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空が高く感じるとき

今から10年以上前、
作業療法士の資格を取るために実習に行った。

①評価実習 3週間
②長期実習1回目 10週間
③長期実習2回目 10週間


今の実習はそれほど課題はでないようだが、当時の実習はきつかった。毎日のレポートと実習終盤になると症例報告会があるので、そのための準備もしなければならなかった。実習終盤は毎日4時間睡眠だったが、若さでなんとか乗り越えられた。


中でも1番きつかったのが、評価実習の3週間。
日数は短く、長期実習よりやることが少ないのだが、とにかく指導者が意地悪でメンタル的にきつかった。

細かいことをチクチク指摘してくるし、全然褒めてくれないし、ちょっと落ち込んだ表情をすると「そんな顔しない!」と怒られるのだった。

精神的にキツくてストレスで帯状疱疹ができた。病院で薬を貰い内服しながら実習を続けた。

たった3週間だったが毎日毎日指折り最終日までの日数を数えた。1日に何回数えても日数は変わらないのに、何度も数えた。

本当に辛い時はトイレに避難した。あまりトイレが長いと注意されるかもと思い、ちょっと休憩したらまた実習に戻った。

実習が嫌過ぎて作業療法士になるのを辞めようかとも思った。でも母が毎日励ましてくれたのでなんとかやり遂げることができた。

人生で1番長い3週間だった。


そんな実習最終日。
全てのフィードバックが終わって建物の外に出た時、空はとても高くて広かった。確か曇り空だったと思う。それでも今まで見てきたどの空よりも高く明るく見えた。

やっと解放されたんだ。

そう思って曇り空を眺めてた記憶がある。
実習中は空を見る余裕なんてなかった。
ずっと下を向いてたのだと思う。




最近Podcastを聴いていると、同じような体験を話している人がいた。

その人は社畜を辞めフリーランスになったライターなのだが、最終出勤日を終えた後「空が高く感じた」と話していた。


何回もいいねを送りたいくらい共感した。


実習終わりに感じた空の高さ。
あの体験をわかってくれる人がいるだなんて。 

空の見え方は心理状況を表している。

追い詰められている時、空は低い。
空に圧迫感がある。
そもそも追い詰められると空を見る余裕がない。
目線も気持ちも下を向いている。

気持ちが晴れやかだと空が高い。
たとえ雨でも、傘をさしていても空が高く見える。


今日の空は高かった。
明日の空も高くありますように。

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