禍話リライト:間に合わない夢
A君が大学生になってから見始めた夢は、毎回起きた時に絶望的な気持ちになる。いわゆる[希死念慮]というものを抱いてしまう。
夢の内容はというとさほど恐ろしいものではない。
A君は夢の中で、高校に行かなくてはならなかった。
現実のA君は人生で遅刻したことがほぼ無いと言っていいほどきちんと高校に3年間通った。なのに夢の中ではありえない時間に起きてしまいどうがんばっても間に合わなかったり、ある時はギリギリ間に合いそうな時間に起きたとしても生徒手帳が無いとか靴下が見つからないとかで間