見出し画像

クラウドファンディングに重要な3つのこと



長野県でフリーランスエンジニアをしているwaticsonです!
クラウドファンディングに挑戦しようとしています。そこで様々なプロジェクトを見て重要な要素を整理してみました。

クラウドファンディングで重要なこと

様々なプロジェクトを見て私が大事だと思ったことは以下の3つです。

目的が伝わること
確信的であること
生々しいこと

私は、カラオケを避けてきた人が人前で歌うことを克服する、というテーマを掲げています。

カラオケを克服する、とだけ聞くと、

「別に解決しなくても困らなそう」

と見えるものかと思います。実際にカラオケが怖いと話すと笑って聞いてくれる人が大半です。私もそういう類のものだと感じます。別にカラオケに行かなければ良いし、周りを気にせず歌えば良い。解決できそうだし、解決しなくても困らなそう。でも、私にとっては一大事、大真面目、これが解決したら人生がより良くなると確信しています。

どのようにこのことを伝えるか、ということが重要だと考えます。
クラウドファンディングの紹介ページでやった方がいいことは山ほどあります。

・伝わりやすい言葉を使う
・自身の体験を踏まえる
・当人の写真を使って親近感をつくる
・魅力的なプロダクトを設計する
・支援しやすいリターンを考える
・活動報告をまめにする

などなど。
パッと思いついたのはこのあたりですが、こだわればキリがないでしょう。
これらの実施内容に結びつく、より重要なことが先ほどの3点、「目的が伝わること」「確信的であること」「生々しいこと」と考えます。

どういうことなのか、実際に私が参考にしたプロジェクトから整理します。達成したもの、もう少しで達成したもの計4件を引用しています。

プロジェクト例

1.よよぼっと

こちらは少額の目標金額から始められるSPARKSから。
自分の気持ちを伝えることができない人のために会話のきっかけを作ってくれるドラムスティックです。

目的が伝わる
想いを伝える一歩を踏み出してほしい、というメッセージが伝わります。

確信的である
よよぼっとをきっかけに何年も会わなかった友人に会いに行ったり、自分を変えた、という力強さが伝わってきます。

生々しい
このプロジェクトの最も良い点だと感じました。ちょっとした勇気がでなかったということは誰にでもありそうな出来事です。しかし、あこがれの人のためにつくったドラムスティックを実際に会ったのに渡せなかった、そのドラムスティックは自分と向き合うためにずっと見えるところに置いてあった、というストーリーからこのプロジェクトにかける切実さが伝わってきました。

このクラウドファンディングそのものが自身のブレイクスルーの手助けになっているのが熱くてとても良いと感じました。時系列で克服に進んでいくストーリーが伝わる点が参考になりました。


2.ラップで韻(イン)グリッシュ

こちらは約23万円を集めてサクセスしたプロジェクトです。
誰でもラップで簡単に英語を学べる方法、英語教育×ラップという新しい英語教育法に挑戦するサロン企画です。

目的が伝わる
ラップを使って誰でも簡単に英語を学べるオンラインスクールを開講する、という目的です。オンラインスクールという設計が提供するサービス内容をわかりにくくしていますが、「海外で活躍」「楽しく学ぶ」という明るいビジョンも伝わりました。

確信的であること
このプロジェクトの最も良いと感じた点は、ラップの持つパワーが伝わることでした。「ラップで人生が変わった」「ラップでポジティブになった」というエピソードは、ラップで英語学習ってどうなんだろう?という新しい概念に対する不安を感じさせないものでした。

生々しい
こんなに自身を表現している方ですが実は吃音に苦しんでいたのは意外でした。ラップが吃音を乗り越えるきっかけになったというストーリーも上記のラップの持つパワーにもつながっていると思います。

とにかく確信的で、この方のラップのメリットとして説明していたポジティブさが全面から伝わってきます。サービスを一足先に使っている人という立場で、こんな風になれるんだということを画像や文章で表現している点が参考になりました。
また、ラップは歌が上手くなくても良い、というのが私にとっても新たな気づきでした。


続いて、惜しいと思ったプロジェクトです。

3.カフェインマスター

こちらもSPARKSから。カフェインを防止するために、摂取したカフェインの量を登録できるというアプリです。

目的が伝わる
カフェインの取り過ぎを防止する、ということがタイトルからわかります。私も頭が痛くなりながらコーヒーを飲み続けているのでこのプロジェクトは「おっ」となりました。

確信的であること
このプロジェクトで特に気になった点でした。機能やアプローチは記載されていますが、機能の必然性や目的の達成が置き去りになっているように感じました。確かに記録することでカフェインの摂取は減るかもしれませんが、逆に、このアプリが効果がありそう!ということは伝わってきませんでした。

生々しい
カフェインの取り過ぎによる悪循環には共感を得られると思いました。1点、機能内容にもつながると思った部分は、コーヒーが好きでカフェインを取りすぎてしまう人、単なる眠気覚ましとしてコーヒーを摂取している人、のどちらが対象なのかということが気になりました。ついついコーヒーを淹れてしまう心理描写も知りたかったです。

個人的には、コーヒー好きな人でもよりコーヒーを楽しめる仕掛けとして、例えば記録を続けると「大好きな〇〇のコーヒーが1杯飲めるくらいコーヒー代が節約できました」や、忙しい人がカフェインに頼らなくても仕事頑張る仕掛けとしてよいタイミングで「愛犬が応援してくれる(愛犬の画像を機能で使われていたので)」などより良いビジョンがあるとより良いと感じました。

4.ドレミキャッチ

一人で音程の練習ができるボイストレーニング機器です。
達成には至りませんでしたが、1千万円もの支援を受けています。

目的が伝わる
音痴を克服するプロダクトを開発したい、でしょうか。音痴で困っている人を減らしたい、というよりは、プロダクトをつくりたい、という意図を感じました。

確信的であること
効果検証をしている、ボイストレーナー監修 → 一人で音痴克服という印象でした。音痴克服の部分がややあっさりしていたと感じました。

生々しい
このプロジェクトで特に気になった点です。なぜこれをつくったのかが伝わりませんでした。なぜつくったのかは必須ではないと思っていましたが、私は歌が下手なので、この私の状況にあったプロダクトなのか、ということが知りたかったです。そのためには、こういう苦悩がある、こういう経験があるなどのエピソードが、支援者との目的の一致をつくる上で重要だと感じました。

効果検証を用意されていたのでユーザーの感想が気になりました。また、ボイストレーナーから音痴についての解説や、歌を思うように歌えるとこんな素敵な未来が待っているといった魅力も伝わるとより良いと感じました。

振り返り

僭越ながら過去のプロジェクトを分析対象として引用させていただきました。確信的や生々しさと表現しましたが、私のような克服系のプロジェクトではビジョンを語る自信やリーダーシップが重要に感じました。支援と聞くと助けてもらう印象ですが、実際には「おれの後ろについてこい!」という構造だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?