【ポエム】飲みのこし。 (208字)
水深5mmの珈琲。カップの底の水面。
うっすらと惨めったらしく底面にへばりつく苦味。
飲み干して仕舞えば、もうこの場所にいる理由がなくなってしまう。
だから、最期の一口を飲み干せないまま。
熱が逃げていく。
きっと、冷めてしまえば美味しく無くなっていくのだろう。
それでも私はそれに手を伸ばすことができない。
このまま時間が止まってくれないものだろうか。
美味しさも、ここにいる理由も、
なくならずにずっと続いてくれないものだろうか。
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