世界の周り方

私は小学、中学生時代、共にイジメを受けていた。臆病で自分の意見を持たない子どもだったから狙われてしまった。地獄のような日々だった。学校には誰一人として味方なんていなかった。「こんな世界なんて滅んでしまえば良い」と何度も思った。今ではそんな夢のような日々は終わった。高校を遠い場所にして一人でその地に引っ越した。高校生活にも慣れて、平凡な日々を過ごせている。朝になったら、読み飽きた新聞を広げ、黒い鏡に嵐を映し出しながら、朝ごはんを食べる。学校に行く支度を終えてつぶやく。

「いってきます」

ひとりしかいないが挨拶は忘れたことはない。家を出てすぐに鍵をかけ忘れたことに気づいたがそんなことはどうでもよかった。盗む物も無いが、盗んで欲しいとさえ思った。
今日もただひとり、誰もいない学校の中、世界の中心で私は机を濡らした。

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