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酔狂道中記:旅を遊び、旅に学ぶ

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世界各地を旅して出会った面白い人や興味深い体験などを短い文章にまとめて、ご覧いただこうという趣向です。
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#エッセー

000 「酔狂道中記:旅を遊び、旅に学ぶ」目次

000 「酔狂道中記:旅を遊び、旅に学ぶ」目次

054 世紀初めに「世紀末ウィーン」を思う
053 三すくみのジャンケンとコイン投げ
052 ウィーン大学で過ごした楽しい半年間
051 ときに夢は凡人を天才にする
050 自分の尻尾をくわえるヘビの夢
049 夢の変容・鎌倉から室町へ
048 眠りのなかで目覚める夢の力
047 見てみたい芭蕉の夢の枯れ野の風景
046 虚と実のはざまに遊ぶ夢時間
045 寒暖差が誘う睡魔の快楽
044 イタリア

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90. 山水画のような「結願の寺」大窪寺の風景

90. 山水画のような「結願の寺」大窪寺の風景

                    写真:大窪寺山門(撮影筆者) 

 京都の街での超ミニ巡礼のあと、四国88か所の「お遍路」を試みようと徳島に行った。

 第一札所の霊山寺(りょうぜんじ)の駐車場に自動車を止める。と、案内所に白衣姿の女性のマネキンが立っていた。
 その面妖な俗っぽさに「はて?」と思いつつ寺の正面に回る。
 古色ゆかしい仁王門をくぐる。と、緑の木立に囲まれた錦鯉の泳ぐ池の左手

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69. ブダペストでハンガリー動乱を思い出す

69. ブダペストでハンガリー動乱を思い出す

   写真:ハンガリー動乱で破壊されたソ連軍の戦車(Wikipediaより)

 「ハンガリー」と聞けば、反射的に「動乱」という言葉が思い出されます。大昔、13歳になったばかりの小学6年生のぼくに、10歳年上の兄がこの事件のことを教えてくれたのです。

 それは1956年10月23日、ハンガリーの労働者や学生が、社会主義ソ連の傀儡だった同国政府の圧政に対して蜂起したことに端を発しました。自国民によ

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