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金融・投資レポート ’22.1.16

1/10-1/14 週の振り返り

今週は2年債利回りが上昇、また10年債利回りも上昇したことにより金利上昇局面に弱いハイテクが弱含みました。インフレ高進とそれに伴う要人のタカ派発言が目立ちましたが為替はドル安、また資源高も材料となり新興国市場が反発しました。

株式1015

為替はドル安、米雇用統計の伸び悩みや国際通貨基金IMFがブログで新興国に対しFRBの利上げに備える必要があると警告したことなどもメイントピックでした。特にクロス円が弱くドル円は113円半ばまで続落、欧州通貨は対ドルではややプラスなものの突き抜ける強さは感じられず週を終えました。

為替1015

商品は全体的に堅調、コモディティCRBは2014年12月以来の高値を記録しました。中でも気温低下によりエネルギーが堅調、原油は週間原油在庫が2018年10月以来の低水準を記録したことやリビアやカザフスタンの供給懸念なども引き続き材料となり84ドルをあっさり超え11月高値水準まで上昇しました。

商品0115

今週発表された米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7%と39年ぶりの伸びとなりました。またハト派で有名なブレイナードFRB副議長が公聴会で「インフレ抑制は最重要課題」と発言したことからも、FRBの課題がインフレに集中していることが再確認さました。長短金利の上昇で株式指数も上値重く推移し、金融相場の終焉が垣間見えています。

そんな中、原油だけは明確に上昇トレンドを描いています。そもそも原油が上昇している背景は①世界的に強い需要 ②中東の生産進捗の遅れ ③2017年以降の米シェール企業の相次ぐ倒産 ④脱炭素政策による新規参入障壁の高まり ⑤投機増加 など複数に渡っており、仮にコロナが終息に向かったとしても構造的・地政学的に②~④は根深いものがあり、短期で急にトレンド転換が起こるとは考えにくいと思います。

このため、インフレのヘッジ機能を期待し①石油メジャー大手 ②今週高値抜け、をポイントにしエクソン・INPEXにそれぞれ資産の5%ずつを振り向けました。エクソン10%でも良いと思いますが、為替影響を勘案し2社に振り分けています。

個別株にした理由ですが、ポートフォリオのヘッジ目的とはいえ、少なめの資産でセクターに集中するリスクを取るなら徹底的にαを狙いにいったほうが効率がよいのではないかと考え、石油系ETFではなく個別株にフォーカスする戦略を取ることにしました。以前金利上昇局面でJPMに同様の戦略を取った際、αがポートフォリオ全体のパフォーマンスに効率よく作用した体験も理由です。

2022年は金融政策によるインフレのコントロールが功を奏して業績相場に移行するか、はたまたスタグフレーションとして景気を低迷させるのか未だ不透明が続く中、指数を積極的に買いに行くことはできませんから、これら個別銘柄がポートフォリオのパフォーマンスを支えてくれることを期待したいと思っています。(注文を出す際は久しぶりのウキウキ感で、腕まくりして注文出しました(笑)やはり投資は売りよりも買いが良いですね!)

新しいポートフォリオは株式35%(MSCIコクサイ25%、石油個別株10%(XOM・1605))、債券35%、現金30%です。
 
来週ですが、全体的に下目線である中 再来週25日からのFOMCと大型ハイテク決算(マイクロソフトは1/25・テスラは1/26、アップルは1/27)を見据え手じまいの動きが強まると考えます。その他モルガンスタンレー・P&G・ユナイテッド航空・NETFLIXなどの注目銘柄も予定されていますから、個別株の動向も材料として押さえておきたいと思っています。

また国内日銀は17日からの金融政策会合にてインフレ見通しを現状の0.9%から1%前半にするとの観測が高まっている中、目標である2%を達成する前に利上げ開始できるか議論していることも報じられており、金融政策の方向性に憶測が飛び交う状況となっています。ドル円は1/5から下落トレンドが続いているため、来週もドル売りが継続すれば日経は昨年9月からの三角持ち合いをブレイクすることも想定できるため下目線で高いところを売りたいと考えてます。

商品は原油は引き続き上目線、さらに比較的連動性の高い英・カナダ通貨にも着目しています。来週は両国とも消費者物価指数や小売売上高などの経済指標発表もありますから、原油の押し目買いの材料として注目したいと思います。

<来週の注目指標など>
1/17(月) 中国四半期GDP、鉱工業生産 ※米休場(キング牧師誕生日)
1/18(火) 日銀政策金利発表、英雇用統計、ゴールドマンサックス決算
1/19(水) 英・カナダ消費者物価指数(CPI)、バンカメ、モルガンスタンレー、P&G、ユナイテッド航空決算
1/20(木) NETFLIX決算
1/21(金) 英・カナダ小売売上高、欧消費者信頼感指数

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