間取りをただ眺める。(562字)

不動産情報が好きだ。
間取り図とか、なんとなく眺めてしまう。

今住んでいる街に不満はない。
引っ越す気があったりなかったりだが、
違う街に住んでみたい気もする。

この6畳やそこらの面積に、これだけの金額出してまでここに住みたいのか、
基準がわからなくなってくる。

もちろん、仕事に行くのに便利だからという基準もある。
近くに自然環境があるからという基準もある。
急な引越しのその場しのぎで選んだとかもあるだろう。

どこを選ぼうが、住めば都な気もしてくる。

賃貸の不動産屋のHPをみる。
希望条件の項目をつける度に、該当する物件数が減っていく。

ある程度、希望を入れ終えた状態で生き残った情報を1つずつ見てみる。

間取り図を見ながら、今持っている家具の配置を想像する。
駅からの帰り道を想像する。
最寄りのスーパーはどこかな?とか、休日はこの辺り行きたいなーとか。

物件条件と、Googleマップのページを行き来する。

ひとしきり見て、新生活を想像しては、ムフフと笑って、を繰り返し、

ま、引っ越す予定はないけどね。でブラウザを閉じる。

思えば間取りとは不思議だ。

同じ形状なのに、そこで営まれる生活は千差万別で、

引っ越しでモノが消えると同時に、何もなかったような気になってしまう。

そんな日常が、そこかしこで今日も続いているのか。

そんな事に想いを馳せては、夜は更ける。

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