1分単位でなくても満たせますが、そのような「数字を使ってオーナーの世界観を表現すること」を可能にする場合、1分単位での予約が必須でした。

オンラインサロンでは、それぞれのオーナーが、それぞれのスタイルで、幅の広い表現ができることが重要なので、公開日時は1分単位に決めました。

これはつまり、公開日時が1分ずれたらそれはもう意味が違ってくるということなので、予約投稿が失敗したら即座にわかる状態でないといけません。
なので、予約投稿が失敗した際は、すぐに通知で気づけるようにし、失敗の定義を「公開日時を1分オーバーしたら失敗」に決めました。

予約投稿が失敗して、本来投稿したかった時間を1分以上過ぎていたら、オーナーはもう投稿したくない可能性もあります。もしくは次の日の同じ時間に投稿したい可能性などもあります。
なので、予約投稿がもし失敗してしまったら、その後システムが自動的に再投稿はしないようにしました。

他にも悩んだ点はたくさんありますが、特にこの公開日時の単位に関しては、オンラインサロンの特性を反映した仕様になったので、とても記憶に残っています。

おわりに

オンラインサロン事業部のプロダクトマネジメントは、PdM、デザイナー、エンジニア、社内外のステークホルダーを巻き込みながらプロダクトを成長させられる仕事です。

まだまだプロダクトマネジメント自体に改善が必要な点はありますが、直近でもプロダクト開発サイクルに大きな変更を入れようとしていたりと、毎日のように改善を繰り返しているので、短いサイクルでいろいろ試せる環境です。

また今後もいろんな取り組みを紹介したいと思うので、もし興味を持っていただけた方はぜひフォローしてください🙇‍♂️


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